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2007年9月11日

日本では殆ど取り上げられていない事件に、ポルトガル、イギリス
のテレビニュース、雑誌、新聞等ののメディアが、毎日にように取り
上げて騒いでいる、Madelein McCann失踪事件があります。
メディアでは「拉致事件」と報道しているところも多いのですが、
わたしはむしろ失踪事件と書きます。
「拉致」であるとの確たる証拠がないからです。

他人の不幸をブログ記事に取り上げるのは、わたしの好むところで
はありませんが、このミステリーと、この事件が引き起こしている
ポルトガルとイギリス間の確執ごときものについつい引き込まれ、
書いてみることにしました。

個人的な意見はなしで、できるだけわたしが知っている事実と思わ
れるものを書きます。
今日は長いです。

事件のいきさつ:

2007年5月3日、ポルトガルのリゾート地
アルガルブ地方のPraia da Luzにヴァカンスで滞在していたイギリ
ス人マカン家族(夫妻とも39歳の医者。イギリスでは中流階級に
属する。3歳のマデレン、2歳の双子)の娘マデレンが、夫妻がホテ
ルの敷地内、夫妻の部屋から120mほど離れたところにあるレストラ
ンでイギリス人数人の友人達と夕食をとっている間に行方不明に
なった。

イギリス人の経営するオーシャン・サマークラブのホテルにはベビー
シッターのサービスがあるのだが、その夜、夫妻はこのサービスを
利用しないで、マデレンと双子三人を夫妻の寝室の隣にある部屋の
ひとつベッドに寝かせつけ、ドアの鍵をかけずに出かけた。
部屋は1階で庭に面していて窓がある。
食事をしていた8時半から10時の間ゲリー(父)、友人、ケイト母)
が交代で30分毎に子供達が寝ている部屋をチェックしに行った。
(ポルトガルの新聞では、夫妻は警察に定期的にチェックに言った
と話しているものの、実際は違うと書いている)
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ー続きはここからー

三度目の10時に母親のケイトがチェックしに行ったところ、マデ
レンの姿はなく、庭に面した部屋の窓が開いていた。

ケイトによると、マデレンがいなくなったと分かった10分後に警
察に連絡をいれた。
(いなくなったと分かった時間は言及していない)
警察によると、マデレンが失踪したのは、午後10時40分までの間だ
と言う。
オーシャン・サマークラブの従業員と滞在客たちは、その後明け方
4時30分まで近辺でマデレンの捜索を続けた。

その間、警察はスペインとポルトガルの国境(EU国間では国境通過
の際、現在は通関そのものがなく、なんのチェックもなしで通りぬ
けることができる)、ポルトガル国内の空港に通知する。



捜査(1):

5月11日、ポルトガル警察は警察犬を使い、周辺一帯と含む広範囲を
捜査する。
当初、捜査は国際ペドフィリアネットと違法ネットグループによる
拉致に捜査を絞った。

5月14日、マカン夫妻の友人3人の「マダレンがいなくなる夜に、
ホテルの付近で姿を見た」という証言により、付近に母親と住む、
中年のイギリス人男性(マカン夫妻の知り合いでマデレンの捜索に
も母親と一緒に協力していた)に容疑が向けられ、庭やプールの家
宅捜査をするが、マダレンの形跡はなし。
後ほど、警察の調査で証言には食い違いがあると判明。
男性は一旦釈放されるものの現在も容疑者の一人と指定。

そのほか、目撃者による数人の容疑者が浮かび上がるが、現時点で
は上記のイギリス男性を除いては白と判明。

8月4日、イギリス警察とイギリス警察犬も加わり、再度容疑者の
イギリス男性の家宅捜査がなされるが、新発見はなにもなし。

この間、イギリスの夫妻が住むレセスター州からは、夫妻サポート
に数人の役人が送られる。

マカン夫妻のキャンペーン:

アルガルブのプライア・ダ・ルスのマカン夫妻が双子と滞在するホ
テルの周辺は、ポルトガル、イギリスのメディアが押し寄せ、昼夜、
二人の散歩する姿などを追いかけ放映する。夫妻は、マデレンが戻
るまで本国イギリスには帰らず、プライア・ダ・ルスに留まるとの
声明をだす。

事件後間もなく、「ハリー・ポッター」の著者ローリング、ベッカム、
ロナウド、その他の著名人がサポーターを名乗り上げ、「マダレン
基金」(現在100万ポンド=2億3000万?の寄付)ができる。

マカン夫妻はポルトガル、イギリス国内だけでなく、EU諸国、オー
ストラリア、バチカンアメリカ、アフリカに出かけ、大々的なマダ
レン・キャンペーンを繰り広げ、彼女の写真をいたるところに配布
する。

本国レセスター州のマカンファミリーが住む町は、黄色いリボンと
花束で埋め尽くされる。

捜査(2):

8月4日、一旦引き上げたイギリス警察が警察犬が再度捜査に参加。
このチームはマデレンのいた部屋の壁に極微の血痕を発見する。
(これはポルトガル警察に調べられなかった)

更に優秀な警察犬とウルトラ・バイオレットテクノロジーを使ったと
ころ、(部屋は既に清掃されていたにも拘わらず(誰が?かは記事か
らは不明)血痕が発見された。

この血痕はイギリスの科学調査局(?)に送られ分析の結果はマカ
ン家族のでも、容疑者とされているイギリス男性のものでもないと
判明。
8月15日、ポルトガル警察は、警察犬が死体の匂いを嗅ぎ取ったと
発表。
スコットランドヤードは警察犬がケイトの持つ聖書と服に同じ匂い
を嗅ぎ取ったと発表した。

捜査(3):
9月6日、ポルトガル警察は、二度目の尋問をケイトにする。
9月7日、10時間以上の尋問を受けたケイトはポルトガル警察のより、
正式に容疑者と指定される。
同様に尋問を受けていた夫ゲリーも容疑者と指定。

この後、ポルトガル警察は以下のケイトサイドの発言を否定する。

「警察はポルトガルでの殺人事件を認めたくないから、わたしたちに
責任をなすりつけようとしている。」
「警察は、謝ってマダレンを殺害したことを自白すれば減刑すると
条件を出した。」
(これについては誤解がある、と言っている)

マカン夫妻が容疑者と指定された理由:

マカン夫妻が利用したレンタカーで血痕がみつかり、トランク、車
のキーに警察犬が死体の匂い反応を示した。
血痕はイギリスの化学調査局(?)分析の結果、DNAは99%、マデレ
ンのものである。

しかし、このレンタカーはマデレン失踪の25日後にマカン夫妻に
よって借りられた!??

9月9日 マデレン失踪捜査がまだ行われている途中で、マカン夫妻
は突然、本国へ飛行機で帰国。(24時間前に警察当局へ届けでること
で現住所から5日以上の移動を行うことができる。マカン夫妻はこれ
をしないで出国したようだ)

現在、マカン夫妻はイギリス、レイスター州の自宅にいる。



ざっと5月から今日までの130日間のこの事件を記録してみました。
マカン夫妻は被害者から一転して容疑者の嫌疑をかけられたわけで
すが、この事件の背景になっているアルガルブ地方について、少し。

ポルトガル南部にあるアルガルブ地方は、地中海気候とビーチで観
光客を魅了しています。1960年代に特にイギリス人の間に人気が
あり、以来ドイツやオランダ、北欧等、ヨーロッパの寒い国から
多くのツーリストを毎年向かえてきたのですが、かれらの多くは、
アルガルブに家を持っています。
アルガルブ地方では特に移住してきたイギリス人コミュニティが幅
をきかしています。
今回の事件が起きたPraia da Luzもその区域です。

アルガルブはかつては高級リゾート地だったのですが、1974年の
無血革命でこれまでのサラザール独裁政権が倒されて以来、ポルト
ガル一般人のツーリストも増え、現在では多くのポルトガル国民が
夏期休暇を過ごしにでかけます。
アルガルブ地方へ行くと、第一第二都市のリスボンやポルトよりも、
英語を耳を耳にすると言っても過言ではないかも知れません。

今回の事件は、謎が多くてなかなか解決のめどがつきそうもありま
せんが、ひとつには、ポルトガル社会とイギリス社会との文化背景
の違いもそうさせているような気がしてなりません。

マデレンのキャンペーンが派手になればなるほど、人間の業のよう
なやっかみが出てくるようです。
毎日の夫妻の一挙一動をカメラが追い、それをポルトガル、イギリス
(skynews)で放映されるわけですから、嫌がうえにも白熱化し、ニュ
ースが流される旅に目に入ってきます。

上にも書きましたが、キャンペーンが半端ではないのです。
ヴァチカンの法皇にも会いました、援助金や寄付もたくさん入り、
多くの人々の同情とサポートを得てきたのですが、徐々に批判の声も
出てきました。

特にポルトガルサイトからは、
「国際事件だからというのは分かるけど、ポルトガルの警察は、今
までたった一人の自国の行方不明者のために、こんなに総動力で取り
組んだことはなかったではないか。
うちの子のときは、なしのつぶてなのに、なぜこのイギリス人の子
どもだけに」(180人以上の警官、ヘリコプター、何百人もの住民た
ちの実際の捜査協力がある)

「幼子たちを監督者なしにほったらかして、外食していたという親
の責任はいったい、どうなるのか。」

「これが同じイギリス人でも中流社会の家族でなかったら、マデレ
ンがあんなにかわいい幼女でなかったら、警察が、世間が、本国の
イギリスが、果たしてここまで取り上げたか」
等等、聞いていると、被害者であるとしたら、夫妻には残酷な、
しかし、最もなことだと思われるような批判が出ています。

また、ドイツのとあるラジオリポーターは、
「二人の行動は、子どもが拉致された親の行動としては不自然で
ある」といっています。

またイギリス人側からは、ポルトガル警察の緩慢さ、秘密主義が不満
となっているようです。
秘密にしているのではなく、これは捜査内部のことを公にしてはいけ
ない、という法に則ったことからきているのですが、イギリス人達
は、自分達の法に合わせて考えがちです。
警察の捜査にも「焦点のしぼりすぎだ」や、マカンの家族からは、
リスボン空港で「missing Madeleine」のポスターを貼ろうとしたら、
二人の警官に阻止されたのはハラースメントだ、
(これは、いくら話題に上っている事件の主人公だとしても、やはり
許可が必要であるspacesisi)等の苦言がでました。

本国の自宅に帰ったマカン夫妻のついての意見を、その町の人にイン
タビューしていたポルトガル人のジャーナリストは、マイクを向ける
なり、まるでポルトガル人が全て悪いような剣幕で、「お前達、ポル
トガルへ帰れ」と叫ばれていました。

また、同じ町の住人には、
「わたしが幼い子どもをほったらかしにしたとしたら、社会福祉が
来て、子どもをとりあげていくのに、なぜあの夫婦にはそれが適用
されないのか。」とインタビュアーに答えているのもいました。

これら一連の記事に目を通していると、事件もさることながらそれ
を取り囲む人々の異様さが感じられるような気がします。
もちろん、こういう事件で平常心を保てというのは難しいでしょう
が、一体全体なぜ、ポルトガル社会とイギリス社会が、これで突っ
つきあわなければならないのか。

もしかしたら、イギリス人はかつてのインドなどと同じように、アル
ガルブを植民地化している、くらいの気持ちをもっていないのか、
と、ふとわたしは思ったのですが、考えすぎでしょうか。
「郷に入りては郷に従え」は昔からある諺ですが、そういう気持ち
は彼らにはないのかしら^^;

ポルトガルのとあるジャーナリストがボソと言っていました。
「この事件は、まるでポルトガルとイギリス社会、メディアの戦争の
ようだ。」と。

マカン夫妻が巻き起こしたのは(あえてこう書くのは、もし拉致事
件だとしたら、残酷なようではあるけれど、親の監督義務をうかつ
にも怠ったことが原因だと個人的には思うからです)、マデレン事
件だけではなく、両国民間の亀裂もあります。

あるいは、ポルトガルに移住していても、イギリス人のやり方を押
し通そうとするその特性を明確にしたのかも知れません。

ポルトガル警察は、マデレンの死を確信しているようです。

しかし、失踪25日以後にマカン夫妻が借りたレンタカーに99%
の確立性のあるDNAが発見された、というのは、いったいどういう
ことなのか・・・・

もうひとつ、Praia da Luz の海は、人間でも一旦沈もうものなら、
再びとは海岸に打ち上げられることはない、と地元では言われるよ
うです。
これはうちの掃除のオバサンからの情報です。

事実はまさに小説より奇なり。

もっと知りたいと思われる人は、Googleでmadeleine mccannと検索
してみてください。たくさんヒットすると思います。

そうそう、もうひとつ。
このマカン事件をきっかけに、ポルトガルの失踪者の家族が連結し、
警察へ(自国の失踪者捜査にも力を入れて欲しい)と一般市民への
(マデレンだけが失踪者ではない、国内には何十人といる)キャン
ペーンとアッピールを狙って組織団体を作ったとのニュースがあり
ました。

p.s.過っていると思われることが記事にありましたら、ご連絡いた
だけると助かります。

ランキングクリック、お願いします。

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コメント
えっ!恐い事って?何!?
似たような事件はアメリカでも・・・未解決だし。
日本では、イギリス人女性講師殺人の男がどこにいるのか、生きているのかも分らない状況が続いていますね。
で、恐い状況って、何の事!?教えて!
2007/09/12(Wed) 23:59 | URL | テニスちゅう毒ちゅう | 【編集
>ちゅうさん

アメリカのジョンベネ事件かしら。
あれも最後には両親に嫌疑がかかりましたね。
でももう母親は亡くなり、しばらく前に
「俺が犯人だ」と名乗りをあげたのがいましたが、
結局それも嘘で迷宮入りですね。

日本のその事件も、整形手術して逃げ回っているかもよ・・・

怖い状況の話、もう少し気を持たせようかしら(笑)
でも、がっかり・・・応援してきたのに。
魑魅魍魎が海千山千の政界、生真面目だけでは乗り
切れなかったのでしょうか・・・
単純な頭のわたしには、それも怖い世界です・・・

あちらに書いてきました^^
2007/09/13(Thu) 03:05 | URL | spacesis | 【編集
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