FC2ブログ
2018年6月10日

今日も朝から雨のポルトですが、6月10日は日曜日と重なりましたが、「ポルトガルの日(Dia de Portugal)」で祭日です。正式には「Dia de Portugal, de Camões e das Comunidades Portuguesas(ポルトガルとカモインスとポルトガル人の日)」と、長い名称です。

ルイス・デ・カモインス(Luis de Camões)はポルトガルが誇る15世紀の大詩人で、大叙事詩「Os Luíadas(ウズ・ルズィアダス)」を書きましたが、6月10日が彼の命日にあたります。拙ブログではこれまで何度も紹介してきたカモインスですが、読んでいない方のために本日もあげたいと思います。

膨大な叙事詩「Os Lusíadas」 は、ポルトガルの学校では必ず読むことになっています。Os Lusíadas」(ウズ・ルズィアダス)とは「ルズィターニアの人々」、つまりポルトガル人の古い呼称です。

9000行からなる大叙事詩はポルトガルを、そしてバスコ・ダ・ガマの偉業を讃え、大航海時代の歴史を謳いあげたものです。叙事詩集は10章に分かれていますが、日本のツーリストに人気のロカ岬の石碑に刻まれた「ここに陸尽き、海はじまる」はこの本の第3章20で謳われています。我が家に素敵な装丁の「Os Lusíadas」があるのでその箇所の写真を載せて見ます。

lusiados1_1[1]
Os Lusíadasの表紙。美しい装丁が施された限定版の本です。 

lusiados2-1[1]
各章ごとの歴史にちなんだイラストが内装もカラフル。  

lusiados3-1[1]
第3章20の扉

lusiados6[1]
20(XX) 上から3行目。

lusiados5-1[1]
「Onde a terra se acaba e o mar começa 」 「ここに陸尽き、海はじまる」とある。
 
さて、カモインスについて。

15世紀の冒険家Luis de Camoes(ルイス・デ・カモインス)カモインスの生涯は謎に包まれています。いつどこで生誕したかも不明です。そして、芸術家の多くがそうであるように、カモインスもまた、生存中はあまり名の知られた存在ではなかったようです。

当時の知識人と比較しても該博な知識を持っていたらしく、コインブラ大学で聴講したという話はありますが、その知識をいつどこで身につけたのか明らかではありません。

またカモインスは無類の冒険家であり、恋多き人でもありました。リスボンでは傷害事件で投獄の憂き目にあったり、アフリカ、東洋を廻り難破にあったりもしています。

camoes[1]

片目のカモインスですが、15世紀初期、北アフリカのセウタでムーア人と戦った際に右目を失ったと言われています。

「セウタの戦」とは、15世紀のドン・ジュアン一世の時代でポルトガルの大航海時代の扉を開くことになる戦いです。王の3人息子、ドアルト王子、ペドロ王子、そして後、トマールのテンプル騎士団修道がキリスト騎士団修道院に改名した時にその騎士団のマスターとなり、航海王子の異名をとることになる三男のエンリケ王子も参戦しました。この様子は、ポルト、サン・ベント駅構内のアズレージュ絵に見られます。

Ceuta[1]

もうひとつ、付け加えるならば、先日紹介したポルトの有名な伝統料理「Tripas(トゥリーパス)」はこの「セウタの戦」に由来します。 (これについてはここからどうぞ「ポルトの伝統料理「Tripas
            
恋と冒険とそして貧困のうちに、ポルトガル文学の偉大な遺産「Os Lusiadas」を残し、1580年6月10日、カモインスはその生涯を閉じます。毎年この日は、カモインスの命日と記して「ポルトガルの日」としています。

ロカ岬について。

cabo_roca1.jpg

六大陸の中でも、アジアとヨーロッパを合わせたユーラシア大陸は最大で、語源はEuroとAsia(EuroAsia)から来ています。ポルトガルのロカ岬はそのユーラシア大陸の最西端にあります。 ロケーションは北緯38度47分、西経9度30分、リスボン、シントラ、ナザレ、オビドスがある「エストゥラマドゥーラ・リバテージュ地方」です。

cabo_roca2.jpg

Caboは岬、Rocaは断崖を意味し、航海が盛んだった15~19世紀にはイギリス人にThe Rock of Lisbonとして知られていました。

cabo_roca3.jpg

岬は140メートルの断崖になっており、海を臨んで頂上に十字架を掲げた石造りの碑がぽつねんと突っ立っているばかり。

cabo_roca5.jpg

石碑には、「Aqui onde a terra se acaba e o mar começa(Camões)」ここに陸尽き、海はじまると、「」Ponta mais ocidental do Continente europeu(ヨーロッパ大陸の最西端)の文字がポルトガル語で刻まれています。

cabo-roca5.jpg
ここは、まさにユーラシア大陸の地の果てであります。 前方にはただただ茫洋と大西洋がひろがり、打ち寄せる波の音と吹き付ける風の音のみが、最西端の名誉を孤高として守っているかのように思われます。

cabo_roca7.jpg

40分ばかりいた間にも写真から分かるように、岬は霧に被われ太陽が白く化したかと思うと突然青空が現れ、天気の変化が目まぐるしい魔の岬とも呼べるような気がします。

最西端のロカ岬は、訪れる観光客の浪漫的な予想からは遠く、波打ち寄せ風吹きつけ、大航海時代の栄華のかけらも見えず、ただ荒涼としているだけです。それでも、石碑に刻まれたカモインスの一節に、いにしえのポルトガル人の果てしない未知への冒険心をかいまみることができるでしょうか。

追記:
ロカ岬の案内書では多少の手数料を払うと日付、名前入りで「ユーラシア大陸最西端到達証明書」を発行してもらえます。

証明書1
モイケル娘のロカ岬証明書

証明書は見事なゴチック体のポルトガル語で書かれ、青と黄色のリボンの上にシントラ市のcarimbo(カリンボ)と呼ばれる蝋(ロウ)印が押してあります。裏面にはフランス語、英語、ドイツ語、イタリア語などの訳が印刷されています。現在では日本語も入っているようです。

本日はこれにて。
にほんブログ村 海外生活ブログ ポルトガル情報へ blogram投票ボタン
コメント
コメントを投稿
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事へのトラックバック
Click for Porto, Portugal Forecast 
ポルトガル ポルトの口コミ
ポルトガル ポルトの口コミ にほんブログ村 外国語ブログ マルチリンガルへ
にほんブログ村