2012年2月27日

2月もあと一週間かぁ、と雑誌記事執筆を怠っていたところがあらら、後三
日ではござらんか!慌てふためいてテーマに取り組んでいる昨日今日です。

今日は久しぶりにポルトガルの案内です。

昨年末に大阪から我が親友みちべぇと彼女の娘さんが我が家に滞在したので
すが、その時に訪れたひとつにBatalha(バターリャ修道院)があります。
わたしたちにとっては2度目の訪問ですが、前回は夏の午後も遅く入り見学し
なかった箇所もありました。

batalha2012-8.jpg

今回は少し修道院内のあまり目が向けられないであろう細かいところにわた
しは焦点をあててみました。いくつか興味深い細工を目にしましたのでそれ
をアップします。   

バターリャ修道院、正式名、「勝利のサンタ・マリア修道院」です。ゴチッ
ク建築と一部にマヌエル建築様式が用いられポルトガルではステンドグラス
が用いられた最初の建築物です。

batalha
Batalha修道院、未完の礼拝堂の外見。写真右上の八角堂がそれです。

Batalha

batalha2012-1.jpg
午前の日光がステンドグラスを美しく映している。

今回発見した柱の下方に彫られたいくつかの人面。
batalha
   
バターリャ修道院は1386年から1517年の年月をかけて建築された。
 
Batalha
その間建築に携わった歴代の王7人が眠る礼拝堂の入り口と内部。 

Batalha

美しいステンドグラスには葬られた王たちの紋章が描かれている。
Batalha

batalha

この王の墓石に彫られている白鳥と3羽の雛の模様は明らかに秘儀のシンボ
ルだ。
batalha

無名戦士の墓の広間。この部屋には柱が一本もない。
batalha

修道院内を一回りして最後に外へ出るときに見られるのが未完の礼拝堂。
batalha

天井がないまま建築は未完になっている理由は判明していないが、リスボン
の「ジェロニモ修道院」建築に力を入れるため、石工たちたそちらへ移動し
たがためとの説がある。

batalha
礼拝堂内にはラテン語で「Leaute faray tam yaserei(朕は常に忠実なり)」
の語句を彫られた模様が200以上見られる。
 
batalha
礼拝堂柱の下に見られる顔とカタツムリ↑↓(カタツムリはうっかり撮影し
忘れ^^;Wiki画像より)
batalha

偶然見つけたこれはトウモロコシだと思われる。
batalha

リスボンのジェロニモ修道院にも同様のトウモロコシがどこかに見られると
聞いているのだが、まさかここでも見かけるとは思っていなかった。

トウモロコシは15世紀にコロンブスが南米から持ち込み、以後ヨーロッパ
に広まり、ポルトガルの大航海時代にはアフリカ、アジアに伝わりました。
日本にトウモロコシを運んだのももちろんポルトガル人になります。

トウモロコシの伝来についてはちょっと面白い話があります。

スコットランドのロスリン礼拝堂といえば、テンプル騎士団追っかけのわた
しには一度は訪ねてみたい15世紀のに建てられたシンボルだらけの魅力
的な建物なのですが、この礼拝堂を建築したのは当時のウイリアム・シンク
レア伯爵。代々ロスリンを受け継ぐオークニー伯、シンクレア家最後の領主
で、スコットランドの石工組合(メーソン)のグランド・マスターだったと
も言われます。

初代オークニー伯は一族のなかでも傑出した人物で、コロンブスが大西洋横
断を成し遂げる100年以上も前に「新世界」へ船団を二度は送っているとの
こと。ロスリン礼拝堂を建築するに当たり、ウイリアムは祖先の英雄的航海
を記念してアメリカから持ち帰った、アロエ、トウモロコシなどの珍しい植
物を礼拝堂内に彫刻させた。堂内のあちこちに見られるアメリカ原産の植物
は礼拝堂が建てられた当時、ヨーロッパでは全く知られていなかった。
  (参考文献・シンボルコードの秘密)

バターリャ修道院のトウモロコシがいつ彫刻されたのか。
未完礼拝堂は1437年着工とあり、コロンブスの新大陸発見は1492年、
1500年ころにはセビリアで栽培とのこと。もしこのトウモロコシがコロ
ンブスの新大陸発見以前に彫刻されたとしたらと考えるとロスリン教会との
つながりも見えてくるようで、面白い発展になりそうです。

さて、もうひとつ、バターリャ修道院の画像を検索していたら、その中に一
枚William Beckfordの顔写真があり、むむ?と思い調べたところ、なんと、
彼は1794年にこの修道院を訪問しており、彼の希望でイギリスの西南部
ウイルトシャーにかつて建てられたのがFonthill僧院↓

fonthill
(画像はWikiより)

バターリャ修道院によく似ています。
現在この修道院は存在しませんが、彼のゴシック熱はその著書「Vathek」や
この建築に表明されます。このFonthill僧院を見るとわたしはいつもドビュ
ッシーのLa cathédrale engloutie(沈める城)を思い出さずにはいられま
せん。

「沈める城」はフランスのブルターニュ地方にあったイスという美しい街が
やがて背徳の街と化し一夜にして城ごと海底に沈められ、百年に一度1時間
だけ姿を表すとの伝説から作られたピアノ曲だと言われます。

ゴチック建築には教会の装飾でありながら、常に異系の思想が感じられるのが
真に興味深いところです。

本日は長くなりましたが、ここしばらく考えていたことを自分のメモとし
て綴った部分が多くあります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

バターリャ修道院が建築されたいきさつはこちら。
http://www.geocities.jp/spacesis_porto/html/out_of_porto/batalha.htm

ウイリアム・ベックフォードについてはこちらでも書いています。
http://www.geocities.jp/spacesis_porto/html/out-of-porto09/monsserate.htm

また、「沈める城」は下記Youtubeでお聴きになれます。
http://www.youtube.com/watch?v=5-1IoHlOAsA&feature=related

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ジャンル:海外情報
コメント
お久しぶりです。
家族3人同時にインフルエンザにかかってしまいダウンしていました。
バターリャ荘厳ですよね。
私は6ヶ月の身重で行きました。
6月でしたが、それはもう真夏の日差しで暑かったことと、すぐ近くにあったベビーショップでベビーベッドを見たことしか覚えていないという情けない話です。
2012/02/29(Wed) 06:28 | URL | gallega | 【編集
>gallegaさん

こんにちは。
わたしの周囲にも多いですよ。
gallegaさん、そしてご家族のみなさん、もう大丈夫ですか?

6月で身重でしたら、大変だったことでしょう。

>すぐ近くにあったベビーショップでベビーベッドを見たことしか覚えていない

わたしも子供連れだったころはじっくり見学する
余裕がなくて、マドリッド、アンドラ、
南フランス、スイスと
回ったはずなのに、ほとんど覚えていない有様ですv-292

それで今もう一度、夫と回っています^^
でも未完の礼拝堂は細工が素晴らしかったですよ。
機会があればもう一度いかが?^^
2012/02/29(Wed) 08:51 | URL | spacesis | 【編集
そうですね。ジェロニモスも詳細覚えてません。
実はFátimaへ行ったときに脇目で見ながら通り過ぎたんですが、その時は訪れなかったんですよね。またovidosと併せてゆっくり出来れば暑くないときがいいです。
そしてspacesisさんのように色々わかってくると更に面白くなってくるんでしょうね。

いやー、今回の風邪には参りました。処方された抗生物質と吸入の薬が終わりますが、咳もかなりあり、果たしてこれで治るか疑問です。周りには2ヶ月もひきづってる人もいます。
2012/03/01(Thu) 06:19 | URL | gallega | 【編集
ご無沙汰しております!
背中と足の筋を痛め、しばらく療養し、治療に励んでおりました ^^;
時の経つのは早いもので、もう3月ですね!

ステンドグラスの美しさにほ~っとため息 ^^
まだまだ見るところがある、ポルトガル、今後もいろいろ紹介をお願いします ^^



2012/03/02(Fri) 02:22 | URL | ピパーナ | 【編集
>gallegaさん
あ、その風邪の状態、わたしのと似ていますね。
わたしは3ヶ月はかかりましたよ。咳き込んで仕事中、大変でした。

昨年秋に日本へ行って帰りしなに始まったもので、あまりの長さに
ひょっとして放射線の影響?なんて思ったりしていたのです。

終いにはとうとう、去年下ばかりなのに再度の血液検査そしてX線を
撮りましたよ。
吸入薬も最後には使いました。X線の結果から、肺に炎症を起こした痕跡が
数箇所みられたとのこと、
しつこい咳はもっとはやくに検査すべきだったと今では思っています。
最近ようやくおさまりました。
gallegaさん、お大事にね。

ジェロニモス修道院はわたしももう一度行こうと思っています。
なにしろ、補習校の子供たちの引率で行ったもので、
そちらに気を配りほとんど見ていないのです^^;

>ピパーナさん

お久しぶり!
時々思い出しては、そうしてみたら近頃さっぱりコメントを
みてないなぁ、なんて思っていました。

背中と足の筋を痛めたって、なにか急な運動でもしたの?
もう不大丈夫なのかな?

春になるとどこかへ出かけたい虫がウズウズしだしますが、
その都度、夫に「猫はどうするんだい」と・・・トホホホv-388

その猫ちゃんたちも近頃は替わりばんこにVet通いです。
飼い主同様、それぞれがみな歳をとってきたようで^^;

そちらのねこちゃん、わんちゃんは元気?
2012/03/02(Fri) 19:59 | URL | spacesis | 【編集
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