2012年1月4日 

ポルトガルのお歳暮についてとりあげてみます。  
お歳暮という意味合いの言葉こそありませんが、12月の贈答はそれに相当
すると思います。
  
日本と比べて違うところは、職場の上司や仕事関係のお得意先へという義理
がらみの付け届けはほとんどないという点でしょうか。また、わたしたち日
本人は早く義理を果たしてしまいたいとでも言うように、お返しは早々に果
たしてしまおうとします。ポルトガルでは一年を振り返ってみてお世話にな
ったと思われる人に、クリスマスの贈り物を届け感謝の気持ちを表すのです。

どういうものが贈られるのか、ちょっと興味があるところでしょう。
ワイン、ウイスキー等は日本と変わりませんね。ポルト・ワインやウイスキ
ーは高価なものを贈りますから、たいてい一本ですが、Vinho Verde等の
テーブルワインとなると、ドバッと10本から20本が届けられます。これな
どは日本で言うビールを贈る感覚でしょう。
そう言えば、こちらではビールがこういうお届けものに使われることはまず
もってないのが面白いです。

cabaz
デパートのお歳暮コーナーに並ぶcabaz(カバス=果物等をいれるカゴ)

その他に室内の飾り物、クリスタルのデキャンタ、銀製品、そして不景気な
今からは考えられませんが、たまに金の装飾品などもありました。これらは
かなり高価なものになりますから、受け取る方も多少躊躇します。銀製品の
菓子皿、ぼんぼん入れ、燭台などは3、4万円はくだりません。

食べ物としては、「バカリャオ=bacalhau」と呼ばれる大きな鱈を開いて
干したものを贈り物に。これは、肉類を食さないクリスマス・イブと、そし
て大晦日にポルトガルの習慣として他の野菜と茹で上げて食します。また、
しばらく前に泥棒にしてやられた豚の脚一本からなる生ハむ、これも贈答用
に使われます。

とまぁ、本題「アフォンソとマチルダ」の前置きが大部長くなってしまいま
したが、色々な頂き物の中には「いやぁ、こりゃ困った」と言う物も多々あ
りました。

12月は何と言っても七面鳥の時期です。
さて、これはわたし達一家が現在の我が家、フラットに引っ越す前の古い小
さな庭つきの家に住んでいた時の出来事で、子供たちが小学生だった頃のこ
と。(この家は、こちらで紹介されている、桃の木のある家です)

夫の仕事柄、この時期にはお届け物が参ります。
12月のある日のこと、田舎の方と思し召すセニョールが玄関の前に立ちま
した。
「だんな様に大変お世話になった。どうぞこれを。」
と言って大きなのダンボール箱を置いていきました。
「あらら、なんでしょ」と、中身が生ものであっては後で困りますので箱を
開けてびっくり、玉手箱!ナマモノもナマモノ、生きた二本足を紐でくくら
れた二羽のトリではないですか!一羽は真っ赤なトサカを冠しており、もう
一羽は見事な七面鳥です。

これ、どうするのよ?自分・・・
よく見ると可哀相に、この2羽、足をくくられたままでとても辛そうです。
で、いやだったんですが、恐る恐る両手を差し伸べて抱きあげようと両手を
出しましたら、騒ぐこと騒ぐこと、そのけたたましさといったらありません。
こちらの方がビビッてしまいましたが、思い切って抱き上げました。その柔
らかい体を通して体温が伝わってきます。

庭には昔の鳥小屋がそのままほったらかしでありましたから、庭まで運び、
くくっていた紐をほどき、二羽を庭に放して見ました。子供達が帰宅して、
特に動物好きの娘は大喜びです。早速にこの二羽に牡雌も分からないと言
うのに「アフォンソ」「マチルダ」と名づけました。アフォンソとはポル
トガル王の名前ですから、ひどい話ではあります(笑)

夕方になると、今度は庭中追い掛け回して二羽をひッ捕まえ、一時しのぎ
の鳥小屋に入れるのですが、これがまた一仕事です。あちらは必死で逃げ
回るし、こちらはこわごわ追いかけ回すわけです。バラをたくさん植えて
ましたし、大きなあじさいの木もありましたから、それらの陰に入ると捕
まえるのにこちらは手や腕が傷だらけです。

こういう悪戦苦闘の毎日が続いたのですが、さて、クリスマスがいよいよ
近づいてくると、さて、ここで問題が持ち上がりました。
こうして名前までつけてしまうと、とてもとても潰して食卓に載せること
などできましょうか・・・
名前はつけるべきではなかったのです。娘など、よもやそういうことには
考えが及ばないでしょう。夫もわたしも、つぶせるわけはない^^;

しかし、このまま庭で飼っておくというわけにもいかないのです。なにし
ろ、我が家には犬のポピー、そして数匹の猫たちもいるのです。これらか
らアフォンソとマチルダを守るために四苦八苦、そのせいで毎日クタクタ
でした。

一日一日と延ばし延ばしになり、ついに決心を迫られる日が来ました。
我が家でするわけには参りません。ネコや犬たちが騒々しさや血の匂いでき
っと怖気づいてしまうに違いありません。これは、裏に大きな畑を持つジョ
アキンおじさんの飼っているブタが、悲鳴を上げて鳴くことがままあるので
すが、わたしには何が起ころうとしているのか想像できます。そのときの
我が家の犬猫たちは「なにごと?!」とでも言うかのようにみな揃ってあっ
ちへすっ飛びこっちへすっ飛び。その不安な様といったらありません。

アフォンソとマチルダを食べることについては、わたしは食べられないこと
はないでしょうが、子供達に、「これはアフォンソとマチルダです、頂きま
しょう」と言えるくらいの気概が哀しいかな、わたしには当時ありませんで
した。

結局、週に2度、我が家の掃除にくるお手伝いのドナ・ベルミーラに2羽とも
上げました。不意に手に入った素晴らしいご馳走、嬉々として2羽を抱えて
帰って行ったお手伝いさんの後姿を見ながら、わたしはちょっと複雑な思い
でした。こんな気持ちになるのなら、肉類はもう口にしなくてもいいや、な
んて偽善的な思いが頭を横切ったものです。

生きる、ということは、そのために生かされてる命があるのだ、ということ
に思いを馳せる出来事でありました。子供達にはなんて言ったのか?はい、
一言「お手伝いさんにあげましたよ。」それで十分伝わったでしょうか。

モイケル娘の複雑な表情を打ち消すかのように、わたしはクリスマス・ソン
グのCDをボリュームアップでかけたのでした。

ごめんよ、もいちゃん、そしてアフォンソとマチルダに合掌。
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コメント
ふむ!?
日本のお歳暮コーナーとは、趣が違うね!我が家では毎年、親しい人と近しい人にお中元とお歳暮を!お中元は地元の梨を送り、お歳暮は、長野のリンゴを送ります。もう20年位同じ果樹園から送っています。が、今年送られたリンゴの箱を開けたら、配送時にぶつかり合ったと見えて半分以上がへこんで変色していました。これは送り先に失礼と言う事で、全お送り先に電話を入れると、関東に送った4軒が痛んでいると報告が。りんご園にもその旨報告しましたら、値引きと新たに半箱を送っていただく事に。
申し訳ないので、生まれ故郷の海産物を送って一件落着!話は変わって姉の家から、有名和菓子屋の「栗蒸し羊羹」が送られて来た。半分位食べた後に電話が。姉の家では、いざ食べようと開けたら羊羹の袋がパンパンにふくれていて、呆然と眺めているうちに破裂したそうな!そしていやな臭いも立ちこめたとの事でした。慌てて買ったデパートに電話を入れたら、そのような事例があったそうな。すぐに担当者が謝罪に訪れたとの事でした。でも、我が家のいただいた羊羹は知らずのうちに半分消化。残りはゴミ箱へ。でもお腹は大丈夫だった!では、パーティに行って来ます。
2012/12/08(Sat) 17:50 | URL | 本日某邸でワインパーティちゅう! | 【編集
>ちゅうさん

日本でも最近はそんなことが多いのね。
昔ならありえなかったような気がします。
サービスの質が落ちてきたのかな?

羊羹、お腹が大丈夫だったとはさすがちゅうさん!テニスで鍛えてるのだv-8

今頃はパーティー会場でほろ酔い機嫌かな?電車、のりすごしたりしないようにね!

で、我らも今夜はホテルで日恒例の本人会忘年会です^^
2012/12/08(Sat) 23:28 | URL | spacesis | 【編集
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