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2020年1月11日 

日も暮れ、外猫たちが待っている餌をもってフラットを出た昨夜、背後の空に素晴らしい満月が見られました。

そうして、脳裏に浮かんだ月下独酌なる言葉は、今年85歳になる我が日本語生徒とともに、600ページ近くに及ぶ「ねずさんの日本の心で読み解く百人一首」を学んでいたときに目についた李白の漢詩なのですが、そのときその年配の生徒、アルフレッドさんとと二人で勉強してみました。

「月下独酌」

花間一壺酒  花間 一壺の酒
独酌無相親  独り酌みて相ひ親しむ無し
挙杯邀明月  杯を挙げて明月を邀へ
対影成三人  影に対して三人と成る
月既不解飲  月既に飲むを解せず
影徒随我身  影徒らに我が身に随ふ
暫伴月将影  暫らく月と影とを伴って
行樂須及春  行樂須らく春に及ぶべし
我歌月徘徊  我歌へば月徘徊し
我舞影零乱  我舞へば影零乱す
醒時同交歓  醒むる時同(とも)に交歓し
醉后各分散  醉ひて后は各おの分散す
永結無情遊  永く無情の遊を結び
相期獏雲漢  相ひ期せん 獏(はる)かなる雲漢に

漢字が分かる日本人にとって、漢詩はなんとなく意味がつかめますね。
月と自分の影を相手に酒を楽しんでいる訳ですが、興味ある方はネットで検索していただくとして、普段は山で生活をし、日本語授業がある時にポルトに下りて来るアルフレッドさん曰く、
「この詩はまるでわたしの山での生活を歌っているようです」。

聞けば、彼の山の家の周囲にはポルトガルでは見られない桜の木や銀杏の木が植えられ、ベランダからは月が昇ってくるのが見えるのだそうな。「いらっしゃい、いらっしゃい」と言われながらも、まだお邪魔していないわたしです。

同時に、わたしはかれこれ10数年も昔、木彫家の我が親友の山房での和歌山紀の川市での一夜を思い出しました。
日本庭園を前に、縁側で向こうに見える山並みと煌々たる月を眺め、漬物を肴にして和歌山の地酒「黒牛」を飲みながら、ポルトガルの、そして、彼女の四方山話をポツポツと夜通し語り合った忘れられぬ夜です。

1
庭から山を望む

気が付けば、いつの間にか二人で一升瓶を空にしていたのでした。それが不思議と酔うこともなく、「酒は静かに飲むべかりけり」とはこういうことかと思ったものです。

2

座敷の横の縁側で一晩中静かに杯を傾け。
3.jpg

漢詩の最後、「ともあれ月と影と親しく交友し、遥かな銀河での再会を誓おう」と訳せる「相ひ期せん 獏(はる)かなる雲漢に」は、胸にジンと響きます。

ワインよりも、ビールよりも、美味しいお酒を少しだけ、素敵な酒器で日本にていただきたいと思うこの頃、年々益々、我が思いは祖国に馳せるのであります。

ではみなさま、本日はこれにて。



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コメント
アルフレッドさんのお宅って~
 桜の木や銀杏があってベランダから月が見えるポルトガルのお家~ってどんなのでしょうか。ちょっとイメージがわきません。是非一度お訪ねになってみては?
 しかし驚きます。海外の方が日本語を学ぶというレベルではないですね。李白の漢詩を読み解くのですからもうびっくりです。
 和歌山のご親友もまたそのご自宅、お作品、活動、素敵ですね。大きなお座敷の縁側で静かに一献を傾ける女性おふたり~絵になりますね。

 2,3日前 の月はまん丸でとても大きく見えてとても美しかった。ポルトのお月さまはどんなでしょう。
2020/01/12(Sun) 04:52 | URL | ムイントボン | 【編集
ムイントボンさん
ポルトも2、3日前は満月で冬空に煌々と照っていました。

くだんの生徒さんは、銀杏の実を時にもってきてくれるのですよ^^

行こう行こうと思いながらもなかなかいけないでいますe-445
2020/01/12(Sun) 21:55 | URL | spacesis | 【編集
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