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2019年8月9日 

壇一雄の作品を読んだことはありませんが、少し調べてみました。
すると、なんと本は読んでいないが、あっ、知ってる!という作品がありました。

満州を舞台にした「夕日と拳銃」です。壇一雄は1956年に書いていますが、テレビドラマ化されたのは1964年。主役の伊達麟乃介を工藤堅太郎が、その下僕を小松方正が演じており、彼が伊達家の無頼若殿麟乃介を「若とんしゃん」とさかんに呼んでいたのを覚えています。

馬にまたがり拳銃を使いこなす破天荒な満州の日本人という設定に憧れの思いで毎回楽しみにみたものです。

♪満州荒野 夕日を浴びて 思い出ずるは なにごとぞ
  風にルパシカなびかせて 今じゃ馬賊の旗頭
  いざゆかんいざゆかん 望みははるか いざゆかん

とまぁ、主題歌まで覚えているのですが、どうやら数番ある歌詞をわたしは混同していたようです。
壇一雄がこのような娯楽作品も書いていたのを知りました。

さて、Santa Cruzに戻りまして。
地図を頼りにRua Prof. Kazuo Dan(Rua=通り、Prof.=Professor=先生)を見つけました↓

santacruz9.jpg

通り入り口、左側の家の壁に標識、「Escritor Japonês (日本の作家)1912-1976」が見られます。
santacruz2_1.jpg

通りにある一軒に壇一雄は1970年、58才のときにSanta Cruzに1年4ヶ月滞在したようです。作家が住んだ家は現在個人宅になっているので、撮影は避けました。

1970年と言うと、わたしがポルトガルに来る9年前です。壇一雄が住んだ頃のポルトガルは独裁者と呼ばれるサラザールの死後2年で、マルセロ・カエターノ首相が引き継いでいた時期です。1974年のポルトガル4月革命はこの4年先です。

ポルトにわたしが来た1979年、ポルトガルの第2都市と言われるポルトでですら、アジア人は奇異な目を向けられましたから、リスボンに近いとて漁村のSanta Cruzでの作家の生活はどんなものだったのか、ちょっと想像できません。

しかし、後世のSanta Cruzにこうして名前が残されるということから、壇一雄は地元の人との交流もあり親しまれたようです。

santacruz3_1.jpg
urismo内。

地元では赤ワインの「Dão(ダォン)」を作家は好んだと言われます。苗字と同じ発音です。

KazuoDan1.jpg

地元の人達との交流(from Wikipedia)↑↓

KazuoDan2.jpg

海岸プロムナードにあるKazuo Danの石碑↓
santacruz10.jpg

海に面した石碑の表面
santacruz5_2.jpg

「落日を拾ひに行かん海の果て」  壇一雄

ポルトガル語訳:
Belo sol poente
Ah ! Pudesse eu ir buscar-te
Lá, ao fim deo mar !

Santa Cruz 滞在中、体調を心配した作家の妻も訪れているとのこと。この後、壇一雄はスイス、オーストリア、ドイツ、スペインモロッコを旅し、遺作となる「火宅の人」の最後の章を完成させ、1976年1月に死去。

壇一雄がよく通った海岸近くのCervejará Imperial、現在はMarisqueira Imperialと名前も雰囲気も変わりレストランになっていますが、今でも時にKazuo Danの話が聞かれるとのこと。

再びSanta Cruzの落日を見ることは叶いませんでしたが、碑の句にあるように、放浪の果て、彼は海の彼方に最後の落日を求めて行ったのでしょうか。

メモ:Marisqueira Imperial
   Rua António Figueiroa Rego, 3
   Santa Cruz

ではみなさま、また。

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2019年8月8日 

8月に入ってからもポルトはずっと涼しく、昨日今日は夏とは思えぬ雨天です。
これはこれで、毎年嫌と言うほどの森林火災被害に襲われずに済むのでいいのですが、夏の休暇を太陽の下で過ごそうと望む人にはがっかりでしょう。

さて、今回は連れ合いが2週間の海外出張とのことで、単独東京から帰国中の息子は、友人たちと逢うのに忙しく、それでもまだわたしたちとの旅行に付き合ってくれます。

国内旅行の計画は長いこと夫に任せています。その方がケンカにならずに済むのです(笑) 今夏は一泊2日の旅行が二度だったのですが、来週予定のは、燃料タンクローリーの運転手によるストライキの可能性大でどのような事態になるか予測できず、ホテルの予約をキャンセルしました。

今週月、火曜日に行ってきたのはリスボンから1時間足らずのVimeiroという小さな海岸沿いの町です。ナポレオンが3度のポルトガル侵入を試みて失敗した半島戦争(1807~1814)で、戦場になったところです。1808年8月、ポルトガルはイギリス軍と共にVimeiroで戦いフランス軍を破っています。

Vimeiro.jpg

他には何があるかと言うと、ホテルからの眺めが素晴らしい、ということくらいです。

vimeiro2_1.jpg

夫はこの景色を高台のホテルから眺めてみたかったのだそうで^^;

ふむ、なるほど、と黙って従う。 しかし、来る途中で見かけた「Santa Cruz」の標識を見て、そう言えば、サンタクルスは作家の壇一雄が住んだことがあるというのを思い出し、近くだから行って見ようと提案しました。

この話は昔から知っていたのですが、日本文学に浅いわたしはさして興味を示さなかったもので、これまで立ち寄ったことがなかったのです。

今日はKazuo Danと名付けられた通りを探しながら撮った町の写真を載せてみます。

santacruz12.jpg
きれいに舗装されたSantacruzのプロムナード(ポルトガル語ではesplanadaと呼ぶ)

santacruz7.jpg
カペラの小さな鐘が真っ青な空に映えて。 

santacruz8.jpg
向かい合わせの家の赤い柵と黄色い柵がかわいい。

santacruz11.jpg
ポルトガル北部と違ったいかにも南部の町といった色合わせ。

明日はPart2です。

ではみなさま、また明日。

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2019年8月4日

昔からStar Warsファンのわたしである。補習校講師時代には、わが子のみならず補習校の子どもた
ちをも引き連れて見に行ったりもしました。

3年前に、「スターウォーズ・フォースの覚醒」を観ましたが、その時、ポルトガルでちょっとした面白い話として、主人公の一人、ハン・ソロが持つ宇宙船Millenium FalconがPenafiel(ぺナフィエル)山頂にある「Cidade Morta(死んだ町)」とそっくりだと、こちらのテレビニュースで取り上げられていたのです。

下がWikiで得たMillenium FalconとCidade Mortaの画像です。

優れた高速力を持ち、その外見から「銀河系最速のガラクタ」と呼ばれ、エピソード7「フォースの覚醒」では、埃に埋もれて姿を現します。

castro_mt_mozinho
Wikiより↑↓
castro_mt_mozinho

いかがですか?似てるでしょう?

Penafielはポルトから車で40分ほどでしょうか、正式には「Castro de Monte Mozinho(カストロ・デ・モンテ・モズィーニュ)遺跡」と呼ばれます。

カストロを少し説明すると、元は古代ローマ以前の青銅器時代から鉄器時代にケルト人によって造られた避難用の村で、周辺を見渡すことができる小高い丘の頂上に見られます。

カストロ の周囲には、ケルト人以前の文化の遺物であるメンヒルやドルメンのような青銅器時代の巨石記念物が多く見られます。土や石や木材でできた防壁がめぐらされています。また、カストロには湧き水や渓流の水源があり、住居は円形に並んでおり、草葺屋根をかけています。カストロの大きさは直径数十メートルから数百メートルまでと、大小さまざま。下は復元されたカストロの例です。

castro

Castro de Monte Mozinhoが発掘されたのは、1943年で、再発掘は1974年で現在に至ります。随分長いこと放置されたのは、国にお金がなかったのか、古代遺跡発掘に興味がなかったのか。

一世紀から中世まで人が住んだ形跡があり、競技やアセンブリが行われ、マーケットもあったとされています。

そして、ここからはわたしが撮影してきたもの。

castro_mt_mozinho

山頂への入り口には小さな博物館があります。日曜日だと言うのに、人がほとんどおらず。職員さんが暇そうにしていて、わたしたちにどこから来たのかと話しかけて来たのでした。

博物館を後に、遺跡のある山頂へとゆるやかな山道を少し歩いてすぐでした。

castro_mt_mozunho1.jpg

ここが遺跡の入り口です。
castro_mt_mozinho-1.jpg

castro_mt_mozinho

まるで天に向かってゆるやかに上っていくかのよう。
castro_mt_mozinho3 (2)

石段をのぼったところが、石塀に囲まれた集落の中心になっています。
castro_mt_mozinho
入り口の巨大な石はケルト民族、ドルイドの名残か?

castro_mt_mozinho

castro_mt_mozinho10-1.jpg

castro_mt_mozinho11 - Copy

つわものどもが 夢のあと。石の間から生命力たくましく咲く花に蝶々が。
castro_mt_mozinho


ミステリー好きのわたしとしては、「紀元1世紀には人が住み始めた」などと聞かされるよりも、古代ローマ時代以前のケルト民族によって最初に造られた、と宣伝文句を押し出してもらい、もっと面白い展開が欲しいところですが、考古学と天文考古学とはなかなか相容れず、説明はありきたりのものであったのが残念でした。

本日の案内は2016年の書き直しです。

お付き合いいただき、ありがとうございました。ではまた!
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2019年8月3日 

義兄がどこからかもらってきたパンフレットのお城の写真に一目惚れし、出かけたのが、ベイラ・インテリオール地方(Beira Interiorポルトガル東、中央部の内陸・山岳地方)、ラメーゴ(Lamego)近くの村「Peedon=ぺネドーノ」です。

わたしたちが予想していた所要時間をはるかに超え片道3時間かかり到着したぺネドーノは、人口が3000人ほど小さな村です。このあたりは栗の産地で有名だそうですが、件の目的のお城はこれです↓

penedono2.jpg
中世の城ぺネドーノ城。

西洋史では中世は5世紀から15世紀の半ばをさします。ぺネドーノはレコンキスタ時代の10世紀には既に言及されていますが、現在の城の形式が出来上がったのは14世紀半ばだとされ、花崗岩と頁岩(けつがん=xhisto)でできています。右に建つのはPelourinhoと呼ばれるさらし台。ポルトガルの古城の多くは、支配者が居住せず、要塞の役割を担っていました。

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この辺りは花崗岩の採掘地でもあります。 小高い丘は花崗岩の丘そのもの。それが城の土台になっています。

penedono4.jpg
城の入り口。

↓中世期にはどんな旗がたなびいたのだろうか。トップの小さなピラミッド形を頂く塔には魅力を感じます。
oenedono5.jpg

小さな村ですが、新しいプール、テニス場が備わっているのと対照的に町の中心は中世からの石造りの家が多く、教会もふたつありました。

penedono5.jpg

面白いとおもったのは、村にあちこちに中世の兵器が展示されているところです。

penedono6.jpg
再現された中世の木製大兵器。

penedono7.jpg
アニメ「もののけ姫」にでも出てくるようです。

penedono8.jpg

下図、赤いところがペネドーノ古城のある地域です。
penedono1.png

ペネドーノからもう少し足を延ばすと古代ドルメンが見られます。それは次回の案内にて。

ではみなさま、また。


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2019年4月20日 

イースターで日本語教室は久しぶりに土曜日が休みでした。そこで、雑誌記事の取材に朝から夫と車で出かけてきたのですが、アベイロに向かう高速道路では、今年もこんな光景が見られました。

aveiro_cegonha.jpg

走車内から慌てて撮りましたゆえ画像が悪いのはご勘弁あれ。

高速道路横の鉄塔のところどころにあるのはコウノトリの巣です。以前はこういうところにたくさん作っていたのですが↓

cegonha2.jpg

巣による色々な支障が起きるのを防ぐため、人の手で横の鉄塔に移されたのだそうです。そのためか、巣の数はこれまでと比べてグンと少なくなったように思います。

さて、取材目的地途中にあたるアベイロに寄り道してみました。

イースター休みを利用して、スペインからの観光客がわんさと押しかけて、小さな町アベイルの運河沿いは、人人人。

aveiro-3.jpg

アベイロの有名なゴンドラこと「モリセイロ」の乗り場は順番を待つ列が出来ていました。6、7年前には見られなかった光景です。モリセイロについては後記で案内いたします。

aveiro_3.jpg
運河にかかる小さな橋の上にも人がいっぱいです。

アベイロと言えば、oves molesという卵の黄身をふんだんに使ったお菓子が有名で、運河沿いのカフェで食べることができますが、今は通りにこんなキオスクもでています。

aveiro_5.jpg

oves molesについての詳しい記事はこちら。
http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-495.html

アベイロのゴンドラ、モリセイロについてはこちらで。
http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-1011.html

本日は、みなさまこれにて。

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