2014年3月10日 

昨日、日曜日はこの時期恒例のポルトの椿祭りへ夫と出かけて来ました。

昨年のカメリアフェスティバルも当ブログで案内していますが、これまで会場はわたしが日本語教室を開いているアルメイダ・ガレッテ市立図書館のギャラリーだったのを、今年はポルト市庁舎での開催です。

2010年のJapan Weekのコーディネーターの仕事で市のスタッフとの打ち合わせのため、何度もこの市庁舎に出入りして知っていたので、わたし個人の意見としては市立図書館のギャラリーの方が市庁舎内の行事スペースよりも広さ、明るさがあり、展示会場としてはあちらの方が適しているのになぁ、なんて思っていたのです。

ポルトは昨年暮れの選挙で、これまで長年市長を務めてきたRui Rio氏が二期の任期完了となりRui Morreira氏が現市長です。どうやら「市庁舎をもっと市民に開放したい」との市長の意向のようです。ポルトでは市民を対象としたIDカード発行、パスポート、健保関係、免許証等の多くの手続き関係は市庁舎とは別場所のLoja de Cidadaoというところでなされ、市庁舎に一般市民が出入りするには、用件相手と予約を取り付け受付を通して内部に入ることになりますから、ともすると一般市民からは堅苦しい場所という感が否めません。ですから、今回の趣旨からすればなるほどと頷けます。

Cameria

中に入ってみました。
Camelia
市庁舎の表玄関。
Camelia
たくさんの人で賑わっていました。
Camelia


今年は例年と少し趣向がちがい、展示にカメリアこと椿がポルトガルに入ってきた歴史を取り上げていました。ポルト市内の小学校数校がその歴史を折り紙で表現したディスプレイが掲げられています。
Camelia

椿の歴史は後で触れるとして、この折り紙ディスプレイに関しては市当局から「折り紙ワークショップ」も兼ねて参加してもらえないかとわたし宛に連絡があり、それならいっそのことと、我が古巣ポルト補習校を紹介したのでした。補習校は現地の小学校を毎土曜日借用しており、こんな時の協力こそ感謝の気持ちが伝えられるいい機会ではないかと勝手判断(笑)

そうして補習校の生徒、父母、先生方が協力して出品したのが下の二作品です。
Camelia

Camelia


わたしは残念ながら直接協力できませんでしたが、オープン当日の午後はポルト在住の数人の日本の人たちが会場で折り紙ワークショップをしたそうです。展示会はカメリアのコンクールでもあるのですが、今年は小学校の展示物もその対象になったそうで、現地小学校と合同で出品した補習校の作品が入賞しました。

そして入賞したもう一点、他校のものですが、これはポルトガルの黄金時代である大航海の帆船(ポルトガルではNau=ナウと呼ぶ)を浮き上がらせ、周囲に椿の花をめぐらしています。上部には日本語とポルトガル語がみれれるでしょう?この日本語部分は日本語の生徒さんに頼まれてわたしがしました。

Camelia

これを作りながら子供達は椿がポルトガルに入る経路と歴史を学んだことでしょう。そこでわたしもポルトガル語からそれを学んでみました。ここから久しぶりのspacesis歴史の謎解きです。

椿はポルトガル語では「Camelia(カメリア)」と言いますが、Japoneira(ジャポネイラ)やrosa de Japao(日本のバラ)の俗名があります。特にポルトガル北部ではJaponeiraがよく使われます。
これは、ポルトガルでは椿が酸性土、雨の多い地方に適しているため、北部に多く見られるのだそうです。

Cameliaの語源はというと、18世紀に、モラビア(現在のチェコの東部)生まれのジェスィット団宣教師ゲオルグ・カーメルに因みます。彼が中国から椿の種をヨーロッパに送ったとの記録があるそうです。カーメルの死後30年してから椿はヨーロッパで人々に知られることとなりカメリアと名づけられました。

すると、ここであれ?となります。では、ポルトガルでは何故Japoneiraと呼ぶのか。

わたしがポルトガルサイトで検索していると、同様に疑問を取り上げて書いているExpresso紙の記事にぶつかりました。「カメリアなのか、ジャポネイラなのか」、つまり18世紀のカーメルが中国から送ったのが元なのか、それとも16世紀に偶然種子島に漂着して以来のポルトガル人航海者が日本から持ち帰ったものか、と疑問を呈しているのです。

ポルトガル人航海者が日本へ持ち込んだ物は鉄砲だけではありません。オリーブ、ブドウ、いちじく、マルメロなどの果樹も運ばれました。古来から日本人に愛されてきた椿が彼らの興味を惹かないわけはないでしょう。
Camelia


椿は遣隋使の小野妹子が隋帝国第二皇帝に献上したと言われ、隋では、海の向こうから来たざくろ、海石榴(うみざくろ)と呼んだと書かれてあります。また、7~8世紀の万葉集には既に「ツバキ」の表記があり、ツバキを詠んだ歌もあることから、元々は日本古来の植物であったと言えます。

一般的にはカメリアがヨーロッパに紹介されたのは18世紀で19世紀には園芸植物として流行したと言われますが、わたしは16世紀にはポルトガル人によって日本から運ばれた「Japoneira」説を支持します。件のExpresso紙記者は1668年頃(カーメルが生まれる前)に建てれたリスボンのPalacio dos Marques de Fronteira(マルケス・デ・フロンテイラ宮殿)の青タイル(Azulejo)にはツバキの絵が見られると記事でも取り上げています↓(画像はWikiより)

Camelia

単なる花の展示に終わらず、学校ぐるみで自国の歴史を絡め、遠い昔に遥か極東の国から渡ってきた椿の経路を学んだ子供たちは、日本にどんな思いをいだいたであろうか。そう思う時、教育目的を含んだ今回の市庁舎での展示会は、会場が暗い、狭いの難はあったとしても初トライとして成功を収めたと思うのであります。

よし、今夏は是非、リスボンの宮殿にあるカメリアのタイル絵を見に行ってみよう!


本日もお付き合いくださり、ありがとうございます。

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コメント
こんにちは。
こんなお祭りがあったんですね!
3月に入って、雨も少なく暖かく
とっても気持ちが良いですね!!
先月までは家にこもりがちだったのですが、
これからたくさん出かけたいな。。と思います!
ブログ楽しみにしています(#^^#)
2014/03/12(Wed) 04:37 | URL | Ayaka | 【編集
Ayakaさん
こんにちは。
コメント、ありがとうございます。

やっとポルトらしくなりましたね。

この展示会は14日までしてるようですよ。ただし、カメリアを除いてです。

ポルトを満喫してください!
2014/03/12(Wed) 22:28 | URL | spacesis | 【編集
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2017/09/07(Thu) 22:28 |  |  | 【編集
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