2011年10月16日 

大好きな映画の一本にイタリア映画「シネマ・パラダイス」がある。
1940年代、シシリー島の小さな町の映画館「シネマ・パラダイス」が消
滅するまでの物語だが、主人公トトの少年期、青年期、初老期に渡った人生
をせつなく物語っている。



劇場で上演されたのは実際には2時間以上の作品として製作されたのを上演
時間が長いとして、一部がカットされ、約1時間半に縮小したものだが、
「完全版・シネマ・パラダイス」がある。

アカデミー賞とカンヌ国際映画賞を受賞した国際上演用の作品は「初老のトト
のその後はいったいどうなったのか?そして彼の恋人だったエレナは?
しかし、まぁ、何もかもが辻褄が合うようにすきっとは終わらないのが人生
であろう」と思われるようなエンディングだが、トトとエレナの30年後の
再会が描かれた完全版は違った思いを抱かせる。

その完全版に関しては賛否両論あるようだが、若い時に見るのとわたしのよう
にアラカンに入ってから見るのとでは、賛否の仕方も違ってくるだろう。
わたし自身の観後感は、「人生はカラクリに満ちているが辻褄があうように出
来ているような気がする」と思っているし、現実に半世紀を経て再会した人が
いるので「こういうことは人生にあるのだ」と完全版には肯ける。

劇場版のトトのエンディングと比べて完全版のそれは、トトの不完全燃焼の
青春がやっと思い出の箱に収められ、彼のこれからの老後が救われたのでは
ないかとわたしには思われる。
「シネマ・パラダイス」の参照はこちら.

「シネマ・パラダイス」はストーリーそのものもさることながらこの作品中
のエンニオ・モリコーネの音楽が心に染みる名曲であることもあげておき
たい。

さて、急になんだい、映画の話なんて?と思われるだろうが、本題はこれか
らなのであります。

前回、突発的にポルトの街散策に出かけた時の拾い物ですが、コレなんです。
B&B hotels

つい先ごろ、ポルトのバターリャ広場(P.Batalha)、イルデフォンソ教会
(ナゾニの作品)のすぐ横にオープンしたB&Bホテルズ。
B&Bとは英国に多数あるBed & Breakfast、つまり朝食つきの宿泊施設を
意味しますが、B&BHotelsはヨーロッパに約300店を構える
チェーンホテルです。一泊が49ユーロからあり比較的安い宿泊施設。

この新しいホテルですが、かつてはシネマ、つまり映画館だったのです。
下の画像は長い間見捨てられてきたその映画館「Cinema Aguia dOuro」
(=シネマ・アギア・ドウロ)。なんだか映画「シネマ・パラダイス」に
ワンシーンを彷彿させるような写真です。
B&B hotels

cinema aguia douro
(この2枚の画像はwikiより)

Aguia dOuroは直訳すると金の鷲(Golden Eagle)、日本語ではイヌワシだ
そうです。Golden Eagleはローマ帝国またかつてのアラブ世界では権力の象
徴とされ、多くの国のシンボルに取り入れられています。

映画「シネマ・パラダイス」では壊滅されてしまった映画館ですが、こちら
のは1908年創立、1989年以来閉鎖され、一時期この映画館をなんと
か残したいと市民運動が起きたこともあります。
そして本年、Aguia dOuroは、完全崩壊を免れ、ホテルとしてではあります
が生き残りました。
B&B hotels

レセプションへ向かいカードをお願いする。

B&B hotels
「マーロン・ブランド、ローレン・バコールもここにいたことがあります。
今度はあなたの番です」のうたい文句。
一瞬。えっ?ブランドもバコールも過去にこの劇場に来たことがある?と思
ったのですが、階上のロビーに上がってすぐ納得。

B&B hotels

ハンフリー・ボガード、グレース・ケリー、フレッド・アステア、オーソン
・ウエルズ、ロック・ハドソンら懐かしいハリウッドスターたちがズラリ!
B&B hotels

そうです、彼らはかつてこのシネマ館のスクリーン中で来場したというわけです。
 
B&B hotels

つくづく、彼らは大スター、輝ける星だったなぁとわたしは思うのです。
確かに現在も世界に名を馳せる俳優はいますが、わたしにとって輝くスター
はポール・ニューマンを最後にシネマ・パラダイス、シネマ・アギア・ドウ
ロ同様、消えてしまったような気がします。

最後にエンニオ・モリコーネ指揮で「シネマ・パラダイス」中の2曲をどうぞ。


今日もブログを読んでいただき、ありがとうございます。
それでは、また。
にほんブログ村 海外生活ブログ ポルトガル情報へ blogram投票ボタン
テーマ:ポルトガル
ジャンル:海外情報
コメント
あら、
ポール・ニューマンで止まっちゃってるなんてもったいない!
クリント・イーストウッドやその他、渋い演技派はたくさんいるじゃないですか~。アンソニー・ホプキンスの青い目は私大好きです。
2011/10/17(Mon) 08:44 | URL | なみ | 【編集
あこがれは・・・!?
素敵な映画館!いやホテルになったね!元々の映画館も素晴らしい!
晩年のポールニューマンも良いけれどちゅうは年を取ったら
ヘンリーフォードのように飄々とした老人になりたかった。
いまだ、かなわずです。どうも持って生まれた細胞か遺伝子が違うような?
はしゃぎ回るだけの迷惑徘徊老人にはなりたくないんだけど!?
2011/10/17(Mon) 11:04 | URL | 月曜始動ちゅう! | 【編集
>なみちゃん

おひさ!
もちろん、演技派を取り上げれば好きな役者はたくさんいます。現になみちゃんが言うクリント・イーストウッド、俳優としてもそうですが、監督としても彼の作品、あまり目立たないけれどもいいですね。
でもいわゆる「煌めくスター」とは違うのよね・・・

そこに現れただけで後光が見えるようなオーラを放つスターはニューマンで終わりかなと思うのです。

>ちゅうさん

ヘンリーフォードもいいね。後は、若いときよりも歳を経てしわがふえたロバート・レッドフォードもいい!彼の作品もスキです。

同じく迷惑老人にはなりたくないけど、なるかもだぁ~
2011/10/17(Mon) 17:34 | URL | spacesis | 【編集
こんにちは。何も言わないで旦那にCinema Aguia dOuroの写真を見せました。2秒でどこにある何かを言い当てました。実際ポルトで生活したのは生後2歳まで。その後かなり頻繁に里帰りをしているものの、正解がでるとは思いませんでした。8月にポルトに帰った時、建設中の新しいホテルを見ていました。窓の形などから見るとちゃんと原型は残されているんですね。いつも素敵なポルトの情報をありがとうございます。シネマパラディッソの素敵な音楽もありがとうございます~。
2011/10/19(Wed) 06:28 | URL | Chikako | 【編集
>Chikakoさん

こんにちは。
そうですか、ご主人、こちらへ帰ってくるたびに、街の移り変わりをちゃんと見てらっしゃるのですね^^

リスボンと違い、ポルトは小さな街ですし、変化も気づきやすいのでしょう。

一昨年オープンしたコンサート場「Hard Club」は元マーケットだったのを原型をなるべくそのまま使うようにしましたし、数年前オープンナゾニの作品、フレイシュ宮殿もポーザーダに変身です。

市の財政難のなかで歴史的な建造物をそのままは無理でもなんとか遺そうとするプロジェクトには賛同です。

音楽、楽しんでいただき嬉しいですv-290
2011/10/21(Fri) 16:05 | URL | spacesis | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
Click for Porto, Portugal Forecast 
ポルトガル ポルトの口コミ
ポルトガル ポルトの口コミ にほんブログ村 外国語ブログ マルチリンガルへ
にほんブログ村