2011年12月18日 

アフリカの西沖合い、かつてポルトガルの領土だったCabo Verdeのサン・ヴ
ィセント島ミンデロ出身歌手、Cesaria Evora(セザリア・エボラ)の訃報
を今日知りました。

ポルトのドラゴンフットボール場ではFCポルトvsマリッティモの試合開始
前に亡くなったセザリアのために一分間黙祷を捧げていました。

わたしがセザリア・ヴォラの歌を知ったのは2004年に我がモイケル娘を
大学入試のために日本へ送り出した年です。

下記2004年のエッセイから。

裸足のDiva、セザリア・エヴォラ

cesaria-evora1.jpg

好きだけれども、今日まで聴くことを躊躇していたCDがあります。
Cesaria Evora(セザリア・エヴォラ)の歌です。

彼女は、1974年まではポルトガル領土とされていた、大西洋はアフリカ沖に
ある、Cabo Verdeと言う島出身の黒人女性歌手です。もう60歳を越しており、
お世辞にも美しいとは言えないのですが地元での歌手生活は長い。

しかし、初CDが出されたのは、40歳も半ばを過ぎてからです。
別名「裸足のDiva(Diva=歌劇の女性第一歌手)」と呼ばれています。
なぜなら、住むところのない貧しいCabo Verdeの人々をおもんばかり、自分
がステージに上がるときは、彼らと同じく素足だからです。

CaboVerde はかつては、アフリカ奴隷売買の中継地でもあったようです。
アフリカ大陸セネガルから西の大西洋にあり、1460年にポルトガル人の
冒険家によって発見された大小15の火山群ならなる、面積約4000k㎡、
人口415,000人の貧しい国です。島に住んでいる人口よりも、移民として
国外にいる人口の方が多いと言われます。

Cabo Verdeのポルトガル語は本国ポルトガルとは少し違いますが、だいた
い分かります。セザリアの歌う歌は、奴隷中継地であったというその島の
歴史が絡んで、切なく、ノスタルジックで聴く人の心のひだを震わせます。

セザリアが歌うカーボ・ヴェルデの歌はポルトガルファド、ボサノヴァ、
ラテン、アフロなど色々な音楽系統が混じっている歌で「Morna=モルナ」
と呼ばれる音楽です。モルナはアメリカ黒人の歌うブルースに似ています。
人生の苦悩を歌に表し、言葉がわからなくても、人に切々と訴えるものを
持っています。

彼女の歌を、特に「Sodade(ポルトガル語ではSaudade=郷愁)」をわたし
は長い間ずっと聴けなかったのです。

2004年も夏のこと、娘がもうすぐ日本に行ってしまうという少し前で、
大学入試に必要な証明書類をリスボンにある日本大使館まで夫と二人で取
りに行ったその道中、彼が車中で流していたのです。

その頃、娘からは何度も
「おっかさん、何回ため息ついてるの。ため息つくと幸せが逃げて行くって
言うよ」と言われるほど、彼女がいなくなった後の寂しさに、知らず知らず
のうちに深いため息を繰り返し洩らしていたようです。

自分も長女の身でありながら、母親の面倒は妹夫婦に任せて、勝手な夢を
見、勝手にあちこちと放浪してきた人間です。
それを今度は我が子がするからといって、どうして反対できるでしょうか。
しかし、子を送り出す寂しさに違いはなく、車窓から流れ行くハイウエイ
の樹木の景色を眺めてのこのCesaria Evoraの歌は胸にさすがこたえました。

「sodade(望郷)」 「Cabo Verde」「 Vida tem uma so Vida(人生はた
だ一度)「odji maguado(傷ついた今日)」「Traz d`horizonte(水平線
の向こうに)」ざっとタイトルを見ただけでも、ノスタルジックです。



♪サン・トメへの この遠い道のりを 誰が示してくれるのか
 我が故郷サン・ニコラウへの遥かな思い この思い 
           (sodade:spacesis訳)

これらの歌を聴きながら、わたしは窓の外に顔を向けたまま、夫に気づか
れないように、流れ出る泪を何度もこっそりふいていました・・・
ポルトのサ・カルネイロ空港から娘を日本へ送り出して以来この歌を聴く
事ができなかったのです。

しかし、以後日本に到着した娘とは毎日のようにメッセンジャーというも
のでチャットができ、デジカメをつないぐと、小さな彼女の部屋も見え、
日増しに年頃の娘らしくなってきた顔も見ることができ、そうしてなんだ
かんだと、いつの間にか2年が過ぎました。

夕べは一人、これを聴いてみました。
国恋しさ、人恋しさの情感は、想いを寄せる国は違っていても同じです。
涙腺が緩みながらも「あぁ、いいなぁ。」と聴き浸り、しばし日本へ思い
を寄せました。

このところ、わたしは日本へ帰っていません。

註:セザリア・エヴォラは2004年に、ワールドミュージック・ベスト・
  アルバムでグラミー賞をとっています。
             
      2006年記spacesisの「ポルトガルよもやま話」より引用ー



セザリア・エヴォラの訃報を聞き、今改めてモイケル娘が日本に住んで
もう7年半の月日が流れたのだと実感しました。

ポルト、日本間は途中の乗り換え時の待ち時間も入れると殆ど24時間の
長旅です。経済負担もさることながら、自分の体力を考慮すると、この先、
あと何度帰国できるかわかったものではありません。
そう思い、できるだけ年に一度は日本へ帰ることをこころがけていますが、
夫が最後に娘を見たのは可哀想に5年前にもなるだろうか・・・

モイケル娘よ、来年あたり一度帰っておいでませませ^^
      
mariana2004-1-2.jpg
2004年6月30日、希望に燃えてポルトのサ・カルネイロ空港を飛び立
つ我がモイケル娘。日付を覚えているのはこの日が夫の誕生日だったからw

この旅立ちの日については、下記「ずっこけ親子の受験戦記」に綴って
おりますれば、興味のある方はどぞ。

spacesisのホームページ「ずっこけ親子の受験戦記:旅立ちの時
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コメント
うちの主人が彼女の歌が好きで、出会った頃10年位前に知りました。
最近聞いていなかったのでまた聞いてみたいと思います。

お嬢さん来年は帰省できるといいですね。
2011/12/22(Thu) 08:12 | URL | gallega | 【編集
ポルトでコンサートがあった時に行ったそうです。その後こちらにも来たので行ったそうです。
2011/12/23(Fri) 06:20 | URL | gallega | 【編集
こんばんは
このような背景があると本当にしばらくは曲を聴くのもジャケを見るのもつらいものですよね・・・

今では遠く離れたモイケル娘ちゃんや息子さんと、毎日のようにコンタクトをとって顔まで見れちゃうんですから、テクノロジーって本当にすごいですよね♪

私も遠く離れている家族と最後にお別れをしたときの情景などはっきり頭で覚えていて、つらいところもありますが、とにかくテクノロジーにただただ感謝!です ^^

モイケル娘ちゃん、来年こそ戻っておいで~ そしてオタク会合しよう~w

spacesisさん、旦那様と楽しいクリスマス、良い年末・年始をお迎えくださいね ^^
2011/12/23(Fri) 09:50 | URL | ピパーナ | 【編集
>gallegaさん

旦那さま、ファンだったのですね^^
しかもポルトでのコンサートにまでいらして
いたとは!
この動画でもそうですがやはり裸足で歌っていますね。
わたしは残念ながら彼女のコンサートに
行っていないのです^^;

旦那さまと出会ったころセザリアを
知ったとは
お二人の思い出ですね。

わたしも似た様な経験があります。
もっともわたしの場合はセザリアはまだ世に出ておらず、
夫からもらったアマリア・ロドリゲスの、しかもテープをよく聞いていたものでした(笑)

>ピパーナさん

お久しぶり!

ほんと、テクノジーには感謝ですね。
わたしがこちらに来た当時は、年に一度の
国際電話すら高くてできず、もっぱら手紙でしたよ。
それも2週間くらいかかる(笑)

でも今思い出してみると、せっせと手紙を書き、
赤と青の航空便を郵便箱に見出す喜びというこのが
ありました^^

スピードが価値の今、なんだか少し懐かしい気もします。

来年はモイケル、東京息子と交互で帰国するのでは
ないかと思います。
そのときにはモイケル娘に是非!

ピパーナさんもどうぞ、こちらのご家族とよいクリスマスをお過ごしください。
そして、来年も平穏な一年でありますように!

2011/12/23(Fri) 17:23 | URL | spacesis | 【編集
そうそう主人、cabo verde の彼女の村にも滞在したことがあるんです。

それでは、メリークリスマス!
2011/12/25(Sun) 06:30 | URL | gallega | 【編集
>gallegaさん

おお!それはそれは^^
すごいですね。

クリスマス、いかがでしたか?
2011年もあと二日で終わりですが、
どうぞよい年をお迎えください!
2011/12/30(Fri) 08:31 | URL | spacesis | 【編集
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