2011年9月3日

ポルトの街をゆっくり歩いて見ると、周りに目に向けないで目的地に向かっ
てズンズン行くのと違い、思わぬ拾い物をすることがある。今日はそのわた
しの思わぬ拾い物をご紹介したい。

oldporto
ダウンタウンはサンタカタリナ通りの裏にあるおお!と魅惑された邸宅。
もう何年も前に発見したのだが、今回行って見ると、思った通り無人ゆえ当
たり前なのだが以前にも増して傷みがひどくなっていた。

nasoni

このまま放っておくのはまことに残念ではないか。

以前、わたしがブログで取り上げた下の海岸通Fozにある邸宅no写真をご記
憶の人もいるかと思うが、この屋敷も単に一目をひくだけでなく、ゴチッ
ク様式で興味深い模様がところどころにはめ込まれてる。荒廃するに任せて
いるのが現状だが、これもなんとかできないものなのかと心が痛むのである。
oldporto

日本語の生徒さんに不動産を営む人がおり、どうかな?と思いながらも、
「どこそこにあるマンション、知ってますか?」とちょっと話を切り出して
みたのはしばらく前のことだ。

すると、さすが、市内のあちこちの物件を取り扱っている不動産屋だ、即、
知っていると応えてきた。遺産として受け継いだ家族が売りたいにも売れずに
そのままになっているのだと言う。

随分前から経済難のポルトガル、市当局もなかなかそれから脱皮できないで
いるのは知っているし、それでも、市やどこぞの財団が買い取るなどできな
いのかしらと話を向けてると、実はこの二つの物件、受け継いだ家族は取り
壊して土地を売り払いたところなのだが、市当局が取り壊しにゴーサインを
出さないため、わざと荒廃するに任せ、いや、できるものならさっさと落ち
崩れてくれないかが、所有者の本音なのだそうだ。

なるほどなぁ。独特の建築様式を使ったこれらの邸宅、古いのは確かだが、
後世に残したいくらいの建築美があると、素人のわたしでも思う。
受け継いだ者にしてみたら相続税は払わなければならないわ、売れないわ、
解体してはならんわで苦労なことだろうが、市当局も買いたいのゴーサイン
を出さないということは、残したいとの思惑があるのであって、しかし買い
取る金がないのである。それならいっそのこと、市に寄付ってのはいやなの
かな?とは、持ち主でないわたしだから思うことか。

Fozの家は傷んでいて、もう使うわけにはいかないだろうが、ダウンタウン
の邸宅は、荒廃防止のため二束三文でもいいから貸しますというのであれば、
少し手を加えることで、例えば日本人会とか(今のご時世では無理かw)、
何かの会館とか、下宿やなどに利用できそうだと思うのだが。

件のわたしの生徒さんは、実はダウンタウンの邸宅の鍵を預かっていると
言う。買えるわけでは決してないが、仕事の合間に、手が空いたときでい
いので、是非一度中を見せてもらえないかと頼んでおり、その日がくるの
を楽しみにしているのである。

こちらはボアビスタ区域の見捨てられた邸宅。
oldporto

こちらはかつてのConservatorioこと音楽学校。
oldporto

数年前に音楽学校は別校舎に移動し、現在は無人。
探せば恐らくまだまだ出くわすであろう、古い邸宅たちだが、でき売る限り
保存に向けて、少し修繕の手を加え、まず人が出入りすることが必要だと
思う。建物は人が住んでこそ息づくのだから。

そんなことを思っていたこの頃だが、つい先だって夫との外出時にたまたま
近くを通りかかったもので、「あそこがどうなっているか見てみたい、ちょ
っと寄って!」と一緒に見に行ったこの建物↓

nasoni
プレラーダ邸(Palacio da Plerada)。写真はわたしが訪ねた2007年の時
のもの。ポルトに多くのゴチック建築様式の建物を遺した18世紀のイタリ
アトスカーナ出身画家建築家、ニコラウ・ナゾニの作品の一つになる。

nasoni
ナゾニの追っかけ者としては、見るに忍びない彼の作品の姿ではあり、立ち
寄るのに不便な場所であるのもさりながら、これも荒れ果ててしまうのかと
思うと気にはなりながら再訪するのもつい億劫になっていたのであった。
nasoni

正面から見るとなんの変化も見えなかったのだが、「行こうか」との夫の言
葉に「ちょっとだけ待って。念のため」と横に回ったところが、ジャーン!

nasoni

こ、工事が入ってるやん!おおお!これはよきこと!仮にも、ポルトの象徴、
クレリゴス塔を造った、これもまた同建築家ナゾニの作品です、市も財政難
とは言えども放っては置けないはずです。なんとか四苦八苦しながら修繕
しようとの姿勢がうかがえて嬉しい限りです。

もっと早めに手始めた方がかかる修繕費の点から良かったのですが、ない袖は
振れぬということでしょう。あれ?さっきから文体が丁寧体に変わってますが
な(笑)、ご勘弁。

さて、最後に、やはりナゾニの作品で、長い間荒れたまま、訪れる人もなく、
また立ち入り禁止でもあったのですが、「フレイシュ宮殿」(Palacio de
Freixo)。市当局の提供でポルトガル最大のホテルチェーン、ぺスターナグ
ループが修繕に3年ほど費やして2009年についにオープンしたのですが、
下記で案内しています。

フレイシュ宮殿再び、歴史ポザーダホテル

財政難のポルトガル、時間はかかるけれども、長期計画で地道に文化を守り
抜こうとする姿勢は素晴らしい。

これら、ナゾニの建築作品の数々が修繕を受け、完成までは相当の年数が
かかりそうですが、その完成を見るまで、わたしも頑張って生きないと^^
ははははは。

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コメント
ご無沙汰してます。うちの旦那もこFOZの家、「いつか俺が買う、宝くじあたらないかな~」と言って早5年。FOZに行くたびまだこの家が残っているか確認にしてます。
2011/09/04(Sun) 05:49 | URL | Chikako | 【編集
>chikakoさん

こんにちは^^
似た様な事をだんなさま、おっしゃってますね。
わたしも宝くじがあたったら、サンタカタリナのあの家、手に入れてカルチュアセンターにしたいところです^^

残念ながらそのような運の星の下には生まれていないようで、ひたすら日々をまじめに働くのみ。これが分相応だろうと
旦那様にお伝えください。家、残ってますよとv-410
2011/09/04(Sun) 13:43 | URL | spacesis | 【編集
素敵な館が…
あちこちに、あるんですね~
買うといくらくらいなのかしら??
(買える訳でもありませんが…)
ただただ、朽ちていくのは、もったいないですね~
遠くから、こうやってふと知った私でも、思いますもんね…
2011/09/05(Mon) 04:51 | URL | jackiemai | 【編集
わたしも、宝くじがあたったら買いたいくらいです。これを廃屋のままにしておくなんて勿体なさ過ぎます。

確かに新しい建物は便利で住みやすいですが、古いものがない街って味気ないものですよね。ポルト市、なんとか頑張って古い建築を守って欲しいです。
2011/09/05(Mon) 07:22 | URL | 梨の木 | 【編集
>jackiemaiさん

お値段、聞いてません^^;
こういうお屋敷はけっこうありますが時間がかかっても市が買い取ってなんとかしてくれることを願うのみです。

>梨の木さん

少しずつですが古い建物を修繕したりすこし改築したりして、市の機関に利用しているのも、数箇所にあります。

18世紀そのままの建物を利用し現在も公の施設として使用しているのを見るといいなぁと思いますね。もちろん、使い心地、住み心地は多少不便なところもあるでしょうが、まだまだこうして頑張って古いものを大切にして欲しいと思います。

フランスもそうですよね。歴史ある建物が今も街の中で息づいているのではないでしょうか。それころがフランスの、パリの魅力だと思います。
数年前の11月、一週間ほど滞在したパリ、もう一度行って見たいものですが、難しいかな^^
2011/09/06(Tue) 08:21 | URL | spacesis | 【編集
是非いらしてください。歓待致しますよ~。

それに素晴らしいタピスリーも6枚、spacesisさんを待っていますからね。
2011/09/06(Tue) 21:40 | URL | 梨の木 | 【編集
起きて半畳寝て一畳天下取っても二合半
サンタカタリナ通りの裏‥ガ~ン??サンタカタリナ通りは長~ぃ(p_-)。好い色使いの建物でございます‥それでも庭木には適当に手が入っていますね。

Fozの空き家は幹線道路脇で知られているようですね。中流気取り?のツアー小母様達が歓喜の声を上げるグラフィッティ^^ライター?ペインターは見逃しません!レターが多い中で珍しくキャラクター物がございます。

今度の教室は、先年ご紹介の感動と感激を授かられました♪思い出深いホスピタルの隣でございますね。教室はコンフェイタリア ダ ラパのある方?まだあるのかなぁ^^。旅行案内には載らないラパ教会に戦闘機材が見当たらない軍の建物‥文教地区の趣もあり‥ええ所でございます。
2011/09/06(Tue) 23:05 | URL | 夢想窓 | 【編集
>梨の木さん

いいですね^^
例のタペストリ、実際にこの目でみてみたいですね。
いただいた手帳、使うのがもったいないので、そのまま記念にとっておきます^^

>夢想窓さん

よ、よくご存知で^^;
コンフェイタリア ダ ラパはちょっと気がつきませんでした。
角っこにはカフェがあります。

ラパ教会はブラジル皇帝ドン・ペドロ一世(後、ポルトガルではドン・ペドロ4世)と関係があるようです。

ブログではまだ案内しておりませんが、一度教会横の墓地に入ってみました。ほとんど全ての墓石に独特のシンボルが見られ、そのコミュニティがここにあり、の感じを受けました。
まだ調査を開始していないので、未発表の部分ではあります。

それにしても夢想窓さん、色々ご存知ですね。
2011/09/07(Wed) 21:00 | URL | spacesis | 【編集
ああ、そうだったんですか・・・
謎の解明、ありがとうございました!
そういうことだったんですね、Fozの建物・・・
ポルトもガイアも、それはそれはほんまにたくさんの素晴らしい建物が残っているのですが、皆朽ち果てていくばかりで残念やら寂しいやら・・・
2011/09/28(Wed) 08:34 | URL | ピパーナ | 【編集
>ピパーナさん

おひさしぶり。お元気?

この手の美しい建物はまだまだあるはずです。
財政困窮でがいたし方ないですね。
ガイアでもわたしは数軒見つけていますよ。

建物よりも国の経済難をなんとかして、働き口のない若者たちが希望を持てるようにすることが先でしょうね。
2011/10/02(Sun) 00:45 | URL | spacesis | 【編集
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