2015年4月29日

ツーソンはTucsonと書き、インディアンの言葉で「暗い山の麓」と言う意味だ。
一年の360日が晴天の日の、砂漠にあるオアシスのような学生の町である。

4、5月から10月までは夏の季節になり、平均気温は37度。
初めてツーソンを訪れる者は、必ず「夏は路上のアスファルトの上で目玉焼きができる」とのジョークを聞かされるのである。

太平洋を越え、ロス・アンジェルス経由でローカル便に乗り換えて、ツーソンに降り立ったのは、1978年1月。1月でも気温が時には20度くらいまで上昇することもあり、ツーソンに降り立つ異国人は、見知らぬ土地にいて、寒さから襲われる孤独からは少なくとも救われるのだ。

空港を出るとアリゾナ大学の寮生の世話役である、男子学生たちが数人、その日東京から到着した日本人留学生を出迎えに来ていた。その日は何人くらいの留学生がツーソンに到着したであろうか、わたしの記憶にはない。

「男子寮!」「女子寮!」という呼び声が飛び交う中、迎え客の中にわたしは知っている顔をみつけた。7ヶ月ぶりで再会するイギリス人のロバート・ギアこと、ロブである。

バーミンガム出身のロブは、イギリスの大学を卒業後、お役所に2年ほど勤めた後、単独で世界一周を試みていた、今でいうバッグパッカーである。イギリス本国からフランス、ドイツ、イタリア等のヨーロッパ諸国を経て、トルコ、インド、ネパール、タイ、香港から日本へ渡ったという。

行く先々で英会話学校で英語を教えながら、そこに数ヶ月滞在し、旅費ができたところで再び移動する、という無銭旅行をしていたのである。当時は、今のように誰でも手軽気軽に外国旅行が出来るような時代ではなかった。若者といえば、普通は例外なくお金がなくて、それでも未知との遭遇に冒険心を駆られ、それを振り払うことができない者たちは、「無銭旅行」という手立てに出たのだ。

ロブもそのひとりで、ボロボロの旅行日記帳を肌身離さず、わたしがアリゾナ大学の学生ヴィザを手にするより先に、日本からアメリカへと渡り、「世界一周」実施中であった。

次のエピソードに続きます。

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