2014年4月21日 

ポルトガルの学校は目下復活祭休暇だ。復活祭はポルトガル語でPascoa(パスコア)と言い、この休暇は日本で言う春休みに当たる。復活祭は移動性休日なので、こちらの春休みは日本のように毎年決まっておらず、その年によって3月だったり4月だったりする。
復活祭の前の聖金曜日(Sexta Feira Santaと言う)が祝日になりPascoaそのものは昨日の日曜日で、キリスト教の国では復活祭後の月曜日も休みにしているところが多い。復活祭については過去に何度も取り上げているので興味のある方は、後記案内からどうぞ。

さて、復活祭を前にしたしばらく前、気になっていたサン・ミゲル通りをもう一度歩いてきました。
3月1日の記事「14世紀の通りとサン・ミゲル通り(1)」↓の続きになります。
http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-1438.html

14世紀から15世紀にかけてはポルト最後のユダヤ人ゲットーとして、また16世紀には新キリスト教徒としてユダヤ教からキリスト教に転じた(と思われた)ユダヤ人たちはドン・ジュアン3世王の命でこの区域に押し込められたわけです。

これらポルトガル、スペインに15世紀前後に定住したユダヤ人をセファルディム(Sephardim)と言いますが、1492年に、カトリック両王(スペイン、アラゴンのフェルナンド2世とカスティーリャのイザベル女王)はユダヤ人をスペインから追放します。この時のラビが、スペイン最後のイエシーバ(タルムード=モーセが伝えたもう一つの律法を学ぶ学塾)の学長、Isac Aboab。

Isac Aboabは数百人のユダヤ人を引き連れリスボンのポルトガル王ジュアン2世と渡り合い、ポルトのこの区域での居住許可を得ます。この数ヵ月後に、イベリア半島最後のGaonことイエシーバの学長がここで生涯を終えます。
1496年には前回の記事で述べたように、ドン・マヌエル1世王の命でせっかく得た居住地もユダヤ人は国外に出るかキリスト教に改心するかの選択を迫られることになりますが、多くのユダヤ人は改心したと見せかけ、密かに自らの宗教を信仰していました。見捨てられた彼らの住居はキリスト教会や慈善教会に譲渡されました。

さて、話は現代に戻って2003年のこと。
サン・ミゲル通りの一軒を譲り受けた牧師がそこを老人ホームにしようと改築し始めたところ、室内の壁にモーゼ5書の巻物トーラを保管する聖櫃(せいひつ)が設置されたと思しき窪みが発見されました。

sinagoga

シナゴーグとはユダヤ教の集会所、会堂のことですが、ポルト大学の宗教審問の研究者、エルビラ・マエ氏は、16世紀のImmanuel Aboab(Aboabラビの曾孫)が「教会(ヴィトリア教会)から下る通り3軒目にシナゴーグがあった」と記述してある場所とピッタリだと言うので、ここが隠れユダヤ教徒のシナゴーグであったとの説を取っています。これに対してポルトガル系イスラエル人のジャーナリストInacio Stainhardt氏は「隠れユダヤ人達がシナゴーグで祈るなど、当時としてはあまりにも危険すぎて信じがたい。Aboabラビがここをシナゴーグとした可能性はあるが、恐らく1496年のユダヤ人追放時点で聖櫃はどこかへ移動されたと思われる。」と反論しています。

エルサレム神殿の聖櫃、つまり「聖なるアーク」はモーゼの十戒の石版が納められており「契約の箱」と呼ばれるもので、トーラを収納する聖櫃とは別ものです。
sinagoga
契約の箱の一般的なイメージ。インディアナ・ジョーンズまがい^^;失われた聖櫃とも呼ばれる。
下がトーラです。
 
sinagoga sinagoga
 
トーラは詠むときにトーラ聖櫃から取り出し読み終えたらケースに入れ聖櫃に仕舞いこむ。トーラを収納する聖櫃の形は調べてみると色々あるようです。トーラの聖櫃はエルサレムの方向に向いた壁に設置されます。
    
聖櫃の前にぶら下がるのはテールターミードと呼ばれるp永遠の灯火で、紙の永遠なる存在を意味する。香炉のときもある。右の聖櫃は、メーソンのシンボルと似てるように思われる。下も聖櫃のひとつ。サン・ミゲル通りのシナゴーグにあった聖櫃は壁の窪みから下のような形であったろう。

というので、さて、これがくだんの家がこれです。
sinagoga
手前の9番地。現在は老人ホームになっています。訪れた週は復活祭の前でそれを祝う小さな垂れ幕があちこちで見られました。

ついでに42番地。入り口には「っこに商人バルボーザが住んだ」と彫ってあります。
sinagoga

本日は久しぶりにポルトの歴史に関する穴場を取り上げてみました。

イースターに関する記事は下記にあります。

①復活祭 
http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-741.html

②イースター・なぜ卵?うさぎ?
http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-54.html

③復活祭・キリスト教との関わり 
http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-56.html

④ポルトガルのイースター 
http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-58.html

では、みなさま、次回はサン・ミゲル通りに隣接するヴィトリア通りをご案内します。普段は人があまり歩かない路地ですがわたしの取って置きの場所でもあります^^ お楽しみに!
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