FC2ブログ
2017年7月18日 

人がする断捨離といふものを わたしもしてみんとてするなり。(紀貫之・土佐日記から拝借したなり)

三字から「思い切って物を捨てることだろう」と想像していたが、検索してみると「断捨離とは、断行、捨行、離行というヨガの行法であり、人生や日常生活に不必要なものを断ち、捨てることで物への執着から開放され、人生に調和をもたらそうとする生き方」を言うのだそうだ。なるほど、単なる整理整頓とは一線を引くということである。

しかし、凡人のわたしにとって、「人生に調和をもたらす」云々は取りあえず置いておき、「思い切って捨てる」ことから入ろうと、暇をみては断捨離なるものをし始めて1年ほどになる。

つい先だってのことだ。これはなんぞな?とベッドの下から引っ張り出したのがすっかり埃を被ったこの箱である。

kibori7.jpg

きちんと箱に入れるのが面倒だったのだろう、雑に入れ込まれて姿を現したのは、仕掛けたままのだったり、手もつけていないのだったりの自分の木彫りの作品だった。息子がヨチヨチ歩き始めた時に、刃物を使うゆえ万が一息子に事故でも起こったらと思い、木彫りに精出すのは何年も止めたのであった。

そうこうしているうちに娘が生まれ、万が一の事故も去ることながら彫刻刃を手にする時間がなくなり、幾つかの完成した作品は家の壁に掛けてあるものの、その存在を忘れかけていたのだ。

うひゃ~と思い埃を払って箱の中から取り出してみる。

kibori6.jpg
うわわわわ。ジョンボーイにと、彼が眠っている間を縫って作ったクマちゃんのタオル掛けと素彫りの額だ。1982年と年号が彫ってある。

kibori2-1.jpg
これなどは酷いものだ。同じ模様の靴べらの2本目なのだが、塗りをした後に真ん中の部分が気に入らず、もう一度彫ろうと思ったものの、削っているうちにドンドン薄くなり、「これは危うくなる!」と実は投げ出したままのものだ。一本目は仕上がって壁にかけてある。

下、二枚の額は1983年に仕上げ、右上は塗りなし、細い皮ひもの手足がつく予定のぶら下げモービルなのだが、未完のまま32年眠っていたことになる(笑)
kibori5-1.jpg

こちらの額も塗りが施されておらず。右の手鏡は手もつけられていない。
kibori4-1.jpg

手鏡の一本目は完成させてある。それをわたしは40年以上も手元に置いて使ってきたのだが、この春先、なんの拍子でか手から滑り落ち、床に落として写真のように一巻の終わり。ただ、嵌められていた鏡は分厚かったためか幸運にも割れなかったのである。鏡が割れると縁起が悪いと言うものね。

kibori8-1.jpg

当初は多少のショックを受けてブログにあげる気にならず今日にいたった。これは断捨離とは行くまいて。ひとつひとつを箱の中から取り出して、しばし時間を過ごし、もう一度初心に戻り彫り始めようか、彫る時の穏やかな時間が持てる自分のために、そして、これらを受け取る我が子たちのために。

そんなことを考え、長年置き去りにしてきた懐かしい彫刻刃を引っ張りだした。
kibori9.jpg

古い刃はこのままでは使い物にならないだろうが、数年前の帰国時に親友に頼んで買い置きしてもらい、持って来た数本がある。まだ未使用なので恐らく使えるであろう。

と思っていたところに、期せずして和歌山にアトリエを構える我が親友、木彫家の堺美地子が今月7日に出展作品で「堺市長賞」を受賞したとの知らせが入った。

michiko1-1.jpg

この作品をわたしは4月の帰国時に堺の彼女の自宅で見せてもらったのである。

会うたびに「ちょっと一緒に彫り彫りしようよ」と、長年彫刻刃を手にしておらずしぶるわたしに短時間で小作品の手ほどき、手直しをしてくれるのだが、もったいないことだ。彫りも塗りもますます磨きがかかる彼女の更なる活躍を望んで止まない。

アレルギー体質なので彼女がする根来塗りはどうにも手出しはできないが、趣味として再び木彫りに取り組むのはいいかもしれない。断捨離できるものはないかと引っ張り出したもののなかには、こういう物もあるので、なかなか進まない我が断捨離ではある。

いや、断捨離ところか、これだとまた物が増えそうで、多少混乱気味のわたしである。


下記、過去の断捨離記事があります。興味あらばどぞ。

ミニマリストは無理だけど」 

断捨離もいいけれど

関連記事
にほんブログ村 海外生活ブログ ポルトガル情報へ にほんブログ村 シニア日記ブログへ
にほんブログ村
コメント
こんにちは。
断捨離、日本で流行ってますね。
家が広いと「勿体無い!」が先立って、なかなか捨てることができません。
一人暮らしの母がいる実家なんか物で溢れています。

私も 来年あたり引越しを考えているので、少しずつ整理して捨てていこうと思っているところです。

断捨離、頑張って下さい。
2017/07/19(Wed) 00:32 | URL | TOMOEDA Keiko | 【編集
TOMOEDA Keikoさん
コメント、ありがとうございます。

日本の住居が和洋折衷なので、尚更物が多いのではないかとも思います。

和食器に洋食器などがそうです。ポルトの我が家も日本から持って来た和食器も結構ありますので、結局食器などは通中の2倍持つことになります。

可愛い小さな置物などもそう(笑)
思い切って!と、思うのですが、これが日本からの物となると、ついつい。

でも、衣類、いただいた飾り物など、処分しています。

今年の夏休みはもう少し断捨離できるはずですv-290
2017/07/19(Wed) 03:26 | URL | spacesis | 【編集
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
Click for Porto, Portugal Forecast 
ポルトガル ポルトの口コミ
ポルトガル ポルトの口コミ