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2020年9月28日 

日本語オンラインクラスが午前中に二つ入る土曜日を除いては、毎朝7時過ぎに起きて、歯を磨き洗顔してすぐに散歩に出ます。起きて、猫のトイレ砂の片付けやらなんやらとしていると、出勤時に重なり車の往来が激しくなって、排気ガスの匂いたるや、いただけません。

夏と違い、7時過ぎになってようやく明るみが周囲に広がるを見て出るのだが、こうして毎朝歩いていると、同じ顔の犬を連れた2、3人とすれ違うようになります。

その中に、小さめのむく犬ワンちゃんがいます。どういう訳かわたしを気に入ったようで、初めての出会いで、向こうからしっぽを振っては寄ってくるのです。

今朝などは、遠くだと言うのに私の姿を認めたらしく、しばらくじっと立ち止まっていたと思ったらリードでつながっている若い女性の飼い主をグングンひっぱってわたしの前に来ては、ゴロンと地べたに寝っ転がりお腹を見せるのでした。飼い主も笑っています。

我がフラットには犬も3匹いて、わたしが台所のベランダから顔を出すと、すぐやってきてはきちんとお座りするんですね。何か欲しくって(笑)

猫も好きですが、わたしは犬も好きです。今は飼っていませんが、これまでに数匹の猫と犬を同時に飼っていた時期がありました。犬や猫はわたしの生活の一部であり、我が子たちもわたしのDNAを引き継いでか、動物好きです。

これは、いまから30年ほども昔の、わたしが住んでいた通りでの話です。

あの頃のポルトは、町のいたるところで野良犬が見かけられました。当時はまだ犬を放し飼いにしてはいけない、という法律ができていなませんでした。ちょっと見だけでは、野良犬なのか飼い犬なのか見分けがつかないことも多かったのでした。犬はたいていは、子供の良き遊び相手でです。

今では、近所の子供達が外で遊んでいる姿もめっきり見かけなくなりましたが、当時の子供達は表通りで、サッカーをしたり祭りの焚き火をしたりして暗くなるまで大声を出して遊んでおり、野良犬たちも一緒にボールを追いかけたり、焚き火の周りをぐるぐる走り回っていたものです。

しかし、ご近所のみなさんが犬好きだと思うのは大きな勘違いです。

決まって、とある、犬嫌いのおばさんが、定期的に保健所へ電話をするのです。そうやって捕獲されて二度と帰らない犬は結構いました。

通りの住人がみな知り合いの時代でした。誰が言い出したのか、いつのまにかわたしの住む通りでは次のような不文律ができあがっていました。

保健所の犬捕獲車を見かけたら、すぐさま表通りに面したそれぞれの家の小さな鉄格子ドアを開けて、路上の野良犬たちをドアの内側に引き入れること。ドアの内側にはたいてい小さな庭があり、そこは私有地になるのです。

野良犬と言えども近隣の大人子供たちから、どの犬もめいめい勝手な名前をつけられて呼ばれ、えさを差し入れてもらっているのです。飼い犬ではないにしろ共有の路上に住む仲間です。

通りに放されていない限り、保健所の職員は犬を捕獲できないのですから、なかなかいいアイディアではありませんか。で、捕獲車が去ってしまった後に、再びドアを開けて通りへ出す、というわけです。

ある日のこと、やって来た捕獲車を目ざとく見つけた人から順繰りにドアを開けて、早々とそこら辺の犬たちを呼んで庭に招き入れました。

と、思いきや、一匹が入り遅れてウロウロしてるではありませんか!しまった!と皆思ったものの、時すでに遅し。

黄色い制服を着た犬獲りが二人、大きな網を張りながらジリジリとその犬を追い込んで行きます。窓から顔を出しながらこの情景をわたしたちは固唾を飲んで見ていました。

「おお、coitadinho!」(コイタディーニュ=可哀相に)ポルトガル語では哀れみを表すのに使われる言葉です

追い詰められてとうとう網にかかってしまった犬はまだ必死にもがいて抵抗しています。しかし、敵は慣れて見事なものです、あらよあらよという間に犬に網を絡めたまま、捕獲車の方へ運んで行き、檻に入れようと二人の犬獲りが網を空中に持ち上げた、その瞬間、奇跡は起こった!!

犬が暴れて網が破れでもしたのでしょうか、スルリと犬が地面に投げ出されるように抜け落ちたのです!

固唾を飲んで見ていた人々の口から思わず、「ワー! 」っと大きな歓声と拍手があがりました。わたしもその一人です。

九死に一生を得たその犬は、一目散にいずこかへと逃げ去ったのでした。

歓声があがった後ろをギロリ睨みながら、苦虫をつぶした顔をして二人の犬獲りは通りを後にしたのでした。

今はと言えば、野良犬への規制もすっかり厳しくなり、日中路上で見かけることはなくなってしまいました。しかし、あの頃のことを思い出すにつけ、環境がきれいになって住みよいのは確かにいいのだけれど、あまりにも整然としてしまうと、犬猫好きなわたしなどは、あの野良たちはどうやってエサを調達しているのだろうかと考えずにおられません。

人間の生活もそこそこに整い、少し抜けているところがあった方が、息苦しくなくて生きやすいんじゃないのかなぁなんて思ったりするわたしです。
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