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2011年6月11日

夕月
夕月

今日は趣向を変えて、創立当時から22年間講師として携わって来、昨年1
年間のボランティア名誉校長職もこの春退いた補習校時代の思い出を紹介し
ます。題して、

「黄色いお化け」

引率する身は、事故がおこらないようにと気遣いでくたびれ果ててしまう修
学旅行も、子供達にとっては楽しみで仕方がないようだ。
   
わたしが職場とする小さな補習校は、今ではその行事も中止してしまったが、
数年前までは、毎年一度、小学1年生から全員希望者を引き連れて、ポルト
ガルのいろいろな町を一泊で訪れたものである。
その場所を選ぶのも楽ではない。

一般的な観光地はポルトガル滞在中に子供たちは親と行くことが多いので対
象外にする。とにかく子供達が日本へ帰国しても、「ポルトガルでのあの頃
は楽しかった」と記憶に残るような一泊旅行をと、わたしたちは案を練り、
準備として事前視察をしたものだ。

わたしは時々、我が妹に今回の旅行・運動会ではこんなことを計画してる、
あんなことをしてみる予定だと、メールなどで書いたものだ。
すると、夫が中学校の学校長をしている彼女、
「そんな面白い案はあんたでないと出ないね。今の日本の学校では、とて
もそんなことをさせてくれないよ。」とよく羨ましがられたものである。
   
今日あげる思い出話はそのひとつである。
   
ポルトガルにあるもうひとつの補習校と、一度だけ合同修学旅行を仕組んだ
ことがある。生徒数が総勢でも30名になるかならないかである。
行き先は両校の中間点に当たる海岸近くの、キャンプ場だ。
こんもりとした松林の中にバンガローがあり、その林を抜けきった向こうに
は海が開けている。
   
その日、わたしたち補習校のが練り上げたお楽しみは、題して「肝試し」。

参加できるのは、小学4年以上から最高学年の高校1年まで。
男女一組ずつが手をつないでその林を抜け切り、海辺に出たところで、そこ
に小さな模型の塔を立てて待っている先生の一人から、確かにそこへたどり
着いたという証拠のお札をもらって帰ってくるのである。

松林は夜になると灯りがないので真っ暗だ。
暗闇の松林のあちこちには、わたしたち大人が隠れていて、海辺に向かって
手をつないで歩いていく二人を「ヒュ~ドロドロ」と脅かすのである^^;

相手校の先生3人、それにわたしが木の陰に隠れて、やがてやってくるカッ
プルを待ちかまえている。(↑こういう役割はなぜだか、いつもわたしがす
る羽目になる^^;)
 
みんな特別の格好をして隠れるわけではないのに、わたしだけはどういう訳か
寸前に同僚から、
「これを着て隠れてよ」と手渡され、
「ほい、いいわよ」と調子よく受け取った、まっ黄色い雨合羽。着てみると、
「ちょっと長いじゃん、コレ。すそ引きずるし・・・」
「だ~いじょうぶ、だいじょうぶ。」
「そ、そう?」と少し気にはなったものの、そこが浅はかなわたし、黄色い
オバケよろしくそれをまとって松の木の陰にかがんで隠れていたのでした。
 
さて、向こうのバンガローがある松林の入り口のところでは、我が同僚I氏が、
カップルを組み合わせておりまするが、なかなかこちらへカップルがやって
来ない。
そのうち、キャーキャー、ガーガーと耳をつんざくような奇声が聞こえてきた。
かなりしつけの悪いのがいるようで、同僚のI氏、御しかねているようだ。

木の陰に隠れて、今か今かとかがんで待ち構えているのも楽なものではない。
「早よ、こ~い」と暗闇の中、気をもんでいるというのに、彼方の騒ぎは一
向に収まりそうもなく、他校の先生、誰も注意に行こうとはしない。

キャンプ場である。テントを張っている他のお客もいるはずだ。
少しぐらいの騒ぎなら子供のご愛嬌で済ませるものの、これは行き過ぎだ!
こういうのは、ガツンとやらないとダメなのである。
   
待ちくたびれたのと頭に来たのとで、わたしはやおら木の陰から飛び出して、
林道に一歩踏み出した。
とたん、ク●!雨合羽のすそを踏んづけてしまったではないか!
可愛い黄色いオバケは前につんのめり両手を突き出して地べたに転んだのだ。
(だから、だから、すそが長いって言ったのに・・・)
   
林道を挟んで向かいっかわに隠れていた相手校の幽霊先生が慌てて飛び出し
て来て、
「だいじょうぶですか?」と言う。
それを言うなら、もっと早く飛び出して来て、あっちをなんとかすれ~!

「ほっといてください!」と、恥ずかしいのと腹立ちとで、プンプンのプン!
顔には転んだ時につけた砂そのままに、雨合羽のすそを両手でたくし上げ、
怒りに任せて入り口へ向かいドンドン歩き、着くなり、

「おまえら、こぉらーーー!なにやってんだ!」
(スンマセン。とても女講師とは思えないようで。家で息子を怒鳴りつけて
る地が出てしまったのでした^^;)

聞くと他校の生徒の中に、I氏の言うことをなかなか聞かないのがいて、それ
にその取り巻きも加勢しての騒音である。  
「おっかさん、怒ると地声がドス効いててコワイわ」と我がモイケル娘も太
鼓判を押す大きな声に、相手校にはそんな柄の悪い先生がいないのであろう、
騒いでいた生徒たちが一瞬しーんとなった。
  
やっと騒ぎも収束したのだが、黄色いオバケのネタもばれ、木の陰から出て
林の中をフラフラユラユラ歩いても生徒たちからは「ちっとも恐くなぁい」
と言われ、ホンマ腹の立つこと。
   
しかし、子供達はとても面白かったらしく、特に「男女組み合わせで手をつ
なぐ」このルールが、人数の少ない学校にいて異性と接触する機会がない彼
らにとっては、後々の愉快な思い出になったようだ。

黄色いオバケは後になって転んだ時の痛みが両手足にズンときたのであった。
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テーマ:子育て・教育
ジャンル:学校・教育
コメント
いい思い出?ですね
確かに、今の日本だと、難しい企画?なのでしょうか?
私の学生時代にはあった気もしますが…?
(年がバレますね!_(^^;)ゞ)

転んじゃったところを想像して、笑っちゃいました!すいません!
きっと、名物先生だったんでしょうね!
生徒みんなの記憶に残ってると思いますよ!
(*^^*)
2011/06/13(Mon) 05:22 | URL | jackie | 【編集
spacesisさん、こんにちわ。

こちらは梅雨で晴れ間があまり無いのですが、6月中旬だというのに、暑くないのがありがたいです。
色々お楽しみを考えてくれる先生だったのですね。子供達にはしっかりいい思い出になってると思いますよ。思い出って大人になってから、特に年をとって来ると何度もフッとした事で思い出しては味わえていいですよね。
2011/06/13(Mon) 18:21 | URL | kumi | 【編集
>jackieさん

行事に関しては親が難しくしているところもあるのでしょうね。
学校側も奇抜なアイディアはしないに越したことはない、ということで。

本校も(と言ってももう直接的な関係はありませんが)
残念ながら今ではこういう行事はなくなりました。

名物と言うより、よくずっこけていましたので、どうも
先生然としたタイプではなく、おっかさん的だったかも
知れませんね。ついつい自分の子供だったらこんな風に
やっちゃう、というところが出てしまいましたから。
教えながら教わったというのが本当のところですv-290

>kumiさん、こんにちは。

節電問題もありこれから夏、日本は大変ですね。

わたしが子供の頃の、つまり今の便利な生活とはかけ離れた
話をすると、みんな目を輝かして聞いていました。

水洗トイレではなかったこと、土間があったこと、水道ではなくてポンプで水をくみ上げたこと、
蛍とりやトンボ取りのこと、蚊帳のこと、お化け屋敷遊び、
肝試し遊び、少年探偵団ごっこなどなど、まるで絵物語のようなのでしょうね。
ある意味、生き字引です^^;

わたしにとっても懐かしい、そして
そこはかとなく
よき時代だったと今となっては思い出される子供の頃です^^
2011/06/15(Wed) 23:12 | URL | spacesis | 【編集
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