2014年9月25日 

わたしにとって中世時代の建築物を見る楽しみのひとつは、「こんなものがどうして?」と思われる彫り物や絵を発見することです。これらは造り手である建築家や依頼主の思想を表すシンボルであり、建築物は彼らの哲学を書いた一冊の本であると信じるからです。

ローマ・カトリックから異端と断じられたテンプル騎士団による建築物には、キリスト教がらみの多くの宗教画を目にしますが、よく探してみると気づかぬ箇所にたくさんの異端のシンボルが散りばめられています。

キリスト教を禁じたという歴史があるものの、日本人は宗教に非常に寛大だとわたしは思っています。なにしろ、一つ屋根の下に神棚と仏壇があるのが当然であった国です。それに比べ、ヨーロッパはキリスト教一色に染められ、政治的道徳的にもキリスト教信者にあらずば人にあらずと、異端審問所が設けらるなど異端者に対する迫害は残酷なものでした。

素晴らしい哲学者、思想家や芸術家たちが盲滅法に時のキリスト教を受け入れることはなかったとは、わたしの推測するところです。ダヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエルなどの著名な芸術家たちがキリスト教徒を隠れ蓑にし、バチカンに気づかれないように知恵を絞って彼らの思想を作品に織り込んだことは、現代のわたしたちが知るところです。これは一国の王にも言えるのではないか。今も昔も、どんな宗教も主義も私たちの考える自由を抑えることはできないということです。そんなことを思いながら今回ジェロニモス修道院内のサンタマリア教会に、とある探し物の目的があって入りました。

ジェロニモス修道院

かつてポルトガルのお城、教会の写真集の中で、「バターリャ修道院内にあるトウモロシ。当時トウモロコシはまだーロッパに伝わっていないのになぜ?」とのキャプションを見て大いに気に入り、是非これを探してみようと思っていたのでした。

それはバターリャ修道院の屋根のない、「未完の礼拝堂」で見つけています↓

Batalha

今になると、このキャプションの「当時トウモロコシはまだヨーロッパに伝わっていないのになぜ?」部分にはいささか反論するのです。トウモロコシがヨーロッパにもたされたのは、1492年、コロンブスに寄ってです。バターリャ修道院の建築が始まったのが1386年。それで行くと、たしかにその頃はまだ大航海時代は始まっていないわけです。

しかし、バターリャ修道院が完成を見たのは1517年、120年も後です。更に、「未完の礼拝堂」は名の通り建築が終えられなかった、つまりここが最後に取り掛かった建築部分と言えます。ですから、礼拝堂の建築に及んでいたころは既にトウモロコシはヨーロッパに持ち込まれていたとなります。礼拝堂が未完になったのには諸説がありますが、そのひとつはジェロニモス修道院建築に取り掛かるため、建築家の総動員が行われたというものです。

さて、このバターリャのトウモロコシよりももっと面白い彫り物がジェロニモス修道院にあるという話を目にしたのは随分前のことです。それが、「トウモロコシを掴んだ手」です。ジェロニモス修道院の2度目の訪問は、補習校の子供達の引率で行きましたから、子供達から目を離すことができません。自分の趣味のシンボルを探すなどとんでもない。そうこうしているうちに何年も経ってしまい今年の夏になったのでした。

見つけましたんですよ^^ 下記の画像です。

ジェロニモス修道院

内部は暗かったので画像があまりよくありませんが、トウモロコシをしっかり掴んだ手です。

トウモロコシは紀元前5000年頃にはアメリカ大陸で主要農産物になっており、マヤ、アステカ、インカでも広く栽培されていたと言われます。アメリカ大陸のインディオの間では創造主からの賜物だと信じられていますが、トウモロコシの起源は不明。

トウモロコシは富と子孫繁栄のシンボルです。このトウモロコシをしかと握った手と言うのは果たして「幸運王」の別称を冠し、ポルトガル大航海時代の富を一手にして、マヌエル建築様式まで創り出し、テンプル騎士団修道院、ジェロニモス修道院などの素晴らしい建築を後世に残した「ドン・・マヌエル1世」の手なのでしょうか。

う~ん、シンボルは面白い!え?教会のどこにあるかって?それを探してみるのも面白いと思いますよん。ヒントのみ。教会内のどこかにありまっす!

バターリャ修道院の記事は下記に。

バターリャ修道院(1)http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-1026.html
バターリャ修道院(2)
バターリャ修道院のシンボル

本日も読んでいただきありがとうございます。
では、また!
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