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2019年12月12日 

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ポルト市庁舎前の今年のクリスマスツリー

この時期になると毎年のように思い出す、子供たちがいたころの12月のお届け物の話があります。拙ブログに2度ほどあげていますので、既に読んだ方はスルーなさってください。

色々な頂き物の中には「こりゃ困った」と言う物も多々ありました。

これはわたし達一家が現在のフラットの我が家を得る前の、古い小さな庭つきの古い家に住んでいた時の出来事で、子供たちが小学生だった頃のこと。

夫の病院の仕事柄、この時期には自宅にお届け物がありました。ある日のこと、田舎の方と思し召す年配のセニョールが玄関の前に立ちました。夫は患者の話に耳を傾ける人で、特に年配者にはかなりの人気があったようです。

「だんな様に大変お世話になった。どうぞこれを。」と言って大きなのダンボール箱を置いていきました。中身が生ものであっては困りますので、「あらら、なんでしょ」と箱を開けてびっくり、玉手箱!ナマモノもナマモノ、二本足を紐でくくられた生きた二羽のトリではないですか!一羽は真っ赤なトサカを冠しており、もう一羽は見事な七面鳥です。12月は七面鳥の季節でもありますものね。

しかし、これ、どうするのよ?自分・・・
よく見ると可哀相に、この2羽、足をくくられたままでとても辛そうです。で、いやだったんですが、恐る恐る抱きあげようと両手を出しましたら、騒ぐこと騒ぐこと、そのけたたましさといったらありません。こちらの方がビビッてしまいましたが、思い切って抱き上げました。その柔らかい体を通して温かい体温が伝わってきました。

庭には昔の鶏小屋、ポルトガル語ではGgalinheiro(ガリニェイロ)と呼ぶのですが、それがそのままほったらかしでありましたから、庭まで運び、くくっていた紐をほどいて小屋に入れてみました。

子供達が帰宅して、特に動物好きの娘は大喜びです。早速に小屋から出して庭に放し、モイケル娘は七面鳥に「アフォンソ」鶏には「マチルダ」と名づけました。アフォンソとはポルトガル王の名前ですから、ひどい話ではあります(笑)

夕方になると、今度は庭中追い掛け回して二羽をひッ捕まえ、一時しのぎの鳥小屋に入れるのですが、これがまた一仕事です。
あちらは必死で逃げ回るし、こちらはこわごわ追いかけ回すわけです。

庭には好きなバラをたくさん植えてましたし、大きなあじさいの木もありましたから、それらの陰に入ると捕まえるのにこちらは手や腕が傷だらけです。

こういう悪戦苦闘の数日が続いたのですが、クリスマスがいよいよ近づいてくると、さて、ここで問題が持ち上がりました。こうして名前までつけてしまうと、潰して食卓に載せることなどできましょうか・・・娘など、よもやそういうことには考えが及ばなかったでしょう。ずっとペットとしえ飼い続けると思ったのではないでしょうか。夫もわたしも、つぶせるわけはなし。

しかし、このまま庭で飼っておくというわけにもいかないのです。なにしろ、我が家には犬のポピー、そして数匹の猫たちもいるのです。このまま飼って行くと、アフォンソとマチルダを守るために四苦八苦、そのせいで毎日クタクタになるのが目に見えています。

一日一日と延ばし延ばしになり、ついに決心を迫られる日が来ました。我が家で始末するわけには参りません。ネコや犬たちが騒々しさや血の匂いできっと怖気づいてしまうに違いありません。

我が家の裏では、大きな畑を持つジョアキンおじさんの飼っているブタが、悲鳴を上げて鳴くことがままあるのですが、わたしには何が起ころうとしているのか分かっています。そのときの我が家の犬猫たちは「なにごと?!」とでも言うかのようにみな揃ってあっちへすっ飛びこっちへすっ飛び。その不安な様といったらありません。

子供達に、「これはアフォンソとマチルダです、頂きましょう」と言えるくらいの気概が哀しいかな、わたしにはありません。

結局、週に2度、我が家へ掃除にくるお手伝いのベルミーラおばさんに2羽とも上げました。不意に手に入った素晴らしいご馳走です。嬉々として2羽を抱えて帰って行ったお手伝いさんの後姿を見ながら、わたしはちょっと複雑な思いでした。こんな気持ちになるのなら、肉類はもう口にしなくてもいいや、なんて偽善的な思いが頭を横切ったものです。

わたしたちが生きるということは、そのために生かされてる命があるのだ、ということに思いを馳せる出来事でありました。子供達には、一言「お手伝いさんにあげましたよ。」それで十分伝わったでしょうか。

モイケル娘の複雑な表情を打ち消すかのように、わたしはクリスマス・ソングのCDをボリュームアップでかけたのでした。

アフォンソとマチルダに合掌。

本日はこれにて。
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コメント
アフォンソとマチルダ ?
なんだかとっても響きがいいですね。
コイバナが書けそうですね。

鶏肉が絶対食べられない友人がいて、話によると幼い頃
庭先で鳥をひねる?ところを見せられて以来「鶏肉は絶対
ムリ、無理」に…
九州の鶏肉が美味い土地に生まれながら一生鶏肉を口に
出来ない悲しい定め。

息子さんや娘さんにとっては良かったのでは?と思った次第です。
2019/12/14(Sat) 22:04 | URL | ムイントボン | 【編集
ムイントボンさん
いつもコメントをありがとうございます、

そのお友達の気持ち、分かります。わたしも現場を目撃したら、そうなるような気がします。

肉はあんまり食べなくてもいいや、と正統なベジタリアンになりきれない言い訳です(笑)
2019/12/15(Sun) 18:53 | URL | spacesis | 【編集
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