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2020年2月25日 

今日はカーニバルでポルトガルは休日です。昨日までいい天気だったのが、例年の如くやはり今年も小雨のカーニバルです。

季節が夏の地球の裏リオの大々的なカーニバルには足許にも及ばないが、ポルトガルでよく知られるカーニバルのパレードは、ポルトから40キロほど離れた町、Ovar(オヴァール)のパレードのパレードです。

カーニバルはポルトガル語ではCarneval(カルナヴァル)と書きます。これはラテン語の carnem levare(肉を断つ)から来ると言われ、復活祭同様、移動性休日で毎年その祝日が変わります。

元来は春の訪れを祝う異教徒の祭りだったのがキリスト教に取り入れられ、一週間羽目をはずした祭りで騒ぎ、終わった後、それらの乱痴気行状の罪を大きなわら人形に託して焼き払う、というのが起こりだそうです。

一週間の最後は、必ず火曜日(翌日の水曜日はポルトガルではDia de Cinzas=灰の日)となります。

現在では、すっかり観光化されてしまったカーニバル(謝肉祭)ですが、カトリックの国で、このような、言って見れば、「無礼講・乱痴気」の祭りが取り入れられたのには、ちょっと驚きですね^^

下はわたしが気に入っている娘のカーニバルの王子さまです。この頃飼っていた愛犬ポピーもいっしょに。

carnaval1.jpg

豪華な衣装を買ったり作ったりする人もたくさんいますが、子供の衣装は一度着たら翌年はサイズが合わなくてほぼ再び着ることはないので、これは知人から借りたものです。昔と違い、今は大手のスーパーマーケットなどで、安いのだと7ユーロ(\1500)くらいから、様々なコスチュームが売られています。買った衣装はもったいなくて、今でもとって残してあります。

このカーニバルですが、ずっと昔に見た「黒いオルフェ(Orfeu Negro」なる映画と重なってしまい、にぎやかさとは対照的なラストシーンが思い出され、わたしはどうも陽気に騒ぐ気持ちになれないのです。

1960年のカンヌ映画祭でグランプリを、米アカデミー最優秀外国映画賞を受賞した映画でブラジル語で話されています。ギリシャ神話を原作にした、リオのカーニバルの日の若い黒人の恋人たちの悲恋を描いた物語です。

ギリシャ神話のアポロの息子、オルフェウスは竪琴の名人です。彼の奏でる竪琴の調べは、鳥獣草木さえも魅了するのです。死別した愛する妻ユーリディスをこの世に引き戻すためにオルフェウスは黄泉の世界へ下って行きます。

その美しい竪琴の調べで、冥界王プルートの心を揺り動かし、「決して後ろを振り向かない」という約束で妻を連れ戻すことができたというのに、黄泉の世界の出口で己の心の誘惑に負け、後ろを振り向いてしまいます。愛する妻をオルフェウスは永遠に失ってしまうのでした。


映画はこれとは少し内容が違います。

リオの街、坂の上に住む人々はカーニバルを前に仮装の衣装作りをしています。若者オルフェもこの丘に住む市内電車の運転手ですが、彼がギターを抱えて歌うと鳥も羊も静かになり近所の人々はうっとりと聞きほれます。

田舎からカーニバル見物に来た若い娘ユーリオディスが電車に乗り、オフフェが住む丘の上の従妹を訪ねてきます。隣から聞こえてくる美しい歌声に惹かれて覗いてみると、それはさっき電車であったオルフェでした。

オルフェにはカモシカのようなしなやかな体と豊かな胸をもつ美人の婚約者ミラがいますが、気が強いのです。オルフェは慎ましやかな美しさをもつユーリオディスに惹かれます。

カーニバルの前夜、街に出たユーリオディスは死の仮面をつけた不気味な男に追い詰められ、からくもオルフェに救われて気を失います。ミラは嫉妬の炎を燃やすのです。

翌日、カーニバルで群踊のパレードが繰り出します。ユーリオディスは衣装を借りておオルフェの踊りの組に加わりますが、彼女を再び死の仮面をつけた男が追い詰めます。駆けつけたオルフェはユーリオディスを助けようとして高圧線のスイッチを押すのですが、却ってそれがスパークして彼女を焼死させてしまうのです。 

ユーリオディスの死体を抱きかかえてさまようオルフェに、ミラは嫉妬で正気を失い怒り狂い、巫女たちとともに石つぶてを投げて断崖に追い詰め、転落させます。二人は屍を重ねて死にます。
呪われた悲劇の夜が白々と開け、何もしらない子供たちはオルフェのギターをかき鳴らして踊っています。
(猪俣勝人著:世界映画名作全史・戦後編からの要約)―


映画の中で流れる二つの主題曲がとても美しい。
ひとつはLuis Bonfáの「Manhã de Carnaval(カーニバルの朝)、日本では「黒いオルフェ」でヒットしました。1960年ですから、わたしがやっと洟をたらしていた時期を抜けようとしていた頃ですw 

オルフェウ・ネグロを小野リサが歌っています。



もう一つが、ブラジルの作曲家アントニオ・ジョビンの「Felicidade(幸せ)」です。ジョビンはこの数年後に、「ボサノバ」を編み出して、世にその名を永久に刻むことになります。

「Felicidade」を知らない人でも、「イパネマの娘」はご存知でしょう。この作曲家なのです。当時のわたしは英語もよく知らない時代でした。ましてポルトガル語など分かるはずもないと言うのに、「黒いオルフェ」の歌には心惹かれてメロディーを覚えたものです。

ポルトガル語が少し理解できるようになった昨今、「Felicidade」のさりげないブラジルの歌の人生哲学にも少し惹かれるこの頃です。

挿入歌「Felicidade(しあわせ)」の一部をご紹介。
     
♪Tristeza não tem fim      哀しみには終わりがない
  Felicidade sim          けれども、幸せには終わりがある
  A felicidade é como a gota    しあわせは
  De orvalho numa pétala de flor 花びらの露の一粒の如く
  Brilha tranqüila           静かに光り
  Depois de leve oscila       かすかに揺れて
  E cai como uma lágrima de amor   愛の涙のように落ちる 
                -spacesis勝手訳

こちらで聴けます ↓ 

物語は、熱狂的なサンバに浮かれた一夜明けての物悲しさと空しさが感じられるような終わり方です。

そんなわけですから、カーニバルというと、映画「黒いオルフェ」が印象が強く、わたし自身はあまり楽しめる気分にはなれないのです。

ブラジルポルトガル語に挑戦したい方はこちらで映画をどぞ↓


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コメント
私はもともとスペイン語を大学で習っておりましたので、ラテンミュージックはよく聞いておりましたが、メキシコ、ボリビア系の曲は理解できてもブラポルの歌の歌詞は理解できませんでした。ポルトガルに来てポルトガル語が分かってきても、ブラポル、しかも口語調の歌詞は耳で聞いただけでは未だにわかりません。よく行く、今も来てるんですが、カフェの女主人がブラジル人で、おかげで最近少しずつブラポルが聞いて理解できるようになってきました。
2020/02/26(Wed) 01:43 | URL | ganchan | 【編集
ganchanさん
ポルトガル語もスペイン語も皆目分からぬ状態でやって来たポルトガルでした。
来た当時、ポルトガルのテレビドラマ(Telenovela)はなくて、義母たちが好きだったもので、毎晩ブラジルのテレビドラマを見せられたものです。
今でもブラジルTelenovelaのファンです。
ブラジルの役者さんたちは何といっても演技がうまい!

言語としてはポルトガル語は格調があると思っていますが、ブラジル語の言い回しはとても面白いので、嫌いではありません。

イギリス英語とアメリカ英語みたいだなと思っています。

リスボンのパレード、いかがでしたか?


2020/02/26(Wed) 05:00 | URL | spacesis | 【編集
カーニバルの王子さま~もう可愛いすぎです!
お姫様でないところがいいです!

2017年に聖アントニオの祭りが見たくてリスボンに来ました。それぞれの衣装を凝らして次から次へと地域別に出て来て歩くのですね。踊るチームもありましたが、割とおとなしめでリオとは全く別物でした。

黒いオルフェ~純愛もので当時まだ純真な乙女だった私は涙、涙。音楽の効果もあったのでしょう。

”セルジオ・メンデス・ブラジル66”が好きで良く聴いていました。アントニオ・カルロス・ジョビンはそんなところから知りました。

 ああ~当時が蘇ってきました。カタカナで覚えたメチャクチャなポルトガル語の歌詞。今思うと笑えます。
2020/02/26(Wed) 10:01 | URL | ムイントボン | 【編集
ムイントボンさん
娘、子供の時からスカートが嫌いでした。履かせるのに苦労しましたよ(笑)

セルジオメンデスなんて懐かしい!
心に残る音楽は、それを聞くと当時の状況が浮かんで来ますよね。

わたしもpcで歌詞が検索できる今と違って、昔は外国語の歌詞でいい加減に覚えている歌がたくさんありますv-408
2020/02/28(Fri) 00:42 | URL | spacesis | 【編集
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2020/02/28(Fri) 20:41 |  |  | 【編集
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