2012年10月6日
 
何はなくても教会とサッカー場だけはどんな貧しい村にもある。
等とかつてはポルトガルをそんな風に揶揄しては憎まれ口をたたいていたわ
たしですが、異端派とも言われるテンプル騎士団のポルトガルに於ける歴史
的な役割を探っているうちに、教会に刻まれてあるシンボルに興味をもち、
気がつけば教会巡りをしているこの数年です。

西洋文化を知るにはキリスト教の知識が欠かせないと、ポルトガルに30年
暮らしてわたしがたどり着いた結論です。それは映画への理解にもつながり
ます。

例を挙げると、1999年に製作、ヒットしたキアヌ・リーブス主演の
「マトリックス」には、コンピューター関係の用語がたくさん出てきます
が、ネオとトリニティ、モーフィアスの3人は「トリニティ」の名からも分
かるようにキリスト教の「三位一体・父と子と精霊」を表していると思
われます。

主人公ネオは言うなればキリストの役割でもあり、聖書を知っている人には、
これはあのことだと思わされる名称、想定場面も多く出てくる映画です。
例えば映画の始めの「白うさぎ」についてもそうです。「白うさぎ」は繁栄
・多産のシンボルで西洋ではイースターや異端のシンボルともされます。
(イースターそのものが元々異端教から発しているのです)

ブラガ・ボンジェズス
山頂にボンジェズス教会の尖塔が見える。

本日はその教会めぐりのひとつ、先々週の土曜日に訪れてきた聖地ボン・
ジェズス・ド・モンテ(直訳:山上の善きキリスト)を本日はご紹介します。

ポルトから北へ車で1時間ほどのポルトガルの第三都市Braga(ブラガ)に
ある小高い山の頂上にあります。ヨーロッパ諸国そしてポルトガルもそうで
すが、古来から多くの山頂は信仰の対象として崇められてきました。ボン・
ジェズス山頂もそのひとつです。

14世紀には最初の礼拝堂が建てられ、後17世紀にはボン・ジェズスは
巡礼地とされ、キリストの受難に献ぜられた六つの礼拝堂を含む教会が
建てられたとされます。

現在のボン・ジェズスは18世紀初期にRodrigo de MouraTellesブラガ
大主教の保護の下、建築が進められました。

ブラガ・ボンジェズス

さて、教会へたどり着くには116メートル、581の石段を上って行くこ
とになります。

ブラガ・ボンジェズス
絡まっているのはキリスト教では邪悪、異端教では叡智の象徴ヘビです。

石段にくぎりごとの各踊り場ごとに両脇に小さなカペラ(礼拝堂)があり
頂上まで続くこの6区切りは「Passion of The Christ」、ここでは
Passionは「情熱」でなく、キリストの受難を意味しており、それをテー
マにしています。

カペラの他に各踊り場中央には噴水が置かれています。
ブラガ・ボンジェズス

これらの噴水は「視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚」の五感を表しているそう
です。
   
ブラガ・ボンジェズス
目                 

ブラガ・ボンジェズス
鼻                        

ブラガ・ボンジェズス

 
ブラガ・ボンジェズス
口                  

ブラガ・ボンジェズス
触覚

ここでわたしが思い出すのは「謎シリーズ」で以前とりあげたことがある、
フランスはクリュニー美術館の6枚からなる「貴婦人と一角獣」の不思議な
タペストリーです。 

ブラガ・ボンジェズス

このタペストリーもそれぞれが5枚が五感をテーマにしたもので、残りの
6一枚目が上の絵。タイトルは「我が唯一の望み」と、これもなかなか分
析が難しいミステリアスなタペストリーで、この中に隠されているメッセ
ージは異端、秘儀思想であると言われています。五感はペンタグラムでも
表され、ユダヤ教、異端教のなどのシンボルでもあります。

「貴婦人と一角獣」の記事はこちらで。

さて、それぞれの噴水の上にはヘブライ語聖書(ユダヤの聖書でキリスト
教徒は旧約聖書と呼ぶ)の預言者たちの像が立っていますが、はたとわた
しが不思議に思ったのが下図。

ブラガ・ボンジェズス
 
触覚を表す噴水の上にはソロモン王の像が立っています。
カメラを向けズームアップしたところが、おろ?
下の写真の←マークのように回りには「クモ」がたくさん彫られているのです。
 
ブラガ・ボンジェズス

ネット検索でソロモン王とクモの関係が簡単にでてくるかと思いきや、意外
やてこずり、最終的には英語サイトで、ユダヤ聖書の諸書のひとつである
「ソロモンの箴言」でやっと見つけたのでした。

明日はそれについてエントリーしたいと思います。

ここまで読ませてそれはないぜ、おっかさん?あはははは。
随分と長くなりますゆえ、ご勘弁を。

その代わりというのはなんでございますが、こういうことには「なんでや
ねん?」と反応し、検索したり本で調べたりせずにはおられない凝り性、
マニアック性の我がDNAを見事に受け継いでおると思われる、モイケル娘
の記事「ヘチマを訪ねて3000メートル」、よろしかったら下記までお
立ち寄りください。

ヘチマを訪ねて3000メートル

ではみなさま、また明日。
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コメント
ブラガ、ぜひ訪れてみたいところです!
私にはキリスト教の知識がありません(自分の宗教の知識も疑わしいものですが)ので、spacesisさんのお話をふむふむと読ませていただきました。
つづくブログも楽しみにしています('∀`)

2012/10/08(Mon) 06:41 | URL | ジェシカ | 【編集
>ジェシカさん

こんばんは。

宗教に関する知識は信心でもしていない限り普通はあまり持たないと思います。
わたしは無宗教ですが、古来人間の歴史と宗教は大いに関係があると思い、それで趣味でポルトガル語の学習も含めて独学しています。

で、時々とんでもない間違いをしたりしてたりしてねv-408
そのときは勿論訂正させていただきます。

拙文ですが、よろしくお付き合いくださいませ。
2012/10/08(Mon) 08:25 | URL | spacesis | 【編集
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