2007年2月6日

わたしには二人の子どもがいるわけですが、日記やブログの帰国子
女物語を読む方から、
「お兄ちゃんの方はどうなっているのか」
との質問を時々受けることがあります。

モイケル娘は日本の大学進学を夢見それを実現させて今春からは日
本の大学3年生。
日本社会に身をおいて生きてみようというのが恐らく今のところ彼
女の考えていることでしょう。
          
では、幼稚園から中学3年生までの11年間のBritish School、そ
の後の現地校、いわゆるポルトガルの私立高校3年間と、娘と同じ
教育歴史をバックグラウンドに持つ、現在26歳の息子はと言いま
すと、リズボン大学を終えました。
彼も恐らくほぼ完璧なバイリンガルだと思いますが、その二言語は
英語とポルトガル語です。
海外子女教育財団の通信教育(国算理社の4教科です)、土曜日の
補習校と、これもモイケル娘同様に両者を9年間続けましたが、日本
語はいつの間にやら、読み書きが億劫になったようで、今では会話
ができる程度になってしまいました。

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ー続きはここからー

しかし、帰省したときやメッセンジャーでのわたしとのやり取りな
どは、日本語(ローマ字)です。
時々、日本語で適切に表現できないことがあり、そういう部分は彼
は英語に切り替えて話します。
父親とは今では完全なポルトガル語で会話をします。

母親としては、日本語教育で片方に肩入れしたつもりははないので
(笑)、これは恐らく、二人の初期、そして、日本語での義務教育
過程、つまり通信教育や補習校を終えた後の言語環境の違いに起因
しているのではないかと思ったりします。
          
同じ兄弟でもそれぞれ性格が違うように、言語生活もその子どもの
性格や多少なりの言語環境の差が影響しても不思議はないのではな
いか。
わたしは教育、言語教育を専門に学んだこともありませんから、あ
くまでも自分の子どもを見続けてきた経験を通して感じていること
を述べるに留まるのですが。

これは、このシリーズの1314「男言葉、女言葉」でも触れま
したが、日本語を耳にする機械が少ない環境では、男の子も母親の
女言葉をそのまま覚えてしまいます。
それで、特に息子と話すときは、極力少し男言葉を遣ったりりする
こともありました。 
        
さて、息子と娘の言語環境の違いなのですが、これは幼児期に発し
ます。息子が生まれてからの6年間、わたしたちは夫の家族と同居
していました。
つまり、おばあちゃん、そして、そのおばあちゃんのお姉さんばあ
ちゃん、更にそのおばあちゃんの従姉妹ばあちゃんと一緒の生活
でしたから、息子の言語環境は生まれたときからして既にポルトガ
ル語が上位を占めていた感があります(笑)

息子が生まれた1980年には、まだマルチシステム・ビデオ(日本で
録画されたビデオテープを再生できる)がポルトガルにはなく、わ
たしたちがようやくそれを入手できたのは彼が小学2年生のときで
した。
それまでの日本語と言えば、わたしとの会話から、そして夫からの
少し変な日本語(^^;)ということになります。
      
一方モイケル娘。
兄とは6歳離れていますが、彼女が生まれたときには、わたしたち
は核家族になっており、マルチシステムビデオが家にあり、日本の
知人がせっせと送ってくれたビデオを見て育ちました。
「おかあさんといっしょ」を皮切りに、「ジャングル大帝」「おお
かみ少年モーグリ」キャプテン翼」「ドラえもん」など、これら息
子用に送られてきたものも常に一緒に肩を並べて観ていたのでした。
(これじゃね、男っぽい性格になるはずです^^;)
3ヶ月に一度程送られてくるこの連続アニメは、次のが届くまで、家
族で何度も繰り返し繰り返し、ほんとに繰り返し観たものです。

子どもは面白いことに興味を持つもので、繰り返し観ているアニメ
の中でもどんな質問をしてきたかと言うと、
「ママ、ご覧のスポンサーって、なぁに?」でした(笑)
なんのことはない、番組の始めと終わりに入るアナウンス「この番
組は、ご覧のスポンサーがお送りいたします。(お送りいたしま
した)」のことでした。
          
もうひとつ、二人の言語環境の大きな違いは、毎週土曜日午前中の
補習校でしょう。
息子の時は、中学3年が最高学年で卒業したらそれで終わり。
当時は高校部はありませんでした。
モイケル娘の時は、関係者保護者もなんとか高校部を発足させ、そ
れでも複式クラス(違う学年を同時に二クラス授業を進める)は無
理で、中3を卒業していきなり高校2年のクラスでした。

多少難しい日本語の文章に触れることができたのは、例え週に一度
の機会と言えども、国語力アップに磨きがかかったことは決して否
めません。
中学3年の国語力のみでは、以後独学するにはあまりにも力不足
です。
勿論、そうして成功する人もいるでしょうが、それは非情に稀なケ
ースではないでしょうか。
なぜなら、中3を境に現地校の勉強は日本同様、いずこも厳しくな
り受験体制に入り、とてもなおざりにはできません。
日常生活で、社会生活で、学校生活で、なくてもさして困らない、
海外での日本語の勉強はそうした現地校での学業の追われ、おのずと
遠ざかっていくのが普通だからです。

それなりの日本語の読み書きができ、会話もごく自然だった息子の
日本語離れが始まったのは、この中3を境にしていると思います。
この年齢になりますと自分で選択していけますから、最終的に息子
は自分の選択で日本語から離れた、ということも言える気がします。
          
言葉は生き物だとわたしは思います。
日本語を母国にし、30年間日本で生活してきた者ですら、長い海外
生活によって、欠落していく日本語の部分があるのは明らかです。
          
海外にいては、普段口にしない、目にしない語彙を自ら意識的に遣
っていかない限り、樹から果実がひとつひとつ落下するのと似てい
るのではないでしょうか。
記憶から落下した言葉を再び拾い上げるのは、なかなかに難しいこ
とです。わたしがこうして、拙い文章を綴るのは、それの予防でも
あります(笑)

 母  「ね、物事を考える時、何語で考えるの?」
息子  「英語」
モイケル「日本語~」

いつだったかのわたしの問いに対する子供たちの回答です。
この答えが二人の決定的な選択を如実に語っています。

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コメント
Think different
物事を考える時、何語で考えるか?
というのはすごく重要なことですよね
乗っかってるOSが違うと見える風景も違ってくるんでしょうね

やっぱり英語で思考すると物をみて
常に単数なのか複数なのか数えられないのか
とか自然に仕分けしてしまうんでしょうかね

そういった英語の気持ち日本語の気持ち
とか両方わかる人がそれぞれの思考の仕方の
相違について本を書けば売れるような気がするのだけれど
どうでしょ^^
まぁ日本には英語本が氾濫してるから
そういう本ももうあるかもしれないけれど
英語で思考するとはどういうことかが
わかって面白そうだからあったら買っちゃうかもしれません^^

あっしの英語の思考っていうと
単語がぽつりぽつりって
感じで先は長そう^^;

banana .....yellow
soy sauce ......good taste
tax ...... I don't want to pay

って感じがやっとです^^;
知ってる単語が少なすぎ^^;
でもまぁ楽しんでやってますけどね^^
2007/02/07(Wed) 22:09 | URL | ぎたれれ | 【編集
思考法は、色、形
物事を何(何語)で覚える!?
カミさんや、友達とは例えて議論をした事あります。
で、結論としてちゅうの場合は、色、形、図などで物事を覚えると結論づけました。多分、仕事柄から、そのような思考能力が身に付いたのではないかと。
スケジュール表、早く提出せよ!!
2007/02/08(Thu) 10:23 | URL | 元気だけが取り柄の猟期的男 | 【編集
>ぎたれれ君

外国語を学ぶということは、母国語以外の視野の扉を
開くことかな、とわたしは思います。
異文化の風がふ~っと入ってくるようなそんな感じを
受けるのです。

それでその中で自分の心情にあった風を身につけられる
自由な生き方がいいな、なんて思ったりします。
すると無国籍になるか、と言うとそうではないでしょうね。

日本語の気持ち、英語の気持ち、ポルトガル語の気持ち、
フランス語の気持ち、と調べてあたってみるのは面白いと思う。
これから英語を専科モイケル娘に提案してみよう^^


>ちゅうさん

さすが、アーティスト!

日程表出したら、柴又の寅さん風にならないじゃないのw
フーテンの名がすたるのよん(爆)

まだ思案中ですが、4週間のうち、多分中の2週間は遠距離を
突っ走る可能性があります。
東京には残りの前後2週間ゆっくりしているつもりです。
上陸は3月5日夕方よ^^

もちょっとしたら、メールで連絡先をお知らせします。


2007/02/09(Fri) 00:05 | URL | spacesis | 【編集
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