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2012年4月1日 


今日はエイプリルフール。取り立てて嘘をついてみようなどと考えもしませ
んが、ふと思いました。「毎日がエイプリルフールやん、民主党」。
ほんま、いい加減にしてよ。

さて、今日の本題に入ります。

レフ・トルストイの「アンナ・カレーニナ」を読んだのは高校時代で、深い感
銘を受けた一冊です。

道ならぬ恋に落ちたアンナは、年上の夫の許しよりも恋人を選ぶ。愛する子
供に会うこともかなわず、不義の恋ゆえ貴族社交界からは締め出される。
次第に嫉妬から恋人ブロンスキーへの不信が強まり、最後には恋人にも自分
にも悲観して線路に身を投じ短い一生を終える。

現代と違い不義に対する社会制約が厳しかった時代です。賢く振舞えず、一
途に情熱に流されて身を破滅させるアンナが憐れに思えたものです。
「アンナ・カレーニナ」はトルストイが当時のモラル、宗教、哲学の全てを
注ぎ込んで完成させた名作だと言われます。

さて、その文豪トルストイ没100年を記念して彼の晩年と妻ソフィーとの
確執と愛を描いたのが「The Last Station(終着駅・トルストイ最後の旅)」
(2010年)。トルストイを演じるのは、「サウンド・オブ・ミュージ
ック」でトラップ大佐を演じたクリストファー・プラマー、妻ソフィーは
わたしが好きな英国女優ヘレン・ミレンです。

彼女は映画「クイーン」でアカデミー賞をとりましたが、わたしはイギリス
の犯罪ドラマシリーズ「第一容疑者」のジェーン・テニスン以来ファンにな
りました。男社会の組織内での対立や矛盾、孤独、最後には自分が陥るアル
コール中毒と闘いながら現社会の難事件を解決して行く女警部ジェーン・テ
ニスン。悩める大人のキャリア女性をヘレン・ミレンは素晴らしい演技で見
せていました。下記のサイトでは予告編が観られます。

http://bd-dvd.sonypictures.jp/saigo-tabi/

ヘレン・ミレンが演じたソフィーが、ソクラテスの妻、モーツアルトの妻に次
ぐ世界三悪妻の一人だ言われるのを映画で初めて知りました。悪妻の定義が
どんなものか、わたしにはよく分かりませんが、男にとって扱いにくい妻っ
てことでしょうか・・・しからばわたしもその端っこあたりに入るかもなぁ、
とそんなことを思いながら書いています^^;

著名すぎるトルストイ、その著作権、遺産をロシア国民に委譲させようと
するトルストイの高弟チェルトコフや娘アレキサンドラとそれに断固反対
する妻ソフィーとの折り合いが悪かったことも、世に彼女を悪妻と言わし
めるようになったのではないか。

世界的に名声を得たトルストイは後にそれまでとは違ったトルストイ主義
と呼ばれる思想に転向し、晩年は求道者としての道を探ろうとします。夫
の筆跡を清書するなどしてその作家活動を支えてきたソフィーからすると、
トルストイの精神の変化についていけなかったのも諍いの原因だったのか
も知れません。

13人もの子供を産み長年ともに生きてきた妻ソフィーを、長女のアレキ
サンドラを始めとする家族、チェルトコフたちが瀕死の床にある駅の一室
に通すまいとする姿勢には、トルストイの家族関係に異質なものを感じて
しまいます。

終着駅とは、トルストイが自分の領地を捨てて家出し、彼が病に倒れ命を
落としたアスタポヴォ駅(現レイ・トルストイ駅)のことです。

82歳にして残された人生最後の時間を一人静かにと安らぎを求めて、家族、
領地を捨てて家出したトルストイですが、うがった見方をすれば、著作権や
遺産を国民に委譲することで自分の死後、遺される妻や大家族はどうなるの
か、遺言に署名するときにトルストイはやはり迷ったであろうか。人生最後
の時間を一人静かにというので、全てを捨てて旅に出るわけですが、文豪ト
ルストイであったからこそそれは周囲に許されたのでしょう。

この映画を見て、青春時代に感銘したトルストイの作品をもう一度、夏休み
にでも読んでみようかと思っています。トルストイについて何も知らずに
読んだ青春時代と、今回の映画を見て知ったことを交差させて読む現在とで
は、読後感が違って出るかも知れません。

もう一作、いいと思った映画作品を。

「Temple Grandin」。
これはテレビの映画チャンネルをひねって偶然に観た映画です。

誰ですか?テンプル騎士団の追っかけをわたしがしているからとてそれの類
だと思っている人は(笑)
Temple Grandinとは自閉症を抱えていながら社会的に名を上げ
たアメリカの実在する女性の名前です。ちょっと面白い名前ですね。

自閉症がまだ社会で認識されていない時代に生まれ彼女は2歳で特別施設
に預けられ1950年代に自閉症と診断されました。よき理解者である母親
とよい指導者に恵まれ後にフェニクスのアリゾナ州立大学に学び、更にイリ
ノイ州の大学で動物学博士を取得します。

家畜施設での虐待的な扱いを目の当たりにして、自閉症、差別と闘いながら、
わたしたちの食卓にあがるために飼育される家畜をできるだけ恐怖から開放
し苦痛を和らげようと、自分が考案設計した施設を持ち込んで家畜業者たち
の説得に取り組みます。

彼女半生を描いたこの映画はエイミー賞テレビ映画部門でたくさんの賞を
獲得しています。

Dr.Temple Grandinは現在も自閉症啓蒙活動と家畜の権利保護運動を展開し
ているコロラド州立大学准教授です。
下記Youtubeからの引用です。




本は勿論、わたしは映画を通しても学ばされることがたくさんあります。
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テーマ:映画
ジャンル:映画
コメント
違うっての!
「毎日が~!」上手い!
本当に、政府と東電は「嘘八百」馬鹿り!
誰に期待したら良いのでしょうかね?
「まさか、ご子息が~!?」違います。ペットと赤ちゃんの映像をたまたま見て(ペット=だいたいがワンちゃん。)ペットが、ちゃんと赤ん坊を認識していて、優しく扱っているのがとても癒されるのです。
2012/04/02(Mon) 09:31 | URL | 天気晴朗、布団干しちゅう! | 【編集
ちゅうさん、

>誰に期待したら良いのでしょうかね?

現政権では誰にも期待できまへんv-394

次の選挙ではわたしたち一人一人が。肝に銘じるべきです、
政権とった後の政策とやらを全くもっとらんのでしたね、この人たち。
なくてもできるんだ、どこかの傀儡なら。
中学校の生徒会じゃないぞ!

ご子息の件、ちがってたのねん、残念w

赤ちゃんとペット、わたしも少し覗いてみました。
悪徳弁護士も民主も They were once bebiesですねv-412


2012/04/04(Wed) 21:52 | URL | spacesis | 【編集
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