2014年6月17日 

車の音なく、周囲から聞こえてくる音と言えば一日中鳴く鳥の声だ。
都会の喧騒を離れたこの環境こそ物作りに専心するにはもってこいであろう。肩の痛みに耐えながら黙々と木に語るかのように彫り込んでいる木彫家、堺美地子の姿が想像できる。

もう30年近くも彫刻刀を握ってないよ、とビビるわたしに、「Sodeさん、70過ぎたらまた始めようなんて言ってないで今から一緒にホリホリ(彫り彫り)しよう」と、3日間の滞在中の一日は工房の一室で友の指導を受けた。

かつらぎ山房
手前がわたしが作業していた木彫り台。先生が我が彫りの手直しをしております。彼女が木を彫る音はサクサク、サクサクと耳によく、わたしが彫る音はガリガリ、ガリガリ。トホホホ。そうして出来上がったのが下の作品だ。

木彫り
表                       
木彫り


厚かましくいっちょまえにサインまで入れてる(笑 )実を言えば、花の周りのポチポチ彫りは、別の図案を描き始めたものの、幾何学模様が細かくて寸法がうまく合わず、それを諦め上のものにしたのところ、その部分にしっかりとコンパスを立てた跡が残ってしまったのである。それでやにわにポチポチを彫り込んで誤魔化したというわけである。かれこれ37、8年前の大阪時代に、こうして友と二人しておしゃべりしながら「彫り彫り」したものだ。友は根来塗りを作品に施すのだが、今回はとても時間が足りず、そのまま持って帰ってきた。

彫刻刀、塗り用の材料、切り抜いた板などを持ち込んで、ポルトガルで独り黙々と彫った時期があった。木彫りも編み物もそうだったが、この町に日本人がいなかった当時、その作業時間はわたしにとって自分の時間を彫り込み、編みこむ思考時間でもあった。

息子が生まれて歩き始めた頃に、刃物を使うというので万が一の事故を考えて一旦木彫りは止めた。90年代に再び彫り始めたが、子供達の日本語教育、補習校の仕事で忙しくなり、彫刻材料もホコリをかぶったまま現在にいたっている。

木彫りは生半可の時間ではできないのである。そのためには何とか今の自分の生活時間を改善する必要があるなと、目下思案中ではある。

和歌山を後にするという日の朝、着物を着る時間はないけれどと断りながら、友はわたしにお茶のお点前を披露してくれた。
ocha-3.jpg かつらぎ山房
炭火をおこし、抹茶をこす作業から。みちべぇは表千家の先生でもあり、かつらぎ山房では月に2度、茶道教室も開かれる。
正座ができないわたしには正座イスを用意してくれた。

かつらぎ山房
「なんでそうするの?どんな意味があるの?」と各動作に逐一うるさく質問するわたしに、「なんでが始まった始まった」と笑いながら丁寧に答える。
かつらぎ山房

別れ際の一服のお茶は、本当に嬉しかった。
かつらぎ山房

性格も、それぞれが歩む道も大いに違うが、何年会わずともずっと昔のままの気持ちで話しあえる、みちべぇ、あなたは人生の真の友です。 また会う日まで。ごきげんよう。

下記では稚拙ながらも、過去の我が作品を披露しています。
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