2012年2月11日

ポルトは、ポルトガル国名発祥の地であり、15世紀にポルトガルに栄華を
もたらした大航海時代の先駆者、エンリッケ航海王子の生地でもあります。

ポルト市それ自体は面積42k㎡、人口27万人ほどですが一般に「ポルト」
と言えば、ポルト市を中心にした近郊13市を加えた「Grando Area Metropo-
litana do Porto=グランド・ポルト」を意味します。

1575k㎡の面積に人口200万人以上が住んでいます。わたしたちが住
むのも近郊市のひとつMaia市で、わたしもグランド・ポルトの住民というに
なります。

日本の関東と関西がちょっとしたライバル意識を持つのと同様、ポルトガル
でもポルトとリスボンは対抗意識が強い。わたしの知っている小噺に次のよ
うなのがあります。

リスボンで催された、とあるコンクールの勝者への賞品がポルトへの旅行券
であった。

 1等・ポルト1泊券 
 2等・ポルト2泊券
 3等・ポルト3泊券


え!と思われるでしょう(笑) 
どうして1等が一泊で2、3等がそれより多いのか?

つまりこれは、洗練されたリスボンっ子からすると、片田舎のポルトに滞在
するのは長くなるほど拷問である、というオチなのです。
「おふざけじゃござんせん」と言いたいところですが、思わずこのブラック
ジョークには笑ってしまいます。

さて、リスボンっ子をポルトガル語では「lisboeta=リズボエッタ」と呼び、
「cheira Lisboa=リスボンの香り」と昔から言うように、「洗練された、
お洒落な、都会の香りがする」と言う含みがあります。

一方ポルトびとはと言うと、これがまぁなんと「Tripeiros=トリペイロス」。
tripaは臓物のことでtripeiro(tripeirosは複数)はそれを常食とする者を
指し、ポルトびとのあだ名がこれなのです。

しかし、コホン、これにはポルトびとの祖先の深い愛国心が絡んでいるので
あります。

イベリア半島南部をはじめ、国土のほとんどがイスラム教民族に支配されて
いた長い時代を経て、8世紀にキリスト教民族の「reconquista=レコンキ
スタの戦い」が展開され、イベリア半島が奪回されたのは13世紀も半ば。
レコンキスタが完全に成就するまで、まさに5世紀もの年月を要したのです。

ポルトガル国はスペインからの独立戦争を経て、その辺りから始まるわけで
すが、1415年、アヴィス王朝ジュアン一世の時代に、ジブラルタル海峡
に面するイスラム教徒の拠点、北アフリカの入り口Ceuta=セウタを攻略する
ことになります。
ヨーロッパの隅の国ポルトガルにとり、領土を広めるにはアフリカ大陸を
目指す他なかったのです。
(既に「ここに陸尽き、海始まる」で書いたポルトガルの国民詩人カモイン
スもこの戦いに参戦し、この戦いで後のトレードマークとなる右目を失って
います。)

出発点はリスボン港とポルト港。
ジュアン一世はこの時、三男のエンリッケ王子も含む三人の息子、船舶大小
合わせて200以上、5万人の兵を率いて参ります。

この時です!
エンリッケ王子の故郷であるポルトびとたちは、セウタの戦いに向けて兵は
勿論のこと、70の船舶と兵の食料となる肉という肉全てを献上したのです。
残った人々は家畜の臓物を食することで食いつないだと言われます。ポルト
びとが「トリペイロス(複数)」と呼ばれるゆえんは、この郷土愛、ひいて
は愛国心にあるのです。Tripasはポルトびとの「利他主義、有用性、自己犠
牲、手厚いもてなし」を象徴する料理というわけですね。

料理写真はTripas料理。

tripas
新鮮な牛、豚、鶏肉の臓物を丁寧に洗い、それに臓物詰めの
ソーセージ、豆類、玉ねぎのみじん切り、ローリエの葉など
を加えて煮上げる。ごはんが添えられる。

今日ではポルトを代表する料理になっており、一般のレストランでたいてい
メニューに載っていますし、また、それ専門の評判のレストランもあります。
少しクセがありますがポルトにおいでの際には一度お試しください。
にほんブログ村 海外生活ブログ ポルトガル情報へ blogram投票ボタン
テーマ:ポルトガル
ジャンル:海外情報
コメント
これはなぜかリスボンで食べたんです。アズレージョ博物館の帰り道のテレビがついてる食堂でおじいさんおばあさんにまじって。でも上の写真でみるような洗練さがないごろごろ臓物がお皿にどーんと乗ってる感じでだめだった。食べきれませんでした。臓物に慣れてるはずの日本人の僕でもそうだったのだから臓物を食べる事で国を助けたって言う昔の話は本当にすごい事だと思いました。
2012/02/13(Mon) 03:22 | URL | yoske | 【編集
>yoskeさん、こんばんは。

はい、リスボンでもあったりしますね。でもやはりポルトが本場で美味しいと言われます。
わたしも初めて出されたのがポルトでなかったせいか、
食べることができませんでした。
もともと味に癖があります。

最近はこの写真のように洗練というか食べやすいように
少しアレンジされたTripasもおしゃれなレストランで出される
ようになりました。

もうひとつ、ポルトでなけれが美味しくないといわれる
料理「Francesinha」があります。

http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-169.html

こちらで簡単に紹介しています。
これは若い人に人気があり、リスボンっ子がポルトに来たら
食べたいというポルト料理のひとつです。
来たり
2012/02/13(Mon) 06:40 | URL | spacesis | 【編集
質問です!
初めましてm(_ _)m
今年9月頃にポルトに行く予定です。
ネットで検索していたら、
偶然このブログにたどり着きました。
そこで質問なのですが、
ポルトに自転車屋はあるのですか?
2012/02/14(Tue) 03:53 | URL | マシコ | 【編集
>マシコさん

初めまして。

自転車屋というのはレンタルバイクってことかな?

それなら街でツーリストが乗っているのは見かけた
ことがありますよ。

ただポルトの街は坂道が多いのであまりお勧めではないです。
バイクに乗るなら海岸沿いがいいでしょう。
あのあたりにもレンタルがあったような気がします。
ガイドを仕事にしているわけではありませんので、
勘違いしていたらごめんなさいね。

それと、普通の自転車やさんというのはあるには
あると思いますが、ダウンタウン等では見かけませんので
ご注意。
2012/02/14(Tue) 20:26 | URL | spacesis | 【編集
Francesinhaすごいーーーー。これはたべてみたいーーーーー!ジャンク感満載!フランス人卒倒!
2012/02/26(Sun) 04:36 | URL | yoske | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
Click for Porto, Portugal Forecast 
ポルトガル ポルトの口コミ
ポルトガル ポルトの口コミ にほんブログ村 外国語ブログ マルチリンガルへ
にほんブログ村