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2007年9月26日

昨日25日は中秋の名月とか。
ポルトの我が家、ベランダから眺めた月もいい月でした。
暫らく前にこの日記で月光浴について書きましたが、昨夜もベラン
ダに座り、しばし月光を浴びてみました。
なにしろここしばらくpcに向かいっぱなしで肩の凝ること^^;
これで少しは和らがないかしら(笑)
そういう月のご利益(ごりやく)は別にして、自然美を崇める大和
心は、たとえ何年海外に住もうと簡単には損なわれないものです。

さて、28年来のポルトガル人の女友達Eさんがいます。
ご主人の仕事の関係で、その昔東京に6年ほど住んだことがあるの
で、来た当時ポルトガル語が全くできなかったわたしは、話相手が
できて助かったものでした。
日本語と英語でわたしたちは時々会っては話したものですが、彼女
とは同年代の上、気さくな人だったことも手伝って、何もかもあか
らさまにとまでは行きませんが、時々愚痴を言い合ったりして、大
いに気晴らしになったこともありました。
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ー続きはここからー

お互いに夫婦単位での付き合いも、それなりにしてきたのですが、
かれこれ20年程も前に、ご主人は亡くなり、以後彼女は、仕事を
見つけて働きだし、3年前に自主退職して自分で家具のブティック
を開いたのです。ちなみに彼女には子どもがいない。

同じ町に住んでいるのに、お互い忙しくてなかなか会う機会もなく、
最後に二人で食事をしたのは3年ほど前になり、電話でしょっちゅう
お互いの安穏を確かめてきたわけではありませんでした。

それで、夏休みが近づくにつれ、どれどれ久しぶりにと思い、数度
彼女のケータイに連絡を入れたのですが、応答はするものの、その
都度、「あとでこちらから電話するわ」で、それっきり待てど暮ら
せど来ず。
ひどく沈んだ声だったのでどうも気になっていたのでした。
その後、人づてに弟さんが亡くなったとは聞いたのですが、たいし
た事もできないのに余り差し出がましく出るのはと思い、しばら
くそっとして置くことにしました。これが数ヶ月前のこと。

先だってそのEさんから電話がかかり、一緒に昼食をとってきたの
ですが、この夏続けて二人の弟を亡くし、とうとう天涯孤独になっ
た、とすっかりしょげ込んでいます。
その上、彼女は乳がんを去年患い手術をしています。
いつもだとユーモア交じりではあるけれども、結構辛口の彼女なの
ですが、そのかけらも見えず。
最初のうちはダラダラとわたしの息子やモイケル娘の近況を聞かせて
くれ、とやっていたのですが・・・

これまで意思の強い安定した人に見えた彼女ですが、病気に加えて
天涯孤独になったことがすっかり彼女を落ち込ませてしまったよう
です。

数年前に弁護士として活躍していたご主人を亡くし、家に閉じこも
ってしまったもう一人の友人と重なりました。
日本語の生徒さんなのですが、付き合いが長く、もう友達関係です。
彼女の場合、立ち上がるのに2年近くかかり、去年やっとまた日本語
を始めたいと言って来、今はなんとか以前の日常生活を保てるよう
になったようです。

その彼女も、今日教室に来るなり、
「今日は苦い日なのよ、先生。わたしと亡くなった夫が、50年前、
周囲の反対を押し切って結婚した日・・・」と。
愛する夫を失った哀しみが癒える日は、恐らく来ないのでしょう、
もう殆ど涙目でした。

考えてみると、わたしたちは親と共に暮らす年数よりも、連れ合い
と一緒の年数の方が長くなるわけで、昔の人はよく「空気のような
存在」と言ったものですが、若いころにはその言葉に反撥したこと
もありました。
でも、今その意味合いが分かるようになって来ました。

何十年となく共に暮らすことにより、惚れたハレタを通り越して、
そこに居るのが、また居てこそ当たり前との状況に馴染んでしまう
のでしょう。

わたしは今年還暦を迎えます。
両親も叔父叔母たちも彼岸へ渡り、知人の中にもそうして逝った人
が幾人かいます。
予定通りに運ばないことは承知の上で、しっかりした思考力をもっ
て生きられるのは?と自問すると、15年、長くて20年でしょう。

ポルトガルに来てまもなく30年になろうとするわたしの人生、さす
ればなんと、今までここで過ごした時間ほど残されてはいないでは
ないか!
もちろんわたしは、傍から「もういい加減、いってくれや」と邪魔
者扱いされても、できるだけ長く生きて、この世の中がどういう変
動を重ねていくのか、この目で見たいと思っている。

空気のように慣れ親しんだ連れ合いの喪失感は、自分がこれまで遭
遇したいろんな苦労じみたこととは比べものにならないくらい、辛
いのかも知れない・・・
が、わたしはそれでも人生はそこで終わりだとは思わないでしょう。

くだんのEさんは乳がんの手術は一応成功しました。
ならば、いま少し人生の休憩をし、また歩き出さないとね^^
孤独の穴から抜け出す手段はただひとつ。自力で這い上がることだ、
それ以外はない。

15年、いや20年後、わたしたちが今と同じように、久しぶりに会い
人気のない昼のレストランで、静かにワインか生ビールの杯を傾け
て、今日の日を「あの頃」のこととして、和やかに話ができる日が
来ることを願っているのです。

20代後半から、なにかの拍子に頭の中に浮かんでくるひとつの童謡
があります。

♪Row,row,row your boat   漕げよ 漕げ 漕げ ボートを
 Gently down the stream,  流れに沿って ゆっくりと
 Merrily,merrily, merrily,merrily   愉快に漕げよ 陽気に漕げよ
 Life is but a dream.        人生はひと時の夢なれば


メロディーも陽気なこの歌は、童謡にしては随分哲学的な要素が
含まれています。

食後、海岸通りのまだ少し暑い日差しの中を散歩しながら、Eさんと
こんな歌の話をして「またね」と別れてきました。
自分のボートをわたしも一生懸命、しかしゆっくりと、愉快に陽気に
漕いで行こう。

ポルトガルロマン:テンプル騎士団の町トマール(1)をアップしました。どうぞ。

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コメント
秋めいて来ました
こちらは夏ももぅ終わったみたいで
涼しくて秋めいてきました^^
月夜をみながら借りてきたベートーベンの
ピアノソナタ「月光」を聞くにはぴったりの季節
って感じなんだけれど「月光」はちょっと
暗いので合わないような気も今聴いていて
思ったりして^^;

あと何年生きられるかというのは
あっしも時折考えることがあって
この世の行く末を技術の進歩を見てやろうと
日々思ってるわけなのですが
いや~生きてるうちにまた日本も戦争へと
突き進むのだろうかと暗雲立ち込めた時代の
予感を感じつつ
サイトリニューアルにはまって
時間の浪費にいそしんでいる今日この頃
あぁー長々と続きそうなので
この続きはカフェでということでww
2007/09/27(Thu) 18:26 | URL | ぎたれれ | 【編集
>ぎたれれ君

モイケル娘が昔弾いてました、それ。
わたしはドビッシーの方が好きですが、音楽は
その時その時の気分によるかも知れませんね。

安倍政権辞職後、あちこちのブロガー記事を
回ってると、暗澹たる気持ちになってくると同時に、
一体全体みんなどうなってるんだ・・・です。
もう分かりませんわ^^;

20年30年後のモイケル娘たちの時代は?と考えると
ど~~んと落ち込みそうで安心して死なれません。
ホンマ。

ところで、サイトルニュアルって何してるのかな?
ちょっと覘きに行ってみようw






2007/09/28(Fri) 17:57 | URL | spacesis | 【編集
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