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2019年9月12日 

「なにごとも石の上に3年であ~る」と言い渡していたこともあってか、なくてか、大学を卒業して東京の某社に勤務すること丁度3年、お金を貯めたのでこれで大学院に行く、と突然言い出したモイケル娘であった。そうして、都内池袋のR大学院で2年、修論に取り組んでいた頃のこと。

娘から送られてきた修論の一部を目にして即、「なんじゃいな?この黒人て?江戸時代に日本に黒人がおったとは思えないぞ」と言ったら、笑われたのであった。「おっかさん、コクジンじゃなくて、クロウドと読むのじゃ」。

そう言えば、江戸時代の狂歌師をテーマに取りあげて、数ヶ月、市立図書館や大学の図書館に通い詰めで、ほとんど悲鳴をあげんばかりの娘であった。それはそうだろう。大学4年間は英語系だったのを、いきなり院で近世日本文学だと言うのだから。おまけに、テーマとして取り上げた浜辺黒人なる狂歌師についての資料はほとんどないということを、その時になって発見した娘ではあった。

18歳までポルトガルに生まれ育った彼女にしてみれば、英語、ポルトガル語、日本語のトライリンガルに、もうひとつ、「江戸時代の日本語」という外国語が加わるようなものです。

古文などは、週に1度の補習校の中学教科書で、「月日は百代の過客にして、行きかう年もまた旅人なり」と言うようなさわりの部分を目にしたくらいで、知らないと同様の状態で取り組んだのですから、その大胆、かつ無鉄砲なるところ、その母の如し(爆)

狂歌師浜辺黒人なんて、「田子の浦ゆうち出でてみれば真白にぞ」の歌人、山部赤人(やまべのあかひと)のもじりではないか(笑)

良く知られた狂歌には、わたしの高校時代に日本歴史の教科書に出てきた「白河の清きに魚のすみかねて もとの濁りの田沼こひしき」がある。

江戸時代中期、賄賂政治の田沼意次(たぬま・おきつぐ)に代わって、元陸奥白川藩主だった松平定信が敷いた「寛政の改革」、あまりにも厳しすぎて、前の田沼(田んぼや沼にかけている)賄賂政治が恋しい、という意味だ。

狂歌は和歌をパロディ化したものらしい。そこで、ちょいとネットで検索してみると、あはははは。狂歌師たちの狂名に笑ってしまった。

朱楽菅江(あけらかんこう=「あっけらかん」のもじり)、
宿屋飯盛(やどやのめしもり)、
頭光(つむりのひかる)、
元木網(もとのもくあみ)、 
多田人成(ただのひとなり)、
加保茶元成(かぼちゃのもとなり)、
南陀楼綾繁(ナンダロウアヤシゲ)
筆の綾丸(ふでのあやまる)
↑これなどはしょっちゅうキーボードでミスタイプしてブログで誤字を出すわたが使えそうだ。わたしの場合は「指の綾丸」とでもなろうか(笑)

筆の綾丸(ふでのあやまる)は、かの浮世絵師、喜多川歌麿の狂名だという。中には、芝○んこ、○の中には母音のひとつが入るのだが、これなどには唖然としてしまう。

おいおい、モイケル娘よ、こんなヘンチクリンな狂歌師たちとその作品を相手の修論、資料が少ないともがき苦しんでいたなんてホンマかいな。腹を抱えて笑うのにもがき苦しんでいたんではないか?等と勘ぐったりしているのはこのおっかさんで、当たり前だが修論はいたってまじめに仕上げられている。この研究が生活にはすぐ役立たないが、そういう学業を教養と言うのかもしれない。高くついた教養ではあるが(^^;)

夫は娘がその専門を活かした職業に就かなかったのが多少不満のようだが、おっかさんは、焦らないでもいいぞ、人生は長いのだから。そうして学んだことがいつどこでどのような形で役立つかはわからないものだから、と、伝えたいのである。

気がつけば、ポルトガルの高卒国家試験受験結果を携え、東京の大学を目指して日本へ行ったモイケル娘だが、早や15年が経つ。

006-1.jpg
この頃は、今日の結果が予想できるわけもなく、ひたすら子育てを楽しんだ時期だった。

思えば、補習校中学校の卒業式答辞で、「わたしは日本へ行くのではありません。日本へ帰るのです」と言って、わたしを始め出席していた人たちを驚かせたモイケル娘であったが、それもふた昔ほど前のことになり、彼女の夢は実現してなんとかダンナも見つけ日本定着15年。

娘よ、そして、息子よ、若いうちは失敗を恐れるな。失敗のない人生こそ失敗であるぞ、とポルトから応援している母である。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。ではまた明日!
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コメント
懐かしい
懐かしいメンバーが勢揃い!図書館でもがき苦しみながらも、芝う○こなんぞとふざけたペンネームを見つけては一人でくくくと笑っていました(笑)

お気に入りの狂歌は
偽りのある世なりけり神無月 貧乏神は身をも離れず

どうにかして修論を書き終えた頃には「日本文学なぞ二度とやるものかぁぁ!」という想いだったけど、いつかまた狂歌本を手に取ろうかな(^o^)
2019/09/12(Thu) 19:41 | URL | もいける | 【編集
二葉亭四迷も同じような名前ですよね。
2019/09/13(Fri) 02:17 | URL | ganchan | 【編集
もいちゃん
うぉ~~、久しぶりの書き込みだ!嬉しいな^^

知ってると思うが神無月とはこの母が今回帰る10月のことであるぞよ。が、出雲大社では八百万の神様が集まるので「神在月」というのであ~る。
いわば、神様方の年に一度の慰安旅行だろね(笑)

貧乏神さまが離れないということは、慰安旅行に行けないのだろう。ちょっと旅費出してあげて、旅行に行かせりゃいいのにねぇ(爆)



2019/09/13(Fri) 03:12 | URL | spacesis | 【編集
ganchanさん
それ、聞いたことあります!
「くたばってしまえ」から来るんだと^^;

二葉亭四迷も、歌麿のように、実は隠れた狂歌師だったりしてw
2019/09/13(Fri) 03:16 | URL | spacesis | 【編集
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