2014年11月8日

「キンタ・デ・アヴェレーダの」の続きはもうしばらくお待ちください。ただ今、写真の整理をしています。
今日はわが大阪での青春時代、「あの頃、ビアハウス」のエッセイを。
 
アサヒの常連多しと言えども、続けて2曲歌わせてもらえるのはこの方だけです。しかも、最後の第3ステージ、ゲストシンガーの「トリ」です。

♪あきらめましょうと 別れてみたが
  なんで忘りょう 忘らりょか
  命をかけた恋じゃもの~

沢田先生は歯医者さんでした。仕事を終えた後、毎晩毎晩アサヒビアハウスにおいででした。
ビールは一杯かニ杯です。身長154cmのわたしよりお小さかったです。
ハウスの入り口近くのテーブルにいつもひとり静かに座って、ビールをすすっていらっしゃる(笑)
あまりおしゃべりしない方でしたが、こと歌となると、「あんたな、ちょっとここへ来て座りなはれ。」と呼ばれ、「あんな(あのな)、」と、わたしは時々こっぴどく意見されました。

korokke.jpg
ステージで歌う沢田先生

常連さんの出番では我が先輩歌姫、宝嬢が「○○さん、お願いします」と名を呼んで指定するのですが、その必要がないのです。アコーディオンのヨシさんの弾くイントロが鳴ると、まるで全てが最初から打ち合わせてあるかのように、座っていた席を立ち上がり急がず慌てずゆっくりとステージに向かってホールを歩んで行きます。そして、常にイントロが終わりタイミングよく歌が始まらんところでステージにあがり、

「あーきぃいらぁめぇまぁしょおと~(あきらめましょうと)」が始まります。

常にタイミングよく、というのは、長年の経験で常連歌い手と息を合わせることにかけては、抜群の腕を持っているアコのヨシさんの人知れぬ配慮なのです。
沢田先生はこの歌では一番しか歌いません。すぐ「コロッケの唄」が続けられるのです。

♪ 嫁をもらって うれしかったら
  いつも出てくるおかずは コロッケコロッケ
 今日もコロッケ 明日もコロッケ~~
 
「明日もコロッケ~」の後に実はここで文字では表現不可能な愉快な笑いが入るのですが、沢田先生、ここが実にうまい!もうここで、お客さんから大拍手を受けます。

沢田先生の歌い方は堂にいったもので、もしかしたら若いとき歌手の道を目指したことがあるのかな?とわたしは何度か思ったものです。それならば、「あんたな、ちょっとここへ来て座りなはれ。プロを目指すならステージではこんな風にやな」と、ご意見いただいたのはうなづけるというものです。

ビアハウスで歌うのがただ楽しくて、それをバイトに出来、しかもアメリカ行きの自分の夢をかなえるための稼ぎになる、それで十分だったわたしです。自分の歌は自分が一番よく分かっているのです。プロ歌手になろうなどと毛ほどの思いもなかったのですから、先生にしてみたら暖簾に腕押しだったことでしょう。

わたしがポルトガルにいる間にアサヒビアハウスは改装され、その後一度もお名前は耳に入ってきませんでした。改装後のビアハウスは旧アサヒビアハウスの常連の歌が聞けるという慣習もなくなったと聞きます。あの頃ですでにお歳でしたから、あるいは今頃、あちらの世で自慢の喉を披露し、あちらの皆様をうならしているかも知れないな^^

今日もコロッケ、明日もコロッケ。この唄を思い出すにつけ、日本のコロッケがいかに繊細に、美味しくできているかを、わたしは異国に住んでつくづく思ったものです。

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