2012年10月13日 

bee
ポルトの「Bee Tours」ツーリスト用、「ハチの三輪車」とでも言おうか。

スゥイング・ジャズが好きでLPをよく聴いていたが、いつの間にかレコー
ドの針を探さなければならなくなり、そのうち、針を求めて売り場に行く
と「はり?」と逆に聞き返されるようになって久しい。

そんな訳で今では聴く機会もなくなってしまったが、そのなかでも好きなの
が「It´s been a long time」。日本語で「お久しぶりね」てやつで、

Kiss me once, then kiss me twice
Then kiss me once again
It's been a long, long time

と始まるのですが、1945年に作曲され、以後、スゥイングのスタンダー
ドナンバーとして、ビング・グロスビーやシナトラを始め、多くの歌手が
歌っています。

で、本日は恋人に久しぶりに会えた喜びというこの歌の内容とは少し状況が
違いますが、なんとなくそんな気分の出会いをば。


土曜日の日本語教室は忙しい。

9月末から市立図書館で11:30からの日本語初級コースを開講したの
だが、ここ数年YY塾と称して若い友人のOちゃんと開いている土曜日の10
時少し前からのクラスもあるので、図書館で教えるために場所を移動する
ことになる。

今朝も10時からの授業を終えてアタフタと図書館へ車で移動し、だたっぴ
ろいギャラリーの一角に陣取っている日本語教室の準備をしていた。と、
一人の老紳士が遠慮がちに入ってきて、こちらの方を見ている。

あらら、また途中から受講したい生徒さんかしら?と咄嗟に思った。
というのは、8人の生徒で始まったのが、翌週、今週と遅れて申し込んで
来、いつの間にか12人の大所帯になってしまったのだ。

もうこれ以上は受けられない、お断りしようと気持ちを準備したところへ
老紳士が近づいてきました。瞬時、「まあああ!アルフレッドさん!」と
思わず大声を出して、ポルトガル式に二人で抱き合って挨拶です。

なんとその紳士は、今から16、7年も前に、とある協会でわたしが日本語
を教えていたときの生徒さんの一人だったのです。

アルフレッドさんは当時60歳くらいでドイツ人ですが、奥方はポルトガル
の方で、お二人は別々のクラスでしたが、わたしの日本語コースを受講して
いました。


後に娘さん家族が住んでいるドイツに移り、しばらくはメールのやりとりを
していたのですが、ご家族の引越し等でいつのまにか消息が途絶えてしまっ
たのです。

アルフレッドさんは、自ら「わたしは前世で日本人であったかも知れない」
と言うほど、日本文化に大きな興味を示し、クラスでもよく勉強して、いい
生徒さんでした。生徒と先生の枠を取り払って、我ら夫婦とアルフレッドさ
ん夫婦とで当時、ポルトに初めて開店された日本レストランへもご一緒した
ものです。

すっかり驚いて、どうしてわたしが図書館にいることを知ったのかと聞きま
すと、今回しばらくポルトの自宅に滞在するので、是非わたしに会いたいと、
わたしが22年間勤めて3年前に退いたポルト日本語補習校へ訪ねて行った
のだそうです。そこで、かつての我が同僚から、図書館で日本語を教えてい
るとの話を聞き、やってきたということでした。

日本語補習校では、当時クリスマスコンサートと言うのがあり、歌や劇を学
級ごとに発表していました。そこで、補習校にお願いして普段は日本語を直
接耳にすることがない、わたしの日本語学習者を呼んでもいいということに
していただきました。観客も多いほうが生徒たちもやりがいたあるというも
のです。そんなわけでわたしが未だ、補習校で教えているものと思い訪ねた
ようです。

奥方は3年前に持病の心臓病でお亡くなりになったとのこと、今回の滞在は
あまり長くはないものの、来年は春から秋口までいる予定をしているので、
是非、日本語を教わりたいと言われます。ドイツでも日本語の勉強を継続し
ていたと聞きますから万障繰り合わせて時間を作りたいと思っているのです。

こうして、昔の生徒さんが訪ねてきてくれることは、この上なく嬉しいこと
です。このところ、忙しさで少し体調がダウン気味でしたが、いっぺんに吹
き飛んだ一時でした。

帰宅後すぐ、現在のわたしの生徒でもあり友人でもあるマリアさんに、
「今日、誰が会いにきたと思う?Geuss!(当ててみて)」

と言うのは、このアルフレッドさんとマリアさんの二人が数人いた日本語ク
ラスで、最後まで日本語学習の継続を固持して、現在に至っているのです。

マリアさん、73歳、アルフレッドさん、75を過ぎているでしょう。
二人の日本語能力が同レベルかどうかを見てみなければなりませんが、も
しこの二人のクラスが誕生するとなれば、クラス我が日本語学習者の中で、
一番の年配者たちになります。向学心を失わない素晴らしい生徒たちに、
来春のクラスを楽しみにしているのです。

え?spacesisさんの年齢も入れたら平均年齢いかほどのクラスになるか?
まぁまぁ、そんな野暮は言いっこなしで参りましょうよ!

「It´s been a long time」どんな曲?と興味のある方はこちらへ↓

https://www.youtube.com/watch?v=dZQXMgUA5c8
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コメント
こんな熱心な生徒さんがいると、先生も頑張り甲斐がありますね。

語学の勉強って、もちろん教師の質も大きく影響しますけれど、伸びるかどうかは正しく生徒の意欲に比例するような気がするのです。結局うまくなりたかったら自分で頑張るしかないやね、と最近ひしひし思っているところです。70代に負けちゃおれんでしょう。
2012/10/16(Tue) 21:41 | URL | 梨の木 | 【編集
>梨の木さん

おっしゃる通り、初期、もしくは中だるみの段階では教師の指導力がものをいうことはあるでしょうが、子供は別として、語学に限らず勉強は生徒次第ではないかと思っています。

わたしも自分がやるっきゃないと知りながら、日々日本語教室に追われ、「分かっちゃいるけど」の毎日です。
でも新語に出会うのは新鮮で楽しいですね。

梨の木さん、がんばってね^^
2012/10/19(Fri) 01:50 | URL | spacesis | 【編集
今の私にとってはとても励みにもなるお話です♪
本業がそうではないのだけれど、本業を切磋琢磨してきたから教える側にもなれたのだと思うと、愚直にやってきた事にも意味はあったと独り嬉しかったりしますw
どこまで続くのかは解りませんが(ウデ次第?w)、
このところ更新試験に行きますと、以前教えた方に会う事も増え
「あ~!どうも」と声をかけられ「今回新規で受けるんです」と言われると、
この人にとって何かしらの起点になれて良かったなと思うのであります^_^;
教えるのは難しいけれど、得るものは大きいですよね。
こういう「教える」という技量も後進に継承していきたいと思うこの頃です。
お互い無理せず頑張っていきましょう(^_^)
2012/10/19(Fri) 22:11 | URL | マー | 【編集
>マーさん

レス、遅くなってごめんなさい。
週末からぶっ倒れておりました^^;

時々自分の歳を忘れてしまいがちでどうもいけません。

でもマーさん、わたしも今日まで四苦八苦して得た教え方を継承してもらいたいと思い、2年前から若い友人を引き込んでいます。

ほんと、無理せず頑張っていけたらいいなと思いますね^^
2012/10/23(Tue) 19:48 | URL | spacesis | 【編集
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