2017年7月11日 

昨夜も真夜中過ぎ、寝室にあるベランダのガラス戸のブラインダーを下ろしているに拘わらず、差し込む青い光のあまりの明るさに目が覚めました。なんでこんなに明るいのかと起き出して、夫を起こさないようにと娘の部屋へ行きベランダへ出てみると、んまぁ~、我が家のまん前の空にまん丸お月さんの美しいこと!

これが冬時間であれば、寝しなに月を眺めることも度々なのですが、夏時間は向かいのフラットの後ろから月が昇ってくる時間がグンと遅くなるので、忘れがちです。

ゴンタ

煌々たるこの月光が寝室に差し込んで目が覚めたのでした。ふと向かいのフラットの横にある小さな公園に目をやると、黒猫が一匹、臆することなく地面でゴロリンゴロリンと寝返りを繰り返し、人っ子一人いない公園の時間を楽しんでいるのであります。

もう一枚満月の写真を撮って、自由を満喫している黒猫にシャッターを切ろう、どれ、と公園にカメラを向けたら黒猫の姿かたちは最早あらず。一瞬の間に消えていました。今朝の午前2時ころの、何だか嬉しく思われた小さな出来事でありました。

我が家にはこの春まで5匹の猫がおりました。最年長は、今のフラットに引っ越してくる前の、庭がある借家にいた時に、フイとやって来てうちに住み付いたゴンタです。恐らく隣人が飼っていて碌にエサもあげず外へ出しっぱなしの猫ではなかったかと思います。

他の4匹はあまり抱かれるのを好みませんが、きっと子猫の時から子どもにでも抱かれていたのでしょう、ゴンタは抱かれ慣れており、少しも嫌がりませんでした。夜は家で寝ましたが、この一帯は彼の勝手知ったる縄張りでもありましたから、よく出歩いていました。

ゴンタ

わたしも家族だニャン、入れて。

近所のジョアキンおじさんの畑は今でこそ高い石壁で仕切られていますが、そのころは春には菜の花畑、夏にはトウモロコシ畑、それ以外は草茫々でしたが、ある日、夜になってもゴンタがなかなか帰って来ず、探しに行ったところが、その畑で他の大勢のネコたちに混じってなにやら猫の会合の中にいるようなのを見つけたことがあるのでした。

外界を知っているのはこのゴンタだけで、フラットに引越しして以来、それを今更ずっと屋内で暮らせとは言えず。また、フラットは二階ですから出入りができません。そこで週末の土日の午前中だけフラットの表ドアから出してやることにしました。

犬もそうですが猫も外出できる日にちをちゃんと学ぶのですね。週末には夫が向かいのカフェへ新聞を読みに行きますが、ゴンタは決まってフラットの我が家のドアの前に座って、出してもらうのを待っていたものです。

ゴンタ
時々こんないたずらも。

毎回1時間ほどすると必ず、地階の車庫がある石壁の上から「帰って来たよ。下まで迎えに来て家に上げてニャ」と鳴きました。声を聞く度に、すわ!とわたしはフラットの鍵を手に階段を下りて迎えに行ったものです。

ゴンタ
野良だったゴローをいち早く受け入れたのはゴンタでした。

他の猫を決していじめませんでしたし、猫同士がにらみ合い取っ組み合いが始まろうものなら、即、飛んでいって仲裁に入り、長老の貫禄があり、たいした猫でありました。

6年ほど前から白内障が進み、わたしたちが気がついたときには歳が歳ゆえ眼の摘出は避けたほうがいいと、かかりつけの獣医に言われ、以後、他の4匹猫に万が一にも目に悪さをされては気の毒だと言うので、ゴンちゃんだけわたしたちのベッドの上で寝てもいいことにしました。

んで、朝、目覚めると決まってわたしの頭は枕から落ちており、枕の上ではごんちゃんが心地よく寝ているのでありました。

少しは見えていそうな目もここ3年ほどは光を感じるくらいなのか、家の中を壁に添って歩いていました。この頃から、常にわたしの後をついて歩き、側を離れないようになりました。

gontapc-2015-june.jpg
わたしがpcに向かうときもこの通り、くっついて。

ゴンタ

今年に入って、食べなくなったもので、点滴をしてもらいにかかりつけの獣医院に二日ほど入院したのですが、それでも大して食は進まず、あの手この手で食べさせようとするわたしに、義理立てでもするかのように、ほんの少し舐めるだけでした。

こうしてほとんど静かに休んでいる時間が長くなりましたが、粗相はたった一度だけ毛布の中に。してしまったのを恥じるかのようなその様子に、わたしはいたく感心したものです。

ゴンタ

ほとんど寝てばかりのゴンちゃん

ゴンタ

旅立つ一週間ほどは食を絶ち水を絶ち、3月の始め頃の早朝、深い息をしたのが最後でした。
推定年齢17、8歳、人間で言えば90歳近くでしょうか。

ゴンタ

目が見えなくなり外出ができなくなってからは、ベランダに出て、写真の渡し板に座っては、しばし外を眺め、鼻をヒクヒクさせて自由の匂いを嗅いでいたものです。今は同じ場所に時折、一番若いゴローが座って外を眺めています。

わたしたちにほとんど手をかけず、猫と言えどもあっぱれなゴンタの一生でした。

真夜中の無人の公園で、寝返りをしながら自由を楽しんでいた黒猫を目にし、春に亡くした愛猫のことを書いてみました。

本日はお付き合いいただきありがとうございます。


にほんブログ村 海外生活ブログ ポルトガル情報へ blogram投票ボタン
コメント
人間界、猫界をまさに猫らしく生きたように感じます。何といっても長年人からの愛情をちゃんとわかって生きてくれたことが嬉しいですよね。
うちのタヌさんも先に行っていることですし、探して友達になってほしいものです。

時に明るい月の光に乗ってゴロリンゴロリン姿を見せるかもしれないですね。
2017/07/12(Wed) 23:38 | URL | マー | 【編集
マーさん
そうして想像するのは供養にもなるような気がしますね。

月光に乗ってゴロリンゴロリンv-290

マーさん、ありがとうございます。
ずっと思っていたものの、なかなか書けませんでした。
2017/07/13(Thu) 06:39 | URL | spacesis | 【編集
ゴンタの一生は幸せでしたね。
随分長生きをして満足だったと思います。

私は犬しか飼ったことがありませんが、猫は違った感じで良いですね。
2017/07/13(Thu) 18:52 | URL | TOMOEDA Keiko | 【編集
TOMOEDA Keikoさん
人もあんな風に、なんて思いました。

犬も好きで飼ったことがあります。
よろしかったら、こちらで書いていますのでどうぞ^^

我が心のクラウディウ
http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-1822.html

「わが友クラウディウ」
http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-1823.html

ポルトガルの犬」
http://spacesis.blog52.fc2.com/blog-entry-1821.html

わたしは、犬も猫もいわゆる、猫っかわいがりはしないタイプですが、いなくなるのは寂しいものですね。

今でもときどき写真を見かけると、キューッと抱きしめたくなります。それをたまにさせてくれたのは、ゴンタだけでしたから。

コメントを今日もありがとうございます。
2017/07/14(Fri) 16:25 | URL | spacesis | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
Click for Porto, Portugal Forecast 
ポルトガル ポルトの口コミ
ポルトガル ポルトの口コミ にほんブログ村 外国語ブログ マルチリンガルへ
にほんブログ村