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2008年10月30日

7、8月は夏休みで例年だとよくポルトの街を歩き回るのだが今年
は少し仕事を入れたので散策に出かけることが少なかった。

9月に入り「どれ。」と久しぶりにサン・ベント駅からドウロ河畔リベ
イラに続く大通りを下って歩いていると、とある大きなショーウイン
ドーのある店に目が留まった。店先に置いてある陶器の人形の
作風に見覚えがあるのだった。
ローザラマリュ1

顔を近づけてみると、おお、やはり!ふくろうの人形が手に持って
いる本には「JR」のイニシャルが見える。「JR」とはポルトガル
北部きっての陶土人形作家「Julia Ramalho=ジュリア・ラマー
リュ」のことである。

ジュリア・ラマーリュは1946年にバルセロスのSao Martinho de
Galegosで生まれ、祖母Rosa Ramalho(ローザ・ラマーリュ。
1888~1977)の独特な作風を受け継いで現在も陶土人形作
品を制作している。↓
ローザラマーリュ2
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ー続きはここからー
真ん中の人形は子羊を抱いているので、「洗礼者サン・ジュアン
(聖ジョン)」である。
下は同じく聖人人形。鍵を持っていることから「サン・ペドロ(聖ピー
ター。ペドロの持つ鍵は天国の鍵を意味する。)」
ローザラまーリュ3

作品からわかる様にローザ、ジュリアの作品は聖人の人形が多い。
これらの作品の特徴はどれも独特のキャラメル色であることだ。
そして、拡大して右写真のようにひび割れのような模様が見られ、
日本の萩焼が思い出される。
ローザラマーリュ4

わたしがこの陶土人形に惹かれるのは、ひとつには、聖人人形と
いう宗教性の中にどこかユーモアがあり、宗教心のないわたしで
も思わず「ふふ^^」と笑いを誘われるようなほのぼのとした温もり
を感じるからである。

そして、もうひとつは、ジュリアの祖母ローザの作品がかつて我が
家にはたくさんあって、わたしには馴染みの人形だったことから
である。

ローザ・ラマーリュは1977年没とあるが、生前のローザは夫の
患者であったそうだ。
わたしが嫁いできた1979年にはすでに他界していたが、ローザ
から夫にと届けられた彼女の作品が段ボール箱にどっさり入って
保管されていた。
宗教に関心がなく、聖人ジュアンも聖人ペドロも見分けのつかなか
った当時、ユニークな人形に惹かれて、わたしはその箱の中から
あまり宗教性の感じられない、上の写真に見られるのと同じヤギ
や民族人形を選び出して、部屋に飾ったものである。

ローザラマーリュ5
(写真はわたしが持ってるジュリアの作品)
   
幼かった子供たちも時々、これらの人形をおもちゃにして遊んだり
もした。

段ポールいっぱいに無造作に入れられたローザの作品は、娘が
生まれる段になり、同居していた義母の家が手狭になるというの
で、わたしたちは同じ通りの借家に引っ越し、しばらくそこの車庫の
入れて置くことにした。

この家は小さいながらも庭があり車庫は通りに面した細長い庭の
突き当たったところ。
裏はこの辺りでは知らない人のない土地成金ジョアキンおじさんの
大きな畑で、隣は草茫々の空き地であった。

普段すぐには使用しないものをわたしはこの車庫を利用し、物置
小屋代わりにしていたのであった。

その車庫の立地条件が効をなして(笑)、ここからは自分が気づか
ないうちに、骨付き生ハム一本、大きなバカリャウ(Bacalhau=
干ダラ)、ワイン、と色々なものが無くなっていったのであった。
毎日車庫へ行って、あるかどうか確認するわけではないので、無く
なっても随分長い間、気がつかないのである。
(当時のエピソードについては下記にて案内)
                       
ローザ・ラマリュの作品がごっそり入ったダンボール箱が無くなった
ことに気づいたのは、現在のフラットにわたしたちが再び引越した
6年ほど前のその時である。
ゆえに、いったいいつ車庫から無断で拝借されたのかは不明(笑)
のんきなものだ^^;

現在の人形作家ジュリアの作品は、思ったほど廉価なものでは
なかった。
故人ローザの作品ともなれば、今では貴重品になっており、もし
わたしたちが手元にもっていたらあるいは博物館に寄贈できたか
も知れないと思うと、少し残念ではある。

が、それよりも、泥棒さん、箱を開けたところが宗教人形ばかりで
何と思ったであろうか。それともその価値を承知して持っていった
のかな?と、わたしは思ってみるのである。

そんな訳で、我が家に今残っている故人ローザ・ラマーリュこと
RRの作品は夫の引き出しにひっそりと仕舞い込まれている下
のひとつだけ。横にはRRにサインがある。
ローザラマーリュ6
珍しく色をかけていない茨の王冠を冠した、白い「キリストさま」。
何かしら優しげで可愛らしさがにじみ出ているのに、作者RRの
人柄が感じられる。

ポルトガルの陶土人形作家・ローザ・ラマーリュについて

1888年に靴屋である父親と織工の母親との間に生まれたロー
ザは、18才の時に結婚し7人の子供を育てあげた。
子供の頃に一時期陶土工芸を学んだが結婚後50年ほど、家事と
子育てにいそしんだ。
夫の死後、68歳で再び陶土工芸を学び始め、独特のスタイルの
人形を製作し名を知られるようになった。
     
ジュリア・ラマーリュはローザの孫にあたり、幼い頃から祖母ロー
ザの仕事場に入り、その技巧を学び、現在に及んでいる。

     
ポルトガルよもやま話「ジョアキンおじさん 
ポルトガルよもやま話「生ハムどろぼう」を読む


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