2017年5月21日 

金曜日は授業にキャンセルが入り、日本語から開放され昼前から街へ出かけてきました。
目的地は「Quinta das Virtudes(ヴィルトゥーデス園)」です。これについては後日紹介するのですが、その帰り道、近くを通ったもので好きな建物のひとつであるRua de São Miguel No.4(サン・ミゲル通り、4番地)の家を久しぶりに見て見ようと行ったところが、がーーーん!

どないしたん?という状態になっており・・・
↓昨日見た家

rua_saomiguel

なんだ、ただの古ぼけた廃屋ではないか、などと言うなかれ。確かに廃屋ではあるが、以前はこうだったのであります↓ 

rua-saomiguel

ポルトの街の散策はかつては午前中だったため、こんな状態の光線加減なのと狭い路地の角にあるのとで、なかなかうまく写真が撮れなかったのですが、外壁のアズレージュ(Azulejo=絵タイル)が全部取り除かれていました。

ネット検索してみると、今年の3月まではタイル絵があった写真が見られますが、5月に他の人に撮影された写真はわたしが撮ったのと同様にタイル絵なしです。これは少なからずショックでした。今日はこの家について、過去に撮影してきた写真を基に書きます。

ポルトには中世の名残を今も留める古い路地や家々が旧市街を中心にたくさんあります。サン・ミゲル通りとサン・ベント・ダ・ヴィトーリア通りが交差する角に佇むこの小さな廃屋もそのひとつ。

「サン・ミゲル通り4番地の家・Casa No4 da Rua de São Miguel」 または「サン・ミゲル通りの建物」と呼ばれます。この建物をわたしが偶然見つけてかれこれ14年程になります。ちょうど我がモイケル娘が日本の大学を目指して旅立ち、寂しさにかまけておってはいかん、なんとか子離れしなくてはと自分を叱咤激励しながら、これまで子育てが忙しくて見向きもしてこなかったポルトの街をツーリストよろしくデジカメ持って散策探検をし始めた頃です。

この家の前がヴィトーリア教会で、その教会を目指していたのでした。写真では家の前にポルト市が設置するガイド板が見えますが、わたしが見つけた頃はなかったと記憶しています。無人の家にこんな素晴らしいアズレージュ(青タイル絵)が貼り付けられているのにいたく感心したのでした。

長い間、この家に関する情報が得られなかったのですが、ネットでこの家が取り上げられるようになった昨今、ポルトガルのネット情報もかなりよくなってきたと言うわけです。取り立てて建物に大きな特徴があるわけではないのに、地階上階の正面のアズレージュが気になっていました。

rua-saomiguel
聖母マリアのシーンを描いている。

rua-saomiguel
当時の人々の日常生活が描かれている。下にちょっと拡大してみました↓

n4_saomiguel6.jpg

サン・ミゲル通りと交差するサン・ベント・ダ・ヴィトーリア通りには、その名がつけられた由来の「サン・ベント・ダ・ヴィトーリア修道院(ベネディクト会)」がありました。現在も荘厳な修道院の建物は外装はかつてのまま残っていますが、内部は改築され劇場、コンサートやイヴェント会場として使用されています。

くだんの家のアズレージュはその修道院に貼られていたのが持ち出されたものの一部だと言われています。盗まれたのか?う~ん、難しいところではありますね。ただ、盗んでこんな修道院の目と鼻の先に貼り付けるわけはござんせん。歴史的な事情があったのですね。

ポルトのサン・ベント・ダ・ヴィトーリア修道院は16世紀から18世紀の始めにかけて建築されました。しかし、1807年から1814年にかけて3度のナポレオン軍の侵攻(イベリア戦争)があり、その間、この修道院はポルトガル軍の病院として使用されました。

その時、修道院は破壊の憂き目をみたことでしょう。また、ナポレオン侵攻後、1832、33年はポルトガル内乱が起こりました。その際、ターゲットとなった修道院の略奪からアズレージュ破壊を避けるために、院内からはがされたと考えられていますが、では、いったい、それがどうしてこの家に?となるわけです。

その先のことは調べてもさっぱり出てまいりませんので、spacesis得意の勝手推測を(笑)

この家の持ち主は信心深い人だったか、もしかしたら、子供がこの修道院で神学を学んでいたかもしれない。あるいは、修道士だったやも知れぬ。アズレージュを破壊から救うためにいったんは引き剥がして預かったものの、その後の修道院の歴史はそれらのタイルを元に戻せるような平和な状態には最後までならなかった。預かり主はずっと持っていたものの、そのままタイル絵を朽ちさせてはならぬと、人々に見てもらうためにもこの家の表面に飾ることにした。

もうひとつは、この家は元々サン・ベント・ダ・ヴィトーリア修道院の一部であり、保管者によって外壁に装飾された。

とまぁ、これがわたしの推測であります。

それにしても、「工事中」だとかの説明が一言書かれてあってもいいと思うのですが。

早速、この家のアズレージュの行方をネットで探ってみたのですが、残念ながらニュースではひっかかってきません。もしかしたら、元あった修道院に戻されるのか、大いに興味あるところです。いずれ何かが分かったら、また取り上げたいと思います。

下のランキングをひとつクリックして応援をお願いできますか?

にほんブログ村 海外生活ブログ ポルトガル情報へ blogram投票ボタン
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
Click for Porto, Portugal Forecast 
ポルトガル ポルトの口コミ
ポルトガル ポルトの口コミ にほんブログ村 外国語ブログ マルチリンガルへ
にほんブログ村