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2017年10月2日 

ピエタ(Pietà)とは、十字架から下ろされたキリストの亡骸を膝に抱く聖母マリア像の彫刻や絵のことを言います。

ミケランジェロの彫刻のなかでもダビデ象同様つとに有名なので、宗教に興味のない人も一度は本などでみたことがあるのではないでしょうか。

わたし自身は信者ではありませんが、旧約聖書や神秘主義思想には歴史的な面で、多少興味を寄せて独学してきました。このピエタ像を始め、システィナ礼拝堂の天井画など、これらの作品がバチカンの権力に生涯目一杯反抗したと思われるミケランジェロが制作したという点で、一度はこの目で見てみたいと願ってきました。

今日はミケランジェロの名声を確立したとされるサン・ペドロ大聖堂内のピエタ像についてです。

Pieta

写真が曇っているように見えるのは防弾ガラスで保護されているからです。1972年に精神に異常をきたした男が鉄槌でマリア像に襲い掛かり叩き壊すという事件が起こり、修復作業後、現在のように防弾ガラスで保護されるようになりました。

さて、これはわたしが楽しみながら読んだ本の受け売りですが、ミケランジェロは友人のラグロラ枢機卿からピエタのテーマで作品以来を受けます。1年以上も心血を注ぎ精魂をこめて制作に漕ぎつけた素晴らしいピエタ像でしたが、当時はどんな芸術家も作品に作家の署名は許されませんでした。

ピエタ像のお披露目の日、サン・ピエトロ大聖堂の柱の陰に隠れて群衆や評論家たしの称賛の声を耳にしますが、そのうちこの素晴らしい作品はフィレンツェ以外からやってきた者の作品に違いないという声も聞きます。

ミケランジェロは、当時既に衰退していたフィレンツェのメディチ家ロレンツォの保護の下、その邸宅で一流の教師、哲学者、画家、科学者たちに彼の神秘主義思想を形づくった教育を受けてきたのです。この声を聞いてカットなり、その夜大聖堂に侵入し、自分の傑作によじのぼり、マリアの胸にかかる飾り帯の上に「ミケランジェロ・ブオナローティ、これを制作す」と大急ぎで刻み込みました。

侵入者は見つかるとすぐスイス衛兵に首をはねられるのですから、びくびくしながら慌てて銘を彫り付けたミケランジェロ、何箇所かつづりを間違ったり、脱字があって無理やり文字を突っ込んだりしたようで、本を読みながらこれには大いに笑わされました。

結局、署名が発見され、ミケランジェロは好きでもない教皇に頭をさげることになりました。88年の生涯で彼の名が記されているのはこの作品だけです。

もうひとつ、このピエタ像に秘められた秘密があります。聖母像を見たらわかるのですが、顔が若すぎます。ミケランジェロはこれについて、「無原罪の聖母は歳をとらないのだ」との説明をしたとか。しかし、これは聖母であると同時に、ミケランジェロがメディチ家で学んだ旧約聖書の「創世記」に登場する、信心深く美しいアブラハムの妻サラをも表しているとの推測があります。

となれば、世界一有名なキリスト教の重大なテーマを持つ「ピエタ像」にはユダヤ教の秘密が隠されているということになり、ミケランジェロよ、してやったり、ではあります。

ということで、本日はこれにて。
次回は同じくサン・ペドロ大聖堂の内部についてです。
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