2012年2月9日

日本茶がおいしいと思うのは、わたしの場合、帰国して滞在先の妹宅や和食
レストランでの食後の一服である。
コーヒー党のわたしは長いポルトガル在住でたまらなく日本茶が欲しいと思
ったことはない。そう思わない理由もある。

胃に食べ物が入っていないままに日本茶を飲むと、てきめんに胃がキュッと
収縮するのを感じ、その直後に吐き気が来る。これはよそ様にいては、冗談
ではなくタラと冷や汗をかくことになる。日本茶だけではなく紅茶もそうだ。
   
思うに日本茶紅茶含有のタンニンのせいではないかと想像している。
とにかく空きっ腹にはダメなのだ。故に頂いた高価なお茶は小さな食料貯
蔵室にある冷凍庫の中で長い間眠ることになる。

さて、コーヒー党と書いたが、厳密に言えば党と言えるほどコーヒーに詳し
いわけではない。
昔、「コーヒー・ルンバ」という歌が流行ったことがある。

   ♪むかし アラブのえらいお坊さんが 恋を忘れた哀れな男に
    しびれるような香りいっぱいの  
    琥珀色した飲み物を 教えてあげました

と歌われる歌の中に出てくる「モカマタリ」を始め、知っているコーヒーの
名前はキリマンジェロ、ブルーマンテンくらいだが、ポルトガルではまず耳
にすることがない。
わたしが好んで一日に何倍も飲むのはインスタントコーヒーアメリカン式で、
お茶で言えば出がらしのようなものだ(笑)
日本にいた頃喫茶店での注文するのは「アメカフェ」ことアメリカンカフェ
が定番であった。

これが、ポルトガルに来た途端、コーヒーに関するこれまでの思い込みをガ
ラリと変えさせられることになったのである。
ポルトガルのどこのカフェへ行っても「アメカフェ」なるものはない!
なんだ?そりゃ?とけげんな顔をされるのがオチ。
カフェと言えばポルトガルでは断然「エスプレッソ」なのである。

アメリカ映画を観るとしょっちゅうコーヒーを飲んでいるシーンが出てくる。
アメリカ人もコーヒーが大好きな国民だが、ポルトガル人のカフェ、つまり
エスプレッソ好きは半端ではない。食後、ブレイクタイムには必ず飲む。
普段は家でインスタントのアメカフェを飲むわたしだが、休暇などで出かけ
ると日に3杯のエスプレッソをわたしも飲むことになる。
我が夫もエスプレッソを日に5杯ほどは飲んでいた一時期があって、わたしを
呆れさせたものだ。

エスプレッソは強い。わたしはコーヒーに砂糖を入れない主義だが、エスプ
レッソは苦くて砂糖なしではさすがのわたしも飲めないことが多い。

さて、では、ポルトガルのカフェはどんなものなのか^^↓

コーヒー薀蓄
         
カップはどこでもデミタスカップ。カフェが半分しか入っていないのは飲んだ
からではなくて、始めからこの量だ。

同じポルトガルでもリスボンとポルトではカフェの呼び名が違う。
リスボンではBICA=ビカ、ポルトではsimbalino=スィンバリーノ、もしくは単
にCAFEと注文する。
ポルトのsimbalinoはイタリアのエスプレッソを作るコーヒーマシーンのメー
カー名、「La Cimbali」から来る。
また、リスボンのBICAもエスプレッソを作る機械の蛇口を言うようだ。
   
しかし、これには面白い説もある。
   
昔、リスボンの街のダウンタウンにあるカフェで、エスプレッソが出始めた頃、
その苦さに慣れていなかった客は、これまで親しんできたコーヒーの味と違う
ため、文句を言い出した。

そこで店主は言った。「Beba isso com acucar!=砂糖をいれてそれを飲め」
(acucarの二番目のcにはニョロ記号ことcedilha記号がつき、アスーカルと
読む)
以後、BICAと呼ばれるようになったと言うホンマかいなと思われる、冗談の
ような説ではある(笑)

エスプレッソがカップ一杯にコーヒーが欲しい時は「cafe cheio=満杯に」
と頼めばいい。値段は同じだ。

余談だが、リスボンとポルトで呼び名が違うものは他にもいくつかある。
生ビールもそのひとつ。
ポルトではCerveja pressao=セヴェージャ・プレサォン(pressaoは圧縮の
意)、あるいはfino=フィーノ(細い、上品な、の意味がある)、リスボン
ではimperial=インペリアル(ビール会社の名前)と注文する。

ものの名前からして分かるように、ポルトとリスボンはなにかとライバル意
識がちらつくのである。

ポルトガルでは一般家庭でも食後のコーヒーはエスプレッソ。
各家庭ではだいたい下のような簡単なエスプレッソマシーンがある。
     コーヒー薀蓄


上下二つの部分に分かれている。下は水が入り、上部には挽いたコーヒーを
いれるサイフォンがついている。このまま火にかけると、沸騰したお湯が下
から上に上り、エスプレッソが溜まる。

     コーヒー薀蓄
どこの家庭でもあるのがエスプレッソ用のデミタスカップだが写真は我が家
のデミタス。

さて、近頃ではクールなアメリカ男優ジョージ・クルーニが美女にギャフンと
やられるユーモアなCMを提供してくれるネスプレッソ社が出すエスプレッソ
家庭用マシーンがある。

「あれ、買いましょか?」とカフェが好きな夫にたずねると要らないと言う。
それもそうだろう。自家に備えるとカフェに行く必要がなくなるというもの、
カフェはお茶を飲みにいくだけの場所ではなく、冬ならば軽い暖房でほんわ
り暖かく、夏ならば涼しいその場所で、一杯のカフェを飲みながらじっくり
新聞や雑誌を読んだり、友達と閑談したりもする、ポルトガル人にとっては
憩いの空間でもあるのだ。

わたしはなかなかその習慣を身につけられないでいる。

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コメント
私は旦那様に近いです
家では殆ど、ブラックの缶コーヒーくらいしか飲みません。どちらかというとハーブティーですね。

コーヒーは専ら外です、一人の時は安いレギュラーコーヒー飲み放題のミスタードーナツで書き物をしたり、一服気分で友達とエスプレッソを出す店でラテかアメリカンブラックをたのみます。ざわざわ加減が丁度いいのですね、何となく。

以前は自分でプレスして淹れるエスプレッソマシンで淹れて家で飲んでましたが、それも一人になってからは煩わしいw全自動マシンを羨ましく見てま~すv-10
2012/02/10(Fri) 19:50 | URL | なみ | 【編集
今度ポルトガルに行ったら
6年前、ブラガのショッピングセンターのスタンドでビールを頼んだことがあります。店長がしきりに何か言うのですが、よく分からず、びんビールを飲みました。あとで、「生はどうだ?」と言っていたのだと気づきましたが、店長の悲しそうな残念そうな顔が忘れられません。今度行ったら、こちらからfinoと言えばいいのですね。
あのときはいろいろなところで親切にしていただきましたが、あんなにいい人たちが経済的な苦境にあえいでいるとは。

2012/02/11(Sat) 15:49 | URL | もと | 【編集
>なみちゃん

スタバでもエスプレッソがありますね。
帰国時に試してみたけれど
ポルトガルのには太刀打ちできない^^

イタリアで一度エスプレッソを飲んでみたいものです。
行かなきゃ(笑)

>もとさん

こんにちは。
ブラガまで行かれたのですね?

こちらではだいたいどこのカフェでも生ビールを
置いています。ないのは中華レストランです。

「fino」もしくは「セルヴェージャ・デ・プレッサォン(生ビール)」
です。
次回は是非お試しを!

ギリシャもそうですがポルトガルも大変です。
でもギリシャのような暴動が起こらないのはポルトガル人の
穏やかな性格でしょうか。なんとか持ちこたえないと!

今のポルトガルにとって観光客が増えるのはいいことです。
もとさん、是非またおいでください。

2012/02/11(Sat) 20:47 | URL | spacesis | 【編集
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