2013年7月3日 

6月に紹介しましたが、写真ではなくて自分の目で見てみたいと長年望んで
きたプレラーダ園の小さなお城こと塔は、期待を裏切らない美しさでした。
さて、それに続き今回は池にある塔の入り口から丁度延長線上にある石像に
ついてです。

今日のエントリーはみなさんに披露するというより、思考錯誤するわたし自
身のメモです。ちょっとなぁ、という方はどうぞスルーをば。

塔と併せてこの石像はプレラーダ園のなんたるかを分かる人にのみ示してい
るのです。池の周りを歩きながら通り過ぎていく夫を前にして何か無いかと
デジカメ片手にキョロキョロと周囲を見回していると、目に入ったのが正に
探していた石像の「後ろ姿」でした。
prelada


この像は塔に正面を向けているのではなくて、前方400mほど向こうの
プレラーダ邸に向いています。訪れていた殆どの人は、わたしが見た限り、
この我が憧れの石像に注意を払う人は誰もいませんでした。

これだこれだ!と石像の前に回ろうとすると、なんと黄色い柵が遮っていま
す。困ったぞ、と思ったのは一瞬のこと、申し訳ないが躊躇することなく石
段を降りて柵の横隙間から「ご免あそばせ」と通り抜け真正面に立ちカメラ
を向けました。

開園とは言うものの疑ってかかったわたしは入りしなに「これからはずっと
開いていているのか」と警備員に聞いたのです。その返事や、「開いてい
るかもしれないし、いないかもしれない。まだ分からんのだ」
・・・なんだそりゃ^^;

この機会を逸せばまたもや何年も待たされるやも知れない。通常は鈍いわた
しですが、「この機を逃してなるものか」との思いが咄嗟に思考回路を巡ら
し、「ご免あそばせ」となったのです。

なかなかやってこないわたしを気にしてか、引き返してきた夫、「な、なに
してるんだ?」^^;

石像の正面に立つには石段を降りることになるので、池の周りを歩いて
いる人にはわたしの姿は見えないわけで、夫に「あっち行け~」と手でジ
ェスチャー、そして撮ったのが下の画像です。
prelada

石像全体のシンボルは、下から帆立貝、亀、亀を支える二人の翼を持つ天
使、亀の上にある台座のようなもの、そしてトップの乙女像が立つ異様な生
き物。

帆立貝、亀はいずれも錬金術、秘儀思想のシンボルでもあります。亀は太古
からの生物で宇宙を表すとして、当ブログでかつて案内したシントラのレガ
レイラ邸でも見られます。
何度か行って探し当てたレガレイラ邸の亀!レガレイラ邸の主億万長者モン
テイロ氏は邸の屋上に実験室を設置していたのではある。↓
prelada

石像の上部を少し拡大してみました。
prelada

この石像についてネットで検索してもほとんどヒットしなかったのだが一箇
所、イルカに乗るオーロラだと言うのに突き当たった。しかし既存のイルカ
に比べ、顔のなんとアジア的なこと!この顔は東洋では獅子、つまりライオ
ンになると思う。

単なるドルフィンというのでは納得できず随分あちこち調査した結果、これ
は胴体がイルカ、羽を持ち頭部は時にライオンだったり、馬だったりする
Sea Griffinと呼ばれる海の怪獣だと判明。頭部の横についているエラの
ようなものは翼を表すのかも知れないと勝手に解釈してみる。

prelada
Wikiより。イギリス、サセックスのFishbourne 宮殿にあるモザイク。

さて、こうして探っているうちに、どうもどこかで見かけたような気がして
いたのだが、あっ!と思い出した。これとそっくりのをフレイシュ宮殿で見
たのである。
prelada
写真はフレイシュ宮殿修繕以前。現在は修繕されてポザーダ(お城、宮殿な
どの歴史的な建物を高級宿泊施設にしたもの)になっているが、画像は修繕
以前のもの。

prelada
これとてもズームアップしないと分からないシンボルではある。

いかが?こうして見るとエラに見えるのはやはり羽であろう。ナゾニはこの
東洋的なライオンの顔をどこで知ったのだろうか。フレイシュ宮殿につては
先ごろ新たな発見をしたので、近々再度、取り上げてみるつもりです。

イルカは「王の魚」と言われ王冠をかぶっているのは頷けるが、「王」とは
一体誰なのか?はたまた女王なのか?

オーロラはローマ神話での名前でギリシャ神話ではエーオースとなり天国の
扉を開けて夜明けを告げる女神。翼とばら色の指を持ち「時と知性」のシン
ボルだと言う。

しかし、イルカやSea Hourseに乗るのはギリシャ神話に登場するネレイデ
だ。ネレイデはエーゲ海底の銀の洞穴にすむ海の女神で、イルカに乗って移
動する。この乙女像がオーロラだとすると翼がないし、オーロラはイルカに
は乗らないのだ。よってネレイデではないか、がわたしの意見だが、ネレイ
デでは錬金術との関連が今のところ出てこないのである。
prelada

また乙女像の左手はイルカの尾に触れているが、右手に何か持っているのか
どうか、持っているとすればそれは何なのかが判明できない。というので、
この乙女像については壁に突き当たってしまった。

しかし、である、ちょっと面白いことを考えてみた。

イルカをイエス・キリストのシンボル「イクトゥス」↓だと想定するとイル
カの上に立つのは紛れもなく、イエスの第一弟子マグダラのマリアだと考え
られるのだがどうだろうか。
prelada

ローマカトリックの礎は天国の鍵をイエスから授かったと言われる聖ペドロ
だが、ペドロは女性蔑視思想を持っていたとも言われ、マグダラのマリアを
敵対視していたと伝える書物もある。イエスの死後、弟子達の間でふたつの
勢力争いがあり、マグダラは敗れてフランスに逃れたという説はなりたつの
ではないか。

さて、この石像が持つもうひとつの錬金術のシンボルについて。
prelada

ここでは台座のようになっているが、ナゾニの多くの建築物でこれを見かけ
る。下はプレラーダ邸を囲む、半分崩れかけた外壁である。右手に石灯籠の
ように見えるのがその類だ。壁の中央には大きな帆立貝のシンボルも見える。

prelada

上載、フレイシュ宮殿のイルカの写真右にも見られる。長い間わたしはこれ
をソロモン宮殿を表すと想像してきたのだが、つい先ごろ読んだ小難しい本
にパリのノートルダム大聖堂に彫られた多くの寓意図像が錬金術、秘儀の作
業を表しているとして取り上げられている。

prelada prelada
左:パリ、ノートルダム大聖堂、産後の審判の入り口に見られる。「錬金炉を
外界の影響から守る守る錬金術師」とある。右:同じくノートルダム大聖堂、
救世主の入り口。「哲学的煮沸」と説明がある。

写真の中に見られる炉は多少形こそ違え、わたしがソロモン宮殿だと思ってき
た形に実に似ているではないか。ひょっとして、マグダラの塔も錬金炉か?と
ふと頭をかすめた。

イエスが不思議な術を使い、多くの魚を呼び寄せたり突如としてたくさんの
貧しい人々のためにたくさんのパンを用意し配ることができたとは、聖書に
書かれてある有名なエピソードである。イエスが秘儀を使うことができる人
だということを表している。

ここでわたしは大胆な想像をしてみた。マグダラのマリアはペドロのライバ
ルであり、優れた女性秘術師、錬金術師であったのか?

このような仮説を立てると、ライバルに敗れたマリアが本来の姿を隠し、フ
ランスの地に逃れ、後の世の秘儀参入者の間でローマカトリック勢力の異端
迫害から逃れるために極秘裏にその思想と術が、その道の人のみが分かる
種々のシンボルで秘儀内容が伝えられてきたということが言えはしまいか。

ローマカトリック教が絶大なる力を持ち、キリスト教以外は物にもあらず
と世界への布教が勧められたヨーロッパ中世の時代にいた異端思想の人々に
とり、発覚は即、死につながる時代ではあった。

日本も含め、現代の欧米社会は発言、表現、行動が思うようにできる自由社
会だ。が、現代もなお、世界にはその自由を束縛する宗教がある。そんな社
会で、異なった思想を持つ人も必ずやいるものと思われるのだが、彼らはど
のような形で、自分達の思想を発信しているのだろうかと考えると興味深い。

歴史シンボルの謎解きは人類の真実の歴史を紐解くことだとわたしは思う。
レオナルド・ダヴィンチ、ラファエロ然り、先に拙ブログで取り上げたシン
ボルを書き込むことでバチカン法王に大いに抵抗を試みたミケランジェロ然り。

また、マグダラのマリアを娼婦であると書いてきた聖書のくだりも、その真実
性がどうも本当ではないと研究により少しずつ判明してきている。

なんにせよ、既存する歴史を与えられるまま鵜呑みにすることは危険なので
ある。

最後に、下図はプレラーダ園の地図だが、赤丸が塔、そこからまっすぐ下に
延びる直線は石像を通過し、
prelada
400メートル向こうにあるプレラーダ邸のラビリントスにつながるのを発見した。
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画像はWikiより。

乙女像の謎解きはまだ釈然としないが、引き続き時間をみては探ってみる
つもりだが、造園、建築をしたナゾニ、そして建築依頼主も秘儀思想主義
の人であろう。

案の定、プレラーダ邸の開園はわたしたちが訪れたその日一日で再度閉園
となった。

ポルトガルの高級宿泊施設ポザーダはこちら

最後まで勝手推察にお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは、また明日。
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