2015年8月26日 

ポルトガル北部を周って来た今夏の休暇旅行は既に述べたとおりですが、前回紹介したバルセロスから、昼食がてら、ポンテ・デ・リマ(Ponte de Lima)に立ち寄りました。
 
ponte_de_lima

人口44000人ほどの小さな町ですが、12世紀初期に町として作られた、ポルトガルでも最も古い町のひとつです。古代ローマ時代、この町はローマ人兵がブラガからサン・チアゴ・デ・コンポステラへ向かう通り道になり駐留地でした。町の名から分かるようにリマ川に長い古代ローマ橋がかかっています。古代ローマ人がこの橋を渡って行進して行った事を想像すると、小さな町が一挙に壮大な歴史の1シーンを担う重要性を帯びてくるような気がします。

ponte_de_lima
後姿で失礼(笑)

さて、昼食は夫の知人が勧めてくれたタベルナ「Vaca das Cordas(ヴァカ・ダス・コルダス)」を探して。タベルナについてはPt.2でご案内します。

Vacaは雌牛、Cordasは縄のことです。タベルナの名前になっていますが、Vaca das Cordasは毎年春にこの町で開催される「牛に追われる祭り」なのです。

ponte_de_lima

「牛祭り」と呼ぶ人もいますが、わたしはむしろ「牛に追われる祭り」と言いたいところです。群集の中に雌牛が放たれ、けしかけるのですね。時には怪我人や死人が出ることもあります。

因みに私的な意見として、わたしはこの手の動物を使った行事には国技と言えども同意しません。闘牛も動物愛護団体の強い批判を受けスペインのカタルーニア地方では禁止されるようになり、スペイン国内でも大分なりを潜めてきましたが、まだ闘牛は行われています。

ポルトガルの闘牛はスペインと少し違い、牛を殺さないと言われますが、それでもゲームとして牛をけしかけ、血を流さすことに違いはありません。わたし自身は見たこともありませんし見たいとも思わず。見世物で生き物の命を公共の場にて奪うことには、どうしても反感を覚え、むしろこの手の催し物禁止の署名運動に参加する方です。

今回はこの祭の成り立ちを調べてみました。
Vaca das Cordasの伝統は17世紀に始まったと言われます。17世紀といえば、ポルトガルは国王に世継ぎなく、スペイン国王とその国王に嫁いだポルトガル王后との間に生まれた王子がフェリペ1世ポルトガル王とし即位し、以後フィリペ王朝として20年間「同君連合」の時代が続きます。

スペイン王がポルトガル王を兼任するということです。ポルトガルは不覚にもスペイン王の半島統一の野望に好機を与えてしまったということになります。17世紀半ばにドン・ジュアン4世を国王に立てポルトガルは再独立し、ブラガンサ王朝が始まるという時代です。

起源はこの地方に伝わる伝説にあります。現在もリマ川の側に残るIgreja Matriz(Mother church)ですが、この教会はその昔、女神が雌牛の形として崇められた異端教の寺院でした。その寺院がキリスト教会に変えられた際、寺院内にあった雌牛の像が祭壇から取り出され、縄がかけられて寺院の周りを3度引きずり回された後、人々が町の通りを引きずりまわしておもしろがったとのこと。

ponte_de_lima

こういう話を聞くと、その前までは神として奉っていたものであろうに、異教だからとてそこまでせんでもええがな、今も昔も人間は残酷なものだなとわたしなどは思います。これは一神教の怖い面です。

ところで、恥ずかしいことに、雌牛は角がないものだとばかり本日今まで勘違いしておりましが、今回調べて初めて、牡牛雌牛に関わりなくほとんどの品種には角があるということを知りました。角がないのは、除角(角をとりさる)するからなのだそうです^^; みなさま、ご存知でしたか?

さて、雌牛が女神として崇められていたという点でわたしに思い浮かぶのはこれです。

ponte_de_lima
  
これは、わたしが神秘主義やシンボル研究の参考にと思い入手したタロットの1枚で、「女教皇」と呼ばれるカードです。タロットカードにはマルセイユ版とウエイト版があり、「キリスト教徒でなければ人にあらず」の中世時代に、神秘主義者たちがタロットカードを通じてその教義を密かに学んだとされます。

タロットには56枚のカードをセットとする小アルカナ(アルカナ=秘密、神秘の意味)と22枚セットの大アルカナがありますが、一般的には大アルカナが知られています。一枚一枚の意味深なカードには興味があるものの、私自身は占いは不気味でしませんぞ^^

カードのシンボルを簡単に説明すると、左右にある柱のうち左Bとあるのは「Boaz(闇)」、右Jは「Jakin(光)」を意味するエルサレム神殿にあった柱から来ます。女教皇が手にするのは「モーゼ5書のトーラ」です。女教皇は足元に上弦の月(乙女を意味する)を踏んでおり、後ろには豊穣のを意味するザクロが見えます。

頭上にはトリプルゴッデスと呼ばれる三相女神の印である、上弦の月、満月、下弦の月を乗せています。これは、死、再生を永遠に繰り返す循環を意味します。古代エジプトの女神ハトホルと同じです。ハトホルのシンボルは雌牛です。
hatpohoru

というので、やっと「雌牛」にたどり着きました。キリスト教から見れば異教とは言え、雌牛は女神のシンボルです、遊んではなりませんぞ~~。

では、本日はこれにて。次回の旅行記は「ポンテ・デ・リマ」がもう少し続きます。

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