2012年4月6日
 
毎週水曜日は午前中の日本語授業を終えた後、できるだけ机に向かいポルト
ガル語の予習をするように近頃心がけている。この日の午後はDias先生にポ
ルトガル語の個人レッスンを受ける日なのだ。

こう書くと言い訳がましく聞こえるかもしれないが、子育て時代は自分の勉
強のために時間的経済的に余裕はなく、今振り返ってみるとあっという間の
日々だった。

給食がなかったので毎朝の弁当作りから始まる学校への車による送迎(送
るは夫の役割で迎えはわたしだった)は二人合わせて17年間続いた。子供
たちの通った学校が家から遠かったのである。今でこそ自動車道路を走れば
2、30分で着くのだが、それがなかった当時は小1時間はかかったものだ。
毎朝夫と子供たちが出るまでは目が回るような慌しさだった。犬猫も同居し
ていたので、それらのエサやりも数が多いと傍が思うほど楽ではない(笑)

今なら家事も週に2回掃除やアイロンあてに通ってくるベルミーラおばさん
でほぼ間に合うが、当時は彼女が来ない日は自分がすることになり、4人分
のアイロンあてだけでもたいへんだった。迎えに行くまでに今ほどは受け
ていなかったが、日本語レッスンが入る日もあり、そうこうしているうち
にもう学校へ迎えに行く時間である。迎えの時間は厳守で遅いとしっかり
おこごとをもらう。

帰宅後は学校や土曜日の補習校の宿題、日本からの通信教育をみるため子供
と共にテーブルに座り、夕方にやっとそれから開放されるのだが、その頃は
夕食準備の時間になっている。夜は夜で、長年勤めた補習校の授業準備だ。
今のようにパソコンがさほど普及していなかった時代、授業の参考資料はだ
いたいが直筆である。あの案この案と作ってはつぶしたアイディアが山ほど
ある。

自分のために勉強できなかったわけをつらつらとあげつらったが文句のつも
りはない。自分のことはあまりできなかったが、それらの子育て時代をわた
しは本当に楽しみ子供を育てることを通して机に向かう勉強とは別の意味で
多くを学び自分を成長させることができたと今にして思う。その間自分が好
きな勉強ができなかったとて悔いてはいない。

経済面でもなかなかに大変ではあった。子供たちが通った学校は北部でも私
立大学を含む全ての教育機関でダントツの授業料だったからだ。それに土曜
日の補習校、通信教育費、数学、ポルトガル語の家庭教師、ピアノのお稽古
と、まぁ、まるで躊躇せず飛び立つ鳥のように教育費はでていったものだ。

それらが一段落した頃に夫がその年のびっしり予定がつまったポケットアジ
ェンダを眺めながらつくづく言ったものだ、「17年間朝から晩までほんと
によく働いたなぁ。自分でも感心するよ」

その後は大学教育費があったので経済的問題は一挙に解決したわけではない
が、少なくとも高額学園からは開放されて少しは楽になったと言える。

さて、子供たちのポルトガル語の家庭教師をお願いしたきたDias先生に無理
やり頼みこんでわたしが個人授業を受けるようになったのはさほど昔ではな
い。日常会話が分かるので先生の説明は理解できる、ちゃんと勉強しますの
で、とこれを売りにお願いした。

その「ちゃんと勉強します」がついこの間まで実行されていなかったのだが、
実を言うとこのところ初めてポルトガル語は面白いかもしれないと思い始め
たのである。30年も住んできて何を今更と言われるかもしれないが、わた
したちが何かに興味を持つには人それぞれきっかけがあると思う、わたしの
機会は遅まきながら今来たということだろう。
そんなわけでこのところポルトガル語のレッスンが楽しく、Dias先生とは話
がはずむことも多くなった。

ところで語学を学ぶには中級になるといい辞書が必要になる。ところがその
いい辞書なるものがポルトガル語ではなかなかないように思う。我が家にも
葡葡辞書が何冊かあるが、物足りない。Dias先生は職業柄何冊もの辞書を揃
えており、授業中にときどき一緒にひくことがあるが、そのなかの上下セッ
トの辞書にわたしはいたく惹かれ、あちこちの書店を探してみたが実は絶版
ものであった。探す最後の一手は、かつてわたしがブログでも紹介したこと
がある古本屋「モタさんの煙突」で探してみよう、である。

行こう行こうと思っていながら時間がとれずにおり、今週水曜日、いつもの
通りポルトガル語の勉強でDias先生のお宅を伺ったところ、
「この辞書は悪くないと思うがどうかな?」と一冊の辞書を紹介された。
「どう?類義語対義語、それにその語彙を使った例文もちゃんとある」

手にとって見るとその通りで、常日頃、わたしはポルトガルの製本がよくな
いのを嘆くのだが、その点もしっかりしている。
「いいですね。出版者とタイトルをメモさせてください」と言うと、
「これは君にあげよう」とおっしゃる。え!!

一応辞退すると、Dias先生のところには出版元から意見をお聞きしたいと
高校のポルトガル国語教科書や辞書などがしょちゅう送られてくるのだそう
だ。
「今回の辞書は悪くないと思うので、君にあげましょう。なに、わたしの
 懐がいたんでいるわけではないので気にすることはありません」 
先生のその言葉に甘えて喜んでいただいて来たのがまだ市販されていないこ
の辞書だ。

jisho

うっほー、とその日はホクホク気分で辞書を胸に抱えて帰宅したのであった。

夕食時に夫に話すと、「君、きっと何度も恥ずかしげもなく、その辞書は
いい、いい。けれども絶版で売っていないともの欲しそうに言っていたに
違いない。ぼくもあちこち書店を探させられたからね」

うっうぅ・・・・
い、いいのだ、これでもって、今からしっかりと勉強するのだ!

Dias先生、ありがとう!
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ジャンル:海外情報
コメント
吾輩は猫である、辞書に不可能の名前はまだないぽれおん。
先日、あっしも生徒さんに英語の辞書をプレゼントしたであります。ギター教室ですけれど(^^)
2012/04/08(Sun) 22:16 | URL | matsuura448 | 【編集
>松浦くん

お!けど、なんでまた英語の辞書?
ギターの教本とかじゃないの?(笑)

カルチュアセンターでの教室はその後どうしてますのん?
2012/04/10(Tue) 02:32 | URL | spacesis | 【編集
返信であります。
英語の曲が好きな小学生の生徒さんなので英語の辞書をプレゼントなわけであります。
カルチャーセンターの方は普通にレッスンしていますよ(^^)
2012/04/12(Thu) 16:40 | URL | matsuura448 | 【編集
>松浦くん

そういうわけだったのねv-290
音楽がきっかけで英語に興味をもつことはよくあるもの、なかなかすることが息ではござらんか。

カルチュアセンター、頑張ってね!
わたしも秋から多分市立図書館で日本語コースを開くことになると思います。
お互いぼちぼち参りましょう!
2012/04/13(Fri) 07:08 | URL | spacesis | 【編集
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