2017年4月11日

前回話に出ました「クラウディウ」という犬について今日は書きます。もう38年も昔の話になります。

ポルトガル語も分からず、英語もほとんど通じない環境で、しかも当時は夫の家族である、義母、その姉二人、つまり3人のお年寄りとの同居でありました。 いやぁ~、この6年間はもう大変なものでありましたよ。今日のわたしの隠された我慢強さ、したたかさはこの同居時代に培われたものと自負してますです^^ おっと、話がついそちらの方に流れそうだ。

さて、日本人が一人もいなかったそんな環境での明け暮れでした。近所の5、6歳の子供たちに「ファシスタ!」とののしられていた老犬が路上で寝ているのを表通りに面したわたしたち夫婦の部屋のベランダから毎日見ていたのでありました。今と違って当時はのんびりしたものです。ねの通りは5、6匹の野良犬が道路のあちこちでゴロ寝している光景は当たり前でした。

老犬は小柄でビッコをひいており、右側の牙が少々突き出ていて、見るからに醜い。「犬だってイジメの対象になるのは、こんなのなのか」と思うと、当時の自分の孤独感も手伝って、俄然わたしはその犬に近づき始めたのです。

初めは近づくわたしを恐れて、逃げ隠れしていた老犬が次第に警戒心を解いていき、やがてわたしが玄関口で、「ヒューッ!」と口笛を吹くとすぐやってくるようになりました。それからです、庭がないからだめだ、と嫌がる義母さまを説き伏せ(ん?言葉がわからないのに、どうやって説き伏せた?そりゃぁ、あなた、身振り手振りですよん^^)、義母さま、ついに根負けして、「じゃぁ、日中は外、夜寝るときは仕方ないベランダ」ってことに相成りましてね。

「ヤッター」の気分のわたし、名前は迷うことなく、ローマ帝国の歴史上、小柄でビッコをひきもっとも皇帝らしくないと言われた
「クラウディウ皇帝」からいただいて、「クラウディウ」と名づけたのでした。

忘れもしない、わたしがポルトガルに来た年の12月31日。その日の夕暮れ時、いつもなら飛んでくるはずなのに、いくら呼んでもクラウディウは現れず。すると、近所の人が、「午前中保健所が犬捕りにやってきて他の犬たちはみな逃げたのに、クラウディウだけはその場にうずくまってしまい、網にかかってしまい連れていかれた」と言うではないか!

孤独な異国での生活で初めて心を通い合わせた相棒です、半ベソをかいて夫になんとかしてくれと泣きつきました。夫が保健所に電話で問い合わせしたところ、すでに病院送りになったとの返事。 「病院ってどこの病院?サン・ジュアン病院!あなたの病院じゃないの!」

日も落ちかけた大晦日、わたしは夫とともに人がいなくなった病院の実験薬殺用の犬たちが入れられている檻のある棟に忍び込みました・・・

建物と続いて周りが高い網でとりかこまれたその大きな檻には何十匹もの犬たちがうろうろ不安な眼をして動き回ったりうずくまったり。それは心の痛む光景でした。

「こんなたくさんの犬の中に本当にクラウディウはいるのだろうか」と思いながら低い声で必死に叫びました。「クラウディウ、クラウディウ」

やがて檻のずっと奥の方からヨロヨロと出てきたクラウディウはわたしたちを見るなり喜び吠えです。しかし、どうやって檻から出すのか?・・・・・ すると、あった!犬が逃げようと試みでもしたのだろうか、網の一部が破れてる!夫が素手でそこをこじあけこじあけ、やっと小柄なクラウディウが出られるくらいの大きさに押し広げ、ついにクラウディウを抱き上げたわたし達は、外に止めてあった車に押し込め、逃げること一目散!

破られた網に穴から他の犬たちも逃げたのは言うまでもないでありましょう。あとは野となれ山となれ。いずれ殺処分されるであろう犬たちへ、大晦日の贈り物だい!

そうして自宅へ着いたわたしたちも、そして車も、檻の中でウンコまみれになっていたクラウディウの匂いがしっかりついていたのでした。1979年12月31日大晦日のハプニングでした。

ランキングクリックをして応援をお願いできますか?
にほんブログ村 海外生活ブログ ポルトガル情報へ blogram投票ボタン
コメント
初めまして。
初めまして!
同じポ語圏のサンパウロからです。
実は日本から移植されたらしい椿を検索していてこちらのブログに出会いました。

ワンちゃんの件は丸でサスペンスですね。
面白く読ませて頂きました。
お手伝いさん。我が家ももう40年以上も
続くD.ALDA。家族の一員です。
どうぞ ご主人共々お元気で !


2017/04/11(Tue) 23:15 | URL | Pappo | 【編集
見る人は、地球の反対側からも観ている(^。^)
圧巻の気のdog救出劇に拍手喝采👏(^。^)(^。^)(^。^)ちょいと、失礼乍、地球の裏に朝が来る〜🎶
🇧🇷まで素晴らしい(^。^)(^。^)(^。^)
2017/04/12(Wed) 11:29 | URL | やまひろ | 【編集
Pappoさん
コメントをありがとうございます。
40年ものお手伝いさんがいるとおっしゃいますと、わたしと同年代の方でしょうか。

遥かブラジルから、ありがとうございます。

つい先週、カフェの店名に惹かれて銀座にある「パウリスタ」という創業100年以上になるカフェに入ってきました。かつてポルトガルで放映されていたブラジルのTelenovela、Avenida Paulistaを思い出して^^
ブラジルのTelenovelaファンです。

お時間がありましたら、またどうぞおいで下さい。

2017/04/13(Thu) 08:20 | URL | spacesis | 【編集
やまひろさん
ありがとうございます!

日本滞在もあと三日、あっという間でした。人様のパソコンでは思うようにできず、書きたいことはたくさんあるのですが、それはポルトへ帰ってからのお楽しみということで、ご勘弁ください。

いつもコメントをありがとうございます!

2017/04/13(Thu) 08:26 | URL | spacesis | 【編集
日本にご滞在中なんですね。
いいな~。桜満開の春を楽しんでいらっしゃるんでしょうね。毎年二回やってる高校のの同窓会にはいつも、誘いがあるのですが 小生療養中で訪日が出来ません。
で、元気になったら是非ポルトガルだけは行ってみたい国ですね。
小生の妹が一昨年コーラスのグループで
お邪魔して大変気に入って帰ってきました。甥の嫁さんのご両親がIlha de Madeiraからの移民だった様な、、、

以後、よろしくです。



2017/04/13(Thu) 23:54 | URL | Pappo | 【編集
追加させて頂きます。
小生、ヤフーのブログを使用、極僅かですが記事を書いてますので、宜しかったら
覗いて見てください。
kataomoirow
にて検索されると出てくるはずです。
2017/04/14(Fri) 00:39 | URL | Pappo | 【編集
pappoさん
ご療養中なのですね。
どうか一日も早くお元気になられますよう願っております。

わたしも高校の同窓会に30数年ぶりに顔をだしたことがあります。彼らとは時折メールや電話のやり取りをしていますが、会が秋なので、なかなか出席が難しいです。

今回は大阪へ行かなければならず、故郷の弘前への帰郷は叶いまっせんでしたが、次回にはきっと、と思っています。

下記でその時のことを綴っていますのでよろしかったらどうぞ。

・spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-893.html

・spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-894.html

・spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-293.html

・spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-300.html

明日の夜には再びポルトへ帰りますので、と紹介頂いたPappoさんのサイト、ポルトからアクセスいたしますね。

それでは、早くお元気になられますよう!

・spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-1363.html

2017/04/16(Sun) 07:50 | URL | spacesis | 【編集
YUKOさん
もう帰国されたでしょうか?

いや~、いずれの記事も私事を重ねて楽しくも懐かしく読ませて頂きました。お上手な文章にも感心しております。

小生、日本語を書くという作業を忘れていたので、7年程前からPCを購入。操作を孫に教えて貰いながら、老後の時間を潰しております。
是非、貴女のブログ、最初から読んでみたいと思ってますので よろしく~~!

ちなみに私は1940年生。ずーっと化け学で食ってました。
2017/04/18(Tue) 09:12 | URL | Pappo | 【編集
ただ今ポルトに帰りました!

わたしも1940年生ですよv-290

Pappoさん同様、子どもたちが日本へ行ってしまうのを機会に、娘に奨められてホームページ作成から始めましたが、大変でした。

でも、昔取った杵柄とやらで、タイプができましたので、その点、助かりました。

ブログをお読みになると、あちこちに脱字、漢字の変換間違い等が見つかるとおもいますが、それはそそっかしいわたしの性格から来るものとご了承いただき、ご勘弁の程を!

お仕事が化け学専門とは!
夫の家族に夫婦共に化け学を教えているのがいます。

彼らの学生時代を知っていますが、脱帽の勉強振りで、大変な分野だなぁと感じたことがあります。

理数系、わたしはからっきしダメでしたっけv-394

今後もどうどお付き合いをよろしくお願いいたします!
2017/04/19(Wed) 11:37 | URL | Pappoさん | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
Click for Porto, Portugal Forecast 
ポルトガル ポルトの口コミ
ポルトガル ポルトの口コミ にほんブログ村 外国語ブログ マルチリンガルへ
にほんブログ村