2011年8月18日

今年5月でポルトガル在住33年目に入ったのですが、こんな夏は初めての
ような気がします。

「こんな夏」と言うのは、涼しいだけでなく、あの身も心も吸いこまれてし
まうようなポルトガルの夏独特の真っ青な空が見られない日がポルトでは何
度もあり、小雨が降ったりの今年の夏のことです。

8月16日現在ですが、一度もクーラーが欲しいと思ったことがないほどの
今夏。そんなわけで、夫が数年前に購入した我が家の中国製移動式クーラー
は今日までまだそのままお蔵入りの状態です。

夕方7時のただ今の気温は19度。これもこの時期からは信じがたい気温で
あります。節電が叫ばれて酷暑の中で生活する日本の我が子たちや日本の
人たちを思うに連れ、この涼しさが少しでも日本でおこればいいのにと願う
この頃です。

さて、旅行から帰ってくると、リビングのテーブルの上に小包が乗せられて
おりました。わたしたちの留守中、ネコの世話をしてくれていたベルミーラ
おばさんが受け取ったもので、3ヶ月前の帰国時に持ちきれなくて船便で送
ることになったわたしの本の到着です。

その中の大切な一冊、ここで紹介しようかどうしようかと多少迷ったのです
が、拙ブログは我が子達に残す「母の歴史ブログ」でもありますし、上げる
ことにしました。

弘前南高校花序

我が高校時代の生徒会誌1964年(昭和39年)発行第一号です。

グラビア、詩、エッセイ、先生たちの開校裏話座談会(これはわたしが苦労
してテープから原稿を起こしたw)や学校の行事記録、クラス、担任やその
他教科別の教師紹介まで掲載されてある100ページ足らずの懐かしい青春
時代の一冊です。

第1号とあります、昭和38年(1963年)に開校された我が母校、わた
したちは第一回生なのですが、開校して間もなく生徒たちが手がけた会誌に
なりますが、我が同窓生たちの果たして何人がこれを今だに持っているだろ
うかと思われる半世紀前の貴重な代物です。

白状すると恥ずかしいことに、この「花序」なる会誌のことを、とある人か
ら言い出されるまで、いえ、言い出されて実際に目にし手に取るまでわたし
は全く覚えていなかったのです。(Iさん、ごめん!)

この一冊、実は中学時代から高校時代にかけての我がペンフレンドだった東
京在住のアイ君の手元に半世紀近くもの間、眠っていたのでした。

高校卒業と同時に家を出たわたしは、その後ほとんど故郷に帰ることはなく、
アイ君ともいつのまにか音信を絶ってしまいました。そのアイ君がネットで
偶然わたしのホームページに辿りつき、再び文通が開始されたのは、音信
不通以来40数年後になる2年前のことです。

「Iです。幽霊ではありません」の件名に心臓がバクつき、目を一杯に開き
受信箱に書かれたその名前を食い入るように見つめたものです。

5月のわたしの帰国時に前回に引き続き再会することになっていたのですが
I君から、「浦島太郎の玉手箱、この花序をお返ししましょう」と送られた
画像を見て、ん?と見たような見ないような、ほんとを言うとそれを見ても
ピンとこなかったのであります、Iさん。 トホホ^^;

この一冊をわたしはI君に郵送したようです。
記憶力はいいと自負しているわたしですが、高校時代までの弘前での記憶は
朦朧としており、どこかで、「えぇい、忘れてしまえぃ!」という声が未だ
聞こえているところがあります。

I君から受け取ってからもすぐにわたしはそれを開くことをしませんでした。
表紙は覚えていないけれど、自分のいくつかの詩と随想が載っているの
を知っているのです。わたしが詩作をしているということを知った当時の先
生の一人から、習作帳を見せてくれと言われ、その中から彼が2編ほど選択し
随想は原稿依頼を受けたと思います。

50年近くも経って青春時代のセンチメンタルな作品をここで目にするなど
思いもしなかったのです。なんだか怖いような恥ずかしいような、そんな気
がして、I君から受け取った「花序」をわたしはそそくさにポルトガル向け
の船便の箱にしまいました。
それが、3ヵ月後の先週、手元に届いたのです。

今日は少し、その「花序」に沿った昭和38年の我が母校「弘前南高校」を
少し紹介させてください。

「花序(複数の花が集団をなしているものを花序という)」の名称ついて、
今は亡き小野正文初代学校長が書いています。

「花は美しいものの代表選手である。いかにも自由に咲きほこる。しかし、
それはやがて実を結ぶための準備の時期である。
そのためであろう、花は軸にしたがって秩序正しく配列されている。
花の美しさは、咲き乱れているようでも、順序良く並んで、天の摂理にした
がっていること、言うならば、自由と規律の調和、解放と緊張の結合にこそ、
その秘密があるのではなかろうか。」


第一回生のわたしたちの学び舎の初年度はここでした^^
この頃は舟木一夫の「高校三年生」が流行していました。
この歌を耳にするときまってこの校舎が浮かんできます。

弘前南高校花序

古い木造建ての仮校舎です。1年間、ここで学びました。新校舎よりもなん
ぼかたくさんの思い出がつまっています。同窓生の一人、津軽弁でおしゃべ
りコンサートをすることで知られる「いなかっぺい」さんは会誌の詩「春ど
夏ど秋ど冬」の中でこのように詠っています。

春は桜が咲き乱れ
少し校庭ガチャメグけれど(校庭が少しグチャグチャになるが)
長靴はげば いいでばな(長靴はけばいいんだよ)

夏だきゃ講堂さ座っていでも
天井から青空みえるだぞ

秋は弁当持ってくな (弁当を持って来るな)
リンゴはあるし カギあるし(柿あるし)
カバンさ 胃薬入れで来い(カバンに胃薬入れて来い)
デリシャシあるどご 教えらね(デリシャスがあるとこ、教えるよ)

冬はわんつか さびばって(冬は少し寒いけど)
石炭ストーブあるでばな (石炭ストーブあるんだよ)
窓をしめでも 入てくる
カギをかげでも 入てくる
そったら雪だば めごいでば(そんな雪なら 可愛いというものだ)


詩の一部、拝借しました。かっぺいさん、当時から絵も文章もユーモアがあ
ってピカいちでしたね。

弘前南高校花序
床に座ってみんな何をしてるかって?実験室なしの校舎、机もなく、これは
解剖実習風景だそうな^^;
廊下は歩けばギシギシと音とたててきしんでいたものです。

弘前南高校花序
体育祭でリレー。日の丸が掲揚。今の学校はどうでしょうか・・・
わたしはこういう団体行動の体育祭というのが苦手でした^^;

弘前南高校花序

年に一度のマラソン。男子10000m、女子5000m(と思う)。
これはホントにきつかった。

弘前南高校花序

雪に埋もれた冬の校舎。

校舎のすぐ側はりんご園でした。一度などは頻繁なりんごドロボー出現で、
とうとう園主が学校に苦情を持ち込み、全校生徒が講堂に集合、学校長から
説教を受けたものでした。
かっぺいさんの詩に見られるように、君たち、やってたのねん^^;

会誌のページを開くと、「生徒会設立準備委員会」「高校祭・音楽創作発表」
この会誌の「編集あとがき」など、そこかしこに自分の名前を見かけます。


「浦島太郎の玉手箱、開けたらたちまちおじいさんよ。」とI君に言ったわ
たし、開けるのが怖くて、それでも「開かれるのを待っているよ」の赤い表
紙の誘惑に負け、おそるおそるページを開いてみたわけですが、「花序」は
わたしの高校時代のまぎれもない記録であり、I君を経て半世紀の旅をして、
今わたしのところに帰還しました。

Iさん、50年もの長い間、持っていてくれて本当にありがとう。
心から感謝を込めて。素晴らしい返還物です。

もしも、この記事を南校第一回生が目にすることがあり、もし「花序」が手
元になかったとして、ご希望があれば是非ご一報ください。コピーしてさし
あげます。また、その後「花序」第2号3号の発行はあったのか、ご存知の
方がいれば、ご連絡いただけるととても嬉しいです。

本日はわたしのBackto the Highschoolってことでした。
ん?わたしの詩は?エッセイは?
いえいえ、気恥ずかしくてとてもとてもご案内できませんです^^;
子供たちにもわたしが存命中は閲覧禁止ですわ(笑)

最後に、我が南高校時代に関連する過去記事を よろしかったらどうぞ。

早春の津軽行・思い出ぽろぽろ

津軽行:かっぺいさんと同窓生たちと校長先生

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ジャンル:学校・教育
コメント
Boys, be ambitious like this old アンチョビのサラダ
「花序」いいですね~表紙のイラストとかが昭和という感じがすごくしてなんだか久しぶりに「君たちはどう生きるか 吉野 源三郎 (著)」あたりでも読みたくなってきた感じであります。
いやしかし、何かで耳にはさんだのですが舟木一夫さんは大人なのに「高校三年生」をあまりにも何回も歌わないといけないのである時期相当悩んだらしいですが年齢とともに吹っ切れてきたそう。
なので、存命中にご自身の詩やエッセイがここに載る日も来るようなそんな予感がいたします。
わくわく(^^)
2011/08/19(Fri) 06:54 | URL | matsuura448 | 【編集
>matsuura448君

なるほど、イラストが昭和の感じとは気が付かなかった。花序にも載っていますが、母校の三つの特色として「自由・規律・友情」が語られています。
多いに読書し、思索した多感な時代ではありました。
そういえば、あの頃の舟木一夫の歌、学園もので全部知ってるなぁ(笑)
2011/08/20(Sat) 17:08 | URL | spacesis | 【編集
清粋‥きっと無限花序
   郁わしき 花とひらきて
     われらみな 誇りに生きん‥‥

まだまだ懸命さが残る好い時代のアルバムでございます。殊に体育祭は裸足のイメージですが、皆が初期モデル?のアップシューズを履いて御洒落でございます。

伊奈かっぺい氏とは同窓だそうでビックリ!かなりの御歳と思っておりました。が、お若いんです、ねぇ‥またビックリ!錫杖会には未登録のようで‥特技はPCを扱わない事とか(+_+)。

「昔の若人は非常に詩人が多かった」‥婆様の口癖です。「加齢は好い思い出を心底せつなくする」俺の口癖です(>_<)。
2011/08/21(Sun) 17:08 | URL | 夢想窓 | 【編集
>夢想窓さん

あれ?夢想窓さん、何ゆえ開校の歌の歌詞3番をご存知?錫丈会もご存知?
う~~ん、気になりますなぁ・・・

ところで、「かなりの御歳と思っておりました」は、わたくしかそれともかっペい氏でござるか?v-403
2011/08/22(Mon) 07:24 | URL | spacesis | 【編集
花序のその後
先日はブログ訪問&コメントありがとうございます♪

「花序」のその後ですが、現在も毎年発行されてますよ。
学校の図書館に保存版が毎号あったと思います。

実はわたくし、32回生でして、さらに縁あって母校に勤務しています。(自分のブログはプライベートな育児ブログなので書きませんでしたが・・・)

spacesisさんのような海外で活躍されている先輩の存在を知ると嬉しくなります(*^_^*)
これからも、ちょくちょくおじゃまさせてくださいね!
2012/02/08(Wed) 21:03 | URL | めごっこ | 【編集
>めごっごさん

おお!現在も発行されてるとは!

わたしの後輩でしかも母校勤務だなんて
これまた奇遇なことですね^^

たいした活躍はしていませんがまだがんばって自宅で
小さな日本語教室を開いています。

ブログは南校がらみの記事が他にもいくつかあります。
下記にサイトアドレスを載せました。知っている方が
ひょっとしたらいるかも知れませんね。
よろしかったら拙文ですが、どうぞ。

こちらこそ、今後ともよろしくお願いいたします。

http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-846.html

http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-300.html

http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-293.html

http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-127.html
2012/02/09(Thu) 07:37 | URL | spacesis | 【編集
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